空 か ら の 落 と し 物 2
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平成9年,初秋のこと。
幼稚園年少組だったうちの長男がお友達の家に遊びに行った。
そのうちに着いたとたん,N君が庭先の地面を指差して大騒ぎ,
「ナマズじゃあー」
「うわあー何でこんなところに?」
「空から振ってきたんじゃあ〜」
空からー?
指の先には20センチ程もあろうか,ナマズがのたうち回っている。
用水路までは約15m。
こんな所まで跳ねたとしたら,大地震の前兆かというところだ。
「大きな鳥が空を通らなかった?」
「う・・・ん?」
多分,その後地震も起こらなかったので,鳥の仕業だろう。
「じゃあ,おばちゃん,用水路に帰してくるわあ」
初めて触るナマズ,粘液でベタベタぬるぬるしているものだと思っていたが,つるつるっとしていた。これは以外だった。が,くねって暴れるので持ちにくい。
なかなかナマズを手に取っ見る機会ってない。
・・・変な顔。
ナマズにゃ悪いが正直な感想である。
まじまじと正面から眺めると目が離れていて,おまけに口をあんぐり開けると,がま口を開けるようにお腹の中が丸見えだ。ヒゲが二対,”ナマズのようなヒゲ”の実物,マンガそのもの,笑える。
用水に放してやると,あわてて底に沈んでいった。石のようにじっと動かなかったが,上から見れば丸見えで,網があれば簡単に捕まえられそうだ。アレはアレで隠れたつもりだったんだから,何だか抜けていて可愛い。
落としもの主はサギかカラスかトンビか?
悔しかっただろうなあ。
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