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〜深いリラクゼーションへ〜 Dr.アプレジャーの発見した体内の水圧機能のリズムは、脈拍とも呼吸とも違っていた。それに働きかけることにより健康を取り戻し、深いリラクゼーションを得る。 クラニオセイクラル・システムは頭蓋仙骨システムとも訳される。 人の体の中心には、硬膜という防水性のある膜で覆われた脳脊髄液が流れていて、独自のリズムで動いている。 |
一九七○年、アプレジャー博士は、手術中に偶然その動きを発見した。
それは、心臓の動きや呼吸数などに左右されない、独立した生体システムのリズムであった。 この生体システムの構造をわかりやすくいうならば、頭蓋骨の中に入った風船を背骨に沿ってお尻の骨まで伸ばしたおたまじゃくし状のものといったところであろうか。風船の中身は脳脊髄液だが、その流れが何らかの理由でスムーズにいかなくなると、いろいろな形で体に悪影響が出る。クラニオセイクラル・バランシングは、その脳脊髄液の水圧システムに働きかけリズムを使って流れをスムーズにするワークである。 ワークを受ける人はトラベラーと呼ばれ、施術者であるファシリテーターの前に寝かされる。ファシリテーターは、トラベラーのクラニオセイクラル・リズムを感じ取り、細砲レベル、皮膚レベルでの動きやすい方向を探していきながら、トラベラーを誘導していく。アプローチが始まると、すぐにトランス状態に入るトラベラーも多い。 ファシリテーターは、俗に5グラムタッチといわれる軽い力でトラベラーの体に触れる。筋肉や骨格は私達が思っている以上に、エネルギーの伝達性に優れているので、ほんの小さなカで動かすことができるのである。逆に大きなカで無理に矯正すると、体の防衛メカニズムが作動してしまう。小さな力を長い時間かけることが重要なのだ。時には、頭蓋骨が音をたてて自然に正しい位置にはまっていくこともあるという。 あくまでも、治すのは各々の自然治癒力であって、ファシリテーターはそれを適切に促進していくだけなのである。 体の異常は、エネルギーのかたまりに原因があることが多い。それをエネルギーシストと呼ぶ。これは、スキーで転んだ、事故に遭ったといった外傷時に体に入り込んだエネルギーのことで、体内で徐々に小さくなって密度を高め、強力になっていく。そのかたまりが体の組織や機能を破壊していくと考えられる。 また、いわゆる精神的外傷も同じようなエネルギーのかたまりになっている。 エネルギーシストは、何年も経ってから外傷と一見関係のない部位に作用することが多い。それで本人は、現在の痛みと昔の外傷との因果関係に気がつかないのである。 それでも、細胞は外傷を受けた時のことを記憶していて、ファシリテーターの力を借りながら、事故時の体位そのものになるまで体を勝手に動かしていく。体位が決まると、エネルギーが入ってきた入口が開かれ、入ってきた経路を遡ってエネルギーが出ていく。その時まで過剰であったエネルギーが放出されることでバランスがとれ、体は本来の健康を取り戻すのである。 精神的外傷の場合も、それを記憶している細胞に働きかければ、ソマト・エモーショナル・リリースと呼ばれる感情の解放が起こり、エネルギーが放出される。 エネルギーが出ていく際、外傷を受けた時の記憶がよみがえることがある。「忘れていたけど、六年前に階段から落ちてお尻を打った」「赤ん坊の頃、父が私の手首を握って泣きやめと脅した」など、原因はさまざまである。階段から落ちた人は、落ちた時の体位をとることで元気になり、父に対する不可解な怒りに戸惑っていた人は、ファシリテーターに手首を軽く支えられることで怒りを解放し、父を許せるようになるのである。 また、このワークは、症状のない健康な人にも有効である。 クラニオセイクラル・システムの中にある中枢神経の代謝は活発になり、免疫システムが向上することでストレスが滅少し、疲れにくくなる。 幸福感が高まるという人が多いのは、ホルモンバランスの向上によるものとも考えられる。 創始者のアプレジャー氏はもともと医師であり、大学教授でもある。医学的知識を基にしてはいるが、心理的働きかけも施し、場合によっては手の平から直接エネルギーを送ってヒーリングを行なうこともあるようだ。ボディ、マインド、ソウルをひとつとみなす療法で大きな成果をあげている。 |
*************レッテルを貼られた子どもたち ************ |
いわゆる学習障害児というのをご存じだろうか。授業に集中できずに動き回る子、文章がうまく読めない子など、クラスに適応できない子ども達は学習障害児と呼ばれ、落ちこぼれのレッテルを貼られている。これはアメリカでの推計だが、彼らの約半数にはこのワークの効果が期待できるのだという。
そもそも子ども達の障害は、生まれる時に発生しやすい。分娩時間を短縮するため、頭をつかんで引き出されるので、頭蓋骨と首の骨のつなぎがずれてしまうのである。そのずれをすぐに直せば問題は残らないのだが、放っておくと障害といった形で表面化することがあるのだ。 劣等生と思われている子ども達に自信を取り戻させるためにも、クラニオセイクラルの講師がもっと増えることが望ましい。 専門職でなくても、母親や学校の教師などが子どもに施術できるようになれば、救われる児童も多いはずだ。 |
誰もがクラニオセイクラルの知識をもっている環境こそが Dr.アプレジャーの目指す世界である。 |