片麻痺のいろいろなリハビリ方法

ここでは、片麻痺に対してのさまざまな形からアプローチするリハビリ方法を掲載していきます。
ですが、そのリハビリ方法が、全ての人に有効とは限りません。
でも、やってみる価値は有ると思います。

なお現在、リハビリ中の方は、リハビリの主治医やPT、OT、STの先生に相談の上、おこなって下さい。


この病気(麻痺)のリハビリはやったからといって、すぐ抗力が有るものではありません。ある方もいらっしゃるかもしれませんが・・・。だいたい月単位 、年単位で変わっていくことも珍しくありません。根気よくやっていきましょう!!


皆様からのリハビリ方法の応募は、掲示板までお寄せ下さい。


なお、僕がメールを読んでみて試してみて、危険そうなリハビリは掲載致しません。予めご了承ください。皆様からのメールをどんどんお待ちしております!!
※なお、リハビリをする際は、自己の責任でお願い致します。


1.「伸筋」刺激運 動(腕の外側が伸筋・内側が屈筋)
1.まずベッドなどに座ります。
2.麻痺した手を身体に沿って置きます。手は無理矢理開 きます。
3.そしてゆっくりと体重を乗せます。
4.そのままキープ。
5.キープしたまま片方の手で肩から「水」が流れて行く イメージでさすってやります。
10回は流してやります。
提供/e-医療ジャーナリスト   オギノ テツヤさん

2.手のリハビリ法

あくまで無理しないように!

1.朝起きた時と寝る前二回手首から先の全ての関節を
  健手と同じように健手で伸ばしたり曲げたりする。
  10回ずつ(これは、麻痺の功縮を防ぐ)
2.両手の手のひらを合わせて平らにする運動をする。
3.上肢を上に思いっきり上げるその時、手のひらを伸ばすように努力する。
  気合を入れて手のひらを伸ばすように・・・・・・・・・・。
4.肩硬骨、肩関節、上腕の全ての動きを完璧にする。
  外転(きをつけの姿勢から上腕を外側に上げる。横万歳)
  内転(その反対)
  内側のねじれ、手を伸ばして親指が、内側から外側に向く方向
5.雑巾掛け、麻痺手を出来るだけ開いて雑巾掛けをするように。
  (テーブル拭きでもいい)
6.大豆つかみと、離す訓練。(感覚刺激を脳に戻す動き)
7.玉投げ。
8.硬い物の上に手の平を上に向けるように置き手を開く。
9.両手で戸を開ける。全ての動作は両手でやってみる。
  但し、麻痺手が動き出したら健手を添えずにやる事。
10.仰向けに寝て手の運動をやる。
  両手を組んで上下左右あらゆる方向に腕と手を動かす事。
11.大きなボール(ビーチボール)投げと、つかみ。 麻痺手で出来るだけ掴む事。

以上です。
寝て腕を健手で掴んで動かしてやると楽に出来ます。
出来るだけ、麻痺手を無視せず使う事。
料理の時も使う事。
ついてる手はいつかきっと動きます。
私はそう信じて やっています。
肘伸ばしこれをやれば段々指先まで神経が通ってくると思います。
座って手をつぱってることが 可能になりましたよ。
独りで出来ない事は家族から協力してもらうといいです。


3.「2人でするリラックス法」=ボディワーク
1.片麻痺は麻痺側のみの「過緊張」の状態です。
A(援助)とB(本人)としてご説明します。
(時間は目安です。2人 が続けられるように無理しないでください。)
まずBは仰向けに寝ます。Aは足下に座ります。

2.足指揺らし(5分程度)
1)AはBの足の小指の付け根を持って左右に揺らす。
2)次は足の薬指の付け根を持って左右に揺らす。
3)こうして中指>人差し指>親指と同じようにします。
4)頭まで揺らした振動が伝わっていることがポイント!

3.足指引っ張り(5分)
4.足指ゆらしと同じ要領で今度は軽くツンツンと手前にひッぱる。すべての指をしましょう!
5.全体ゆらし(簡単金魚体操)(5分)

1)AはBの足首を膝の上にのせます
2)AはBの足首を持って揺らします。
3)これも振動がBの頭まで伝わっていることがポイントです!
提供/e-医療ジャーナリスト   オギノ テツヤさん

4.「脳と手足をつなぐ簡単意識(イメージ)体操」

交代ですると楽しいですよ。麻痺だけでなく夫婦(家族)関係の改善にもお勧めです。
1.一人(麻痺の方)が両手両足を出来るだけ広げて寝ます。
2.目をつぶりましょう。手足全部で4箇所を感じて下さい。感覚の無い方は目で見て確認しましょう。
3.麻痺で動きにくい個所は無理せず『広げたつもり』で良いのです。
4.もう一人はその4ヶ所をそれぞれ言います。

『右手を開いて閉じて』『左手を開いて閉じて』『右足の指を開いて閉じて』
『左足の指を開いて閉じて』
出来なくても『開いて』『閉じる』つもりになれば良いですよ。
さあその言葉を感じることは出来ましたか?感覚が無い場合は目でその 部位 を見てください。
これで準備OKです。

5.さあゆっくり始めましょう!最初は1カ所ずつゆっくり言いましょう。
「左手を開いて・閉じて」など・・・順序良くからランダムに!
うまく出来なくて良いんです。意識がその部位に行くだけで脳からの信号は 「少しかも知れないけれど」流れますから。

6.次第に応用問題に進みます。もう一人が『右手と右足を開いて閉じて』
「右手と左足を開いて閉じて」 などいくつかの組み合わせで音頭を取ります。ゆっくりゆっくり。
7.寝ている側は頭が混乱してきませんか?それで良いんです。
8.難しいのは『右手と左手と左足を開いて閉じて』など3箇所同時にさせるパターンです。
9.いろんなパターンを作ってみましょう。

2箇所3箇所になると麻痺がなくても難しいはずです。
出来ない時はまずイメージして脳から手足への信号を思い描いてみて ください。感覚の無い方は見で見て確認して良いですよ。
これは脳から末端への命令系統をイメージしてゆく訓練です。
これって何かに似ていますよね。そう『赤上げて』『白上げないで』『赤下げて』という例の『手旗のゲーム』です。あれの手足版です。
最初は なかなかうまく出来ません。それで良いんです。広げることが出来なくても
良いんです。『そのつもり』になっていれば脳からの信号はつながって行き
ます。「動かす」にはまず『動かすイメージを作る』ことが大切と教えられました。麻痺して感覚が無い方も出来ますよ!大切なのは
『そのつもり!』

提供/e-医療ジャーナリスト   オギノ テツヤさん

5.「弛めきる1」

身体と言うのは全体的につながっているのである部 分をリラックスさせてあげると全体に良い影響がでてくると考えて います。
介助者Aと患者さんBでご説明します。

<腕さすり>
1.Bは仰向けに寝ます。
2.AはBの腕をさすります。(左右10回くらい)

さすりかたは肩から指に流れを作ってあげるようにさすります。
「流れて行く」と言いながらすると効果的かも知れません。感覚が無い方や弱い方はその流れを目で見るようにして下さい。

<指ほぐし>
3.AはBの小指の付け根をほぐします。骨と肉と皮をほぐすように する感じです。
4.ほぐす場所を次第に指先に変えて行きます。場所は指関節です。
5.小指>薬指>中指>・・・と親指までします。

麻痺側だけでなく左右両方の指ともします。
<腕ゆらし>
6.AはBの手のひら(指の方が持ちやすい)を軽く握ります。
7.Bの腕を持ち上げるようにして揺らしながら地べたから90度位まで「持ちあげ+揺らし」をします。最後に揺らしながら静かに地べたに下ろ します。

<腕引っ張り>
さて、仕上げです。
8.AはBの腕を持って持ち上げます。少し持ち上げて「ストン」と落とします。注意点は落とすと言っても麻痺側についてはBは手首は離さずにバタンとならないようにして下さい。「ストン」という軽さが大切 です。肩胛骨が床から少し離れては元に戻る感じです。
(左右5回ずつくらいが目安です)
9.AはBの両腕を持ち上げます。そのまま背骨を船底のようにして左右に「ギッコンバッタン」と小舟に乗ったような感じで揺らします。Aは船頭でBは小舟というイメージです。前後ではなく左右ですよ。だから床に対する背中の付き方は「肩胛骨>背骨>肩胛骨」の繰り返しになります。

『腕ゆらし』『腕引っ張り』の場合は体全体に揺れが伝わることがポイントです。特に肩胛骨が揺れることで少しでもゆるんで来れば良いわけです。肩胛骨周りを弛めることは手・腕を動かす第一歩です。ここが 動かなければ手は使えません。
簡単で安全でいつでもどこでも出来ると思います。慣れてくれば3番目の
「2人でするリラックス法」=ボディワークと今回と合わせて30分も掛かりません。毎日日課として続けて下さい。
ここでご紹介していることはすべて僕が実際に試したものです。

★肩脱臼のキツイ方だけは最後の「腕引っ張り」をして良いか専門家 (理学療法士など)の判断が必要だと思います。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
効果が目に見えるまでに時間は掛かります。どうか頑張って続けて下さい。介助者にも疲れが出ないように楽しんでする工夫をしてみて下さい。

提供/e-医療ジャーナリスト   オギノ テツヤさん

6.「弛めきる2」

これは「フェルデンクライス」の訓練法の一部です。スポーツメンタルトレーニングを受ける時に習い覚えたものです。 フェルデンクライスはサッカーをしているときに膝に大けがをして医師から「生涯車椅子」と宣告されました。自分で治そうと決意して独自の体操を考えてやがて歩けるようになりました。その過程でのノウハウを体操法にしました。特に「片麻痺改善」だけのものというより身体全体のバランスを正しくするものと考えて下さい。 一人で出来ますが、誰かと一緒にするとその人も元気になると思いますよ。 これはある意味で脊柱周りを弛める体操ともいえます。手足は脳の末端である脊柱を通 して動きの命令を受けるわけですからこの部分が緊張 していてはいくらリハビリをしても効果 が高まりません。 彼はこれを自分で考案して実践したわけです。

<足腰ねじり>
1.まず仰向けに寝ます。
2.両膝を立てます。
3.右足を左足の上に組むようにします。
4.右足の重みを自然に感じながらゆっくりと右に倒していきます。この時息を吐きながらすると重みを感じる微妙さが分かります。5回ほどします。
5.今度は反対の左側です。

自分の歪みが感じられるようになることが大切です。
自然に多くする側が分かるはずです。堅くなっている部分を感じられた証拠です。

<両手合わせ>
1.まず仰向けに寝ます。
2.体の上で両手のひらを合わせます。出来るだけ 肘は伸ばしましょう。
3.その手を合わせた形を崩さずに左右に交互に倒します。
4.右手のひらで左手のひらを押すようにして倒します。地べたまで倒す必要はありません。倒すときにやはり息をゆっくり吐きながらすることです。力が入りすぎるのが防げます。左右5回ずつくらいが目安です。これもやはりどちらか倒しにくい側があるはずです。それを感じることが大切です。やりにくい方があなたに必要な運動です。


「自分を感じる」ことは不思議にゆるみにつながる ようです。ゆるんでくると更に自分の歪みを感じるこ
とが出来るようになります。 これで初めて自分を治すスタート台に立つことが出来 ると思います。「感じられること」で姿勢にも普段の 動作にも次第に自分で気をつけるようになるからです。 自分の身体を見つめ直して1から新しい身体を作り直 しましょう。麻痺を克服しようとする方は馬鹿みたいに 繰り返すことが必要だと思います。

提供/e-医療ジャーナリスト   オギノ テツヤさん

7.「意識を通す/自宅で出来る足のリハビリ」
廊下を使いましょう。幅が狭い方が安心です。装具が不要な 方は「裸足」でして下さい。
「5−10M」くらいの距離を歩く練習をします。


1.スケートをしたことがありますか?あの要領です。右・左と 交互に足を斜め前に出して前に進んで行きます。
2.出した方の足に充分体重を乗せます。麻痺測は怖さがあり ますが危険のない範囲で乗せます。
3.出来るだけ、足の先(親指)に重心を乗せるつもりでしましょう。
4.自分の体力に応じて往復します。
5.慣れてきたら、後ろ向きにもしてみましょう。《怖い人はやめて 下さい》

以上です。5往復して10分でしょうか。ゆっくり体重を感じ て下さい。
麻痺をしていなくても意外に人は足の先まで意識が行って いないそうです。膝で置きに行っているそうです。武道の世 界ではそういう足さばきは許されません。これは武道訓練 の一つです。指先まで意識を通 すことでより安定した歩行 が可能になります。
また「骨」そのものは重力をかけずに放っておくと弱くなりま す。有名な「骨そしょう症」です。重力をいつもかける意味は そこにもあります。宇宙飛行士が1週間宇宙に行き帰ってく るとやはり筋肉だけでなく骨も弱くなっているそうです。 骨折など2次的なトラブル対策にも有効です。
提供/e-医療ジャーナリスト   オギノ テツヤさん

8.「動作法/イメージ法」

1.「虚と実の話」 虚=「イメージ」は虚の世界のこと。
・実=「現実」は実の世界のこと。
それを「動作」に置き換えると
・実の世界=現実に身体を動かすこと。
・虚の世界=「イメージ」すること。
現在、スポーツの世界では当たり前になっているトレーニングが 「イメージトレーニング」である。 例えば 柔道の選手の場合
・イメージで背負い投げをすると現実に身体を動かした時と同じ 筋電図が出る。
前から、このことは分かっていたが何故か日本 は採用しなかった。ロシア・東欧が練習にこれを採用し、選手の 強化をし、実際に強くなった。 水泳の選手の場合 ・実の世界だけで練習すると「浮く」ことに関心が強くなり、動作に 結びつきにくい。
・虚(イメージ)で練習すると動作の方法がよく理解され、ラップが 上がった。 卓球の選手の場合 ・上手い人のイメージで打とうと練習すると本当にうまくなって行く。 つまりこれまで一度もしたことがないことをしても効果は出ないが 経験した動作をする場合には虚(=イメージ)は実(=現実)に大 きな影響を与える。
----------------------------------  イメージをどう出し、いかに使うか?
<実例からのヒント>

1)「上がり症」の人はどうすれば良いのか?
「リラックス」がとても大切なポイントになる。
・具体的にリラックスするためには「リハーサル」をすると 随分と違う。
=「メンタルリハーサル」 オリンピックの体操選手-->「急に」大観衆の前に立つとアガル。 これを事前リハーサルすると随分と楽になる。 大観衆を前にして・・ 「いる!」と思う人と「みんな応援してくれているんだ!」と思う人では 後者の方が落ち着いている。そう思えるように「メンタルリハーサル」 する。これもイメージである。

2)肩に緊張のある人は「イメージ」しにくい。
肩をまずリラックスしてから「イメージ」するという事前準備が重要。
3)「頑張る」ことの緊張 ・「よし、頑張るぞ!」と言う気持ちで始めると余計に緊張する。
・「ゆるゆる」としようとすると楽に出来る。
4)「型」にこだわることの緊張 ・決められた「型」にこだわると「意識」でしていることになる。
効果が 出にくい。 ・「イメージ」が使えてくるとこの「型」を崩して「本来」の力を発揮出 来る。
5)ウオームアップの効用 ・「心」を一旦離すことで「リラックス」につなげることが出来る。   
その結果、良い「緊張」の状態に持っていける。
6)暗示効果(イメージ) ・「緊張」=生理的に筋を緊張収縮させる。
・「緊張感」=これはある心理的状態であり、「無意識」に緊張が出てくる。 「ほどほどのやる気」が出る。 この「ほどほど」がうまく調整出来ないと(=「強い」)とアガリになるか 虚脱に陥る。

人には緊張の「癖」が誰にでもある。 普通はそれが「肩こり」や「腰痛」などの身体の不調である。 そうした自分の緊張状態をよく知っておくことがとても大切 である。 健常者の場合、これは一度動かしてみると分かりやすい。 麻痺した人は難しいが・・。 「アガル」とこれはまったく自覚出来ないまま、終わってしまう。 目標は「自動感」である。これはよく対戦に勝った相撲取りが インタビューで言う言葉・・ 「身体が勝手に動いていました!」 ・・が大きなヒントになる。 さて、彼らは毎日何をしているのか? ・対戦相手の取り組みを見て、それに対して自分がどういう 相撲を取るのかを「イメージ」する。 ・実際に相手を想定して稽古をする。 ・そして、何度も繰り返す。 ・次第に自分の勝ちパターンが身体で分かって来る。 つまり「実−−>虚−−>実」の繰り返しが「身体が勝手に 動く」ことに繋がっている。 イメージは「虚」ではあるけれども実は「実」にとても大きな 影響力を発揮することがこれからも分かると思う。

以上です。
まとめをすると・・・

1.「イメージ」は現実の身体の動きに大きな影響を与える。
2.「型」にこだわりすぎると緊張が先行して効果が上がらない。
3.つまり、リラックスが大切である。
4.そのリラックスも「イメージ」を使うことで効果が出せる。
5.自分が緊張している部分をよく理解する。
6.「イメージ」を創り出す最大のポイントは「何をしたいか?」 という意欲である。


具体的にリハビリに応用するには・・・・・
1.リハビリをするときは事前にウオームアップが必要でどうい う動きを訓練するのかのイメージをすることが効果的。
2.リラックスしてするためにも「型」にこだわりすぎない。
3.自分の動きにくい(緊張)部分をよく知ってそこを弛めてゆく ようなリハビリを取り入れる。
4.以前、自分がしていたスポーツなど身体が記憶しているこ とをリハビリや日常に取り入れてやる。
5.「絶対にやりとげるんだ!」などと力まないこと。身体に緊 張が起きて、リハビリ効果 が落ちる。

提供/e-医療ジャーナリスト   オギノ テツヤさん

9.「手のリハビリ」
家族がいるのなら、仰向けになり腕を上からなるべく耳の近くに 来るように動かしてもらいましょう。 出来るところまでで、斜め、横など・・・これが準備運動です。
いなければ、手を固定し身体を動かしていきましょう。
次に、テーブルや机などの端に下を向いて寝転び手をぶら〜んとさせます。 この状態から、手を上げるリハビリをします。 もし、持てるなら栄養ドリンク等の空き瓶をもってゆっくりと大きくしましょう。
同じように、仰向けでもしましょう。
最初は、無理をせず毎日少しずつ増やしていくこと。
1週間目くらいから、効果が出てくると思います。
提供/た〜やさん

10.「ベッドの上で」
1.複式呼吸 障害のない良いほうの手をお腹の上に乗せて、お腹の動きを感じ取れるようにします。目をつぶって、腹で大きく息を吸い、ゆっくりとはき出します。

2.肩の運動 手を組んで、背伸びをするように頭の上まで両手を上げます。

3.股を開く 両膝を立てた位置から、股を開いていきます。十分曲がらない方は、介助者が足を揃えてあげてください。

4.両膝を倒す 両膝を立てて揃え、最初は麻痺側へ倒していきます。顔はこのとき反対側の障害のない良いほうへ向けてください。次にその逆の方向に倒します。

5.膝をかかえる 良いほうの足を曲げながら、両方の手でかかえ込んでいきます。組んだ腕で引き寄せて、お腹に引きつけます。元に戻して、今度は麻痺している側の足をかかえ込みます。

6.腰を浮かせる 両膝を立てて、腰を浮かせます。麻痺している足を良いほうの足で押さえます(介助者が手で足を押さえても可)。大変力が要りますが、少し浮き上がる程度でもいいでしょう。

7.おへそをのぞき込む 膝を立てた位置で、おへそをのぞき込むように、あごを引いて頭を上げます。最初は少し息を止めてでもいいですし、慣れてくれば呼吸をしながらもできます。

8.腹式呼吸 きつい運動をしましたので、楽にして、また腹式呼吸で息を整えます。
参考文献『私のリハビリ体験 旬報社

11.「畳の上で」
1.あぐらをかき、麻痺している足を上にして、指のマッサージをしてみましょう。良いほうの手を使って曲げたり伸ばしたりします。できれば足首をまわしてみます。

2.脚の裏を伸ばす麻痺している側の膝を曲げ、最初は良いほうの足から伸ばします。このとき足裏は立てるようにします。息を楽にして、お腹がふとももに付くくらいに、体を倒していきます。次に、麻痺側の足をできるところまで伸ばしましょう。

3.横座りの姿勢 最初は良いほうの脚を内ひねりするよう横座りになります。つらいようなら、脚をうしろに引いてください。次に麻痺しているほうの脚を内ひねりにします。このとき悪いほうの股関節に痛みを感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、良いほうの手でしっかりからだを支えるようにして、少し我慢をします。この動きは立つための準備段階としてとても重要です。疲れたら手をついて休みます。

4.立て膝でお尻を上げる まず、麻痺している側の膝をしっかり立てます。そして、これを両手でかかえ込むようにして、お尻を持ち上げます。肩で吊られるような形で、お尻を上げて下ろします。次に反対側も同様に行ってください。体重を片側に寄せていきますから、歩く動作と同様なバランス感覚を得ることができます。

5.四つんばいから正座 膝立ちの姿勢からよい方の手を先に両手をついて、四つんばいの姿勢に移ります。麻痺のあるほうの手も添えるようにして良いほうの手で十分支え、手と膝で支えます。手足で支える姿勢ができたら、お尻をいいほうにまず振ってみます。元に戻して、今度は逆に麻痺側のほうに少しだけ振ります。元に戻り、今度はお尻を後ろへ引きゆっくり正座の姿勢になります。つらい時はお尻の下に座布団などをあて、膝や足首の負担を軽くします。四つんばいで腰をふるのは難しい運動ですが、畳の上でいろいろな動作に移る前の基本的な動きですので、まひしている側にくずれないようにしっかりマスターしてください。正座ができると、冠婚葬祭などに出席する自信もでてきます。まずは外へ出掛ける前段階として、安全な畳の上で練習してみましょう。ベッドで寝ている方も、一日に一度や二度は畳や床に降りてほしいと思います。

6.両足を伸ばして前進後退 座って両足を伸ばします。かかとを突き出すようにしながら前に進んでみます。左右に腰を振る形で前進、そして後退します。

7.両足を伸ばして回転 座って両足を伸ばしたまま、良いほうの足から横へ足をずらして回転していきます。足は開いて閉じ、また開いて閉じるの繰り返しです。

8.膝立ちで前進良いほうの手をついて、バランスをくずさないように、まず膝立ちになります。腰をしっかり伸ばして、麻痺したほうの足から前へ進みます。最初は膝立ちだけでも難しいですが、立って歩くときにたいへん役立つ運動となります。

9.うつぶせで行う運動 仰向けの位置から、思い切ってうつぶせになってみます。麻痺しているほうの手をしっかり握って、肘で支えるようにします。このとき足は、良いほうの足で麻痺しているほうの足をしゃくるように下に入れて、ゴロンと回転させるようにします。上体を肘で支えて、胸を上に反らしてみます。力を抜いて元に戻ります。今度はおへそをのぞき込むようにします。次に腹這いになって力を抜いてダランとして休憩します。これですべて終わりです。
参考文献『私のリハビリ体験 旬報社

12.「椅子に座って」
1.首の運動 いすに座って、まず頭と首の運動から始めます。ゆっくりと自分のペースで。
・前後、首を前に倒し、次に後ろに反らせます。
・左右、首を左に倒し、次に右に倒します。
・ひねる、正面を向いたまま左右に首をひねります。
・回す、首を左回転、右回転させます。


2.両手を上に伸ばす肩の運動 しっかり指を組んで腕を前に伸ばします。次にだんだん上に上げていきます(指が組めない方は、小指の側から手を支えてください)。頭の上まできたら、手を滑らせるように頭の後ろまで持っていきます。肘を思い切り張って、からだを後ろへ反らせます。次に元に戻ります。

3.肩をつかんで腕を上下する良いほうの手で麻痺側の手を抱え込みながら、肩をつかみ、両腕を上下します。深く組むというだけでも、肩甲骨を前へ押し出す効果 があります。

4.肩の上下運動 ・上下、良いほうの手で麻痺側の肘を支えます。そのまま肩を上下させます。 ・回す、同じ姿勢で、今度は肩を回しリラックスします。

5.肩を押さえてからだをひねる運動良いほうの手を麻痺のあるほうの腕の下へ差し込み、できるだけ深く肩を押さえます。最初はいいほうにゆっくりひねっていきます。このとき、息をつめないで、お腹で楽に息をしてください。次に元に戻しながら、逆側へひねっていきます。肩をしっかり握ることによって、背骨を十分ひねることができます。

6.膝を組んでからだをひねる まず、良いほうの足を麻痺のあるほうの足に乗せます。上体を後ろにむけてひねります。次に足を組み替えて、麻痺のあるほうの足を上に乗せます。このとき、横にずれないように手で押さえます。同じく反対側に上体をひねります。足を組むことによって、膝・股関節・背骨のストレッチングに有効です。

7.立て膝で腰を浮かす まず、良いほうの足をいすの上に立てて、両手で抱え込むようにします。そして、体重をすこし麻痺側へ移動しながら、お尻を持ち上げます。そして下ろします。肩全体を上へ持ち上げるようにします。次に麻痺側の足をいすに立て、同様に行います。

8.からだを前に曲げ腰を浮かす 手を組みます。この両腕を前に伸ばしながら、体重をやや前にかけるようにしてお尻を浮かせ、そして下ろします。

9:腰を左右に振る運動 8の運動に腰を振る運動を加えます。体重を前へ移動し、浮かした腰を左右に振ってみます。そして元に戻ります。

10.隣のいすに移動する いすを二つ用意し、直角に並べます。腰を浮かし、9の運動しながら思い切って腰をひねりながら隣のいすに移動します。そして、また元に戻ります。

11.足踏み運動 麻痺側の足から上げます。ちょうど歩くように交互に上げて足踏みします。
参考文献『私のリハビリ体験 旬報社
13.「立った姿勢で」
1.まず、立った姿勢で、良いほうの手の側にいすを置き、つかまります。まず麻痺のある側の足に体重を移動します。元に戻して、良いほうの側の足へ体重を移動します。ちょうど骨盤を移動するようにこれを繰り返します。このとき、背は水平に、また麻痺のあるほうの足をピンと伸ばしたままにならないように、少し曲げて膝にゆとりを持たせるようにしてください。

2.片足で立つ運動 片足で立ってバランスを取ります。まず麻痺のあるほうの足から上げて、また下げます。次に良いほうの足で同様に行い、これを繰り返します。

3.足の振り出し運動 足を一歩ずつ前後に振り出す運動です。まず、麻痺のあるほうの足を一歩前に出してみます。元に戻して、後ろへ一歩後退します。次にいいほうの足で同様の動作を行います。

4.膝を曲げる運動 立った姿勢から膝を曲げて、からだ全体を下に少し沈めるようにします。次にもう少し深くします。お尻が後ろへ出ないように気をつけます。

5.全身を揺する運動 膝にゆとりを持たせながら、肩の力を抜き、全身を上下に揺すります。

6.しゃがみ込み運動 今度は深くしゃがみ込みます。和式トイレに入るように、腰を落とします。このとき、手を組んで重心を移すようにしてバランスを取ります。最初はきついかもしれませんが、これもとても大事な運動です。次に、ゆっくり立ち上がります。

7.膝を曲げて歩く 立った姿勢で膝を曲げ、五、六歩前に歩いてみます。まず麻痺のあるほうの足から出していきます。次に後退してみます。前進の後の後退は少し難しいかもしれませんが、ゆっくり行います。

8.横歩き運動 今度は横に歩きます。まひした側の足は膝を伸ばした感じで、まず麻痺側方向へ移動します。次に逆に移動します。今度は麻痺した側の足を引き寄せるわけですが、これは膝が伸びやすいので、むしろ曲げるようにしてください。

9.その場での回転運動 今度はその場で回転します。まず、麻痺のあるほうの足から麻痺側に回ってみます。次に反対側へ回ります。このとき、膝が突っ張りやすく、爪先がひっかからないように気を付けながら行います。
参考文献『私のリハビリ体験 旬報社

14.「積み木」

簡単なリハビリですので、挑戦してみて下さい。ですが、人によっては、難しいかもしれませんので、ゆっくり1つづつ積み上げて下さい。

1.先ず積み木(約3cm×3cm)を、30個ほど準備します。

2.どれくらいの高さつめるかの挑戦をします。

3.2段ずつ順番に積んでいきます。

4.30cmくらいの高さのテーブルの上を利用しています。

提供/長井省三さん