【5月3日、倉敷市民会館】

この日は、奥田民生のライブがありました。倉敷なんとかふぇすていばるって言う活動の一環みたいですけど、もう、隊長的には、そんなことはどうでもいいっす。一年に一回の行事というか、自分を確認しにいくというか、まぁ、奥田民生にとってみれば、そんなパーソナルな期待込められて迷惑なうざったい話ですが、とにかく、そんな肩に力をいれずにゆっくりといこうよ、って言われているような感じがした、しかしながら、なにか力強いライブでした。

ライブの途中で、奥田民生自身がいっていたけど、「ときどき、ライブの途中に、一体、私は何をしておるのだろうと、こんなとこで、みんなの前で、ギターを弾いて、しかも、大股開いて、」ということを曲の途中で感じてしまうっといっていたが、まぁ、半分くらい、あるいは、すべて冗談だとしても、隊長にも、それはわかる。車って、昔は大人の乗り物だった、身近でいうと、隊長のいえでは、父親しか乗れなかった。なのにいつのまにか隊長自身が車を運転していたりする。これは、一体、どういうことなのだろうか、と考えることない?きっとこれって俺の頭の中に、父親イコール偉い人的なイメージが刷り込まれていて、親父イコール車を運転する人、つまり、車を運転する人イコール偉い人的な思考が植え付けられてしまった為だと思う。会議とか、していても、ときどき、俺、一体、なに偉そうな事いっとるんだろう、と、ふと、我に返っておかしくて仕方がないときがある。まぁ、言わないけど、下向いていたら、急に、我に返っていると思って間違いない。なので、会議で、すっごく自己主張する人の姿は最近、すっごく可愛く見える。

ところで、ライブだけど、最新のアルバムといわないか、CD「GOLDBLEND」からの曲が圧倒的に多かった。このアルバムは新しいとこに突き進もうとしている奥田民生がいるらしい。実は、それが、奥田民生かどうか、ようわからんが、奥田民生色がより鮮明にでた感じがした。昔は、なになに風とか、レイドバック風みたいに音楽にその時に聞いている音楽が直結していた。それはそれで、全然、問題なく、その、聞いている音楽を消化して自分の色を出すことのすごさは驚愕モノというより、うらやましい限りだった。今回も「GOLDBLEND」の1曲目の「荒野を行く」はBEATLESの「GET BACK」だし、「マシマロ」はPOLICEの「NEXT TO YOU」だし、「近未来」はROLLING STONESのJUMPPING JACK FLASHである。(事実、今回のライブでは、「マシマロ」したあとに、続けざまにPOLICEの「NEXT TO YOU」をやってしまったのだった)

閑話休題、実は、これが、また猛烈にかっこいかった。最近、POLICEを聞かなくなってCDを全部、中古CD屋さんに売っていたのだけど、あわてて、タワーレコードで買いなおしたぐらいかっこいかった。そして、ここで、この曲をパクリましたと披露してしまう、この余裕。実際、このPOLICEの曲は1979年発売のCD(当時アルバム)に収録されている曲なので、ライブにきていた人は、全くしらないだろうし、そもそも、POLICEというグループがいたこともしらないのではないか、そして、そこに、あの成金スティングがいたことすら知らないのではないか。そして、この余裕の裏にあるのは、この曲がこのライブの中で一番受けていたこと(ちなみに2番目はアンコールにやった「kinオブKING」)、しかも、この曲がオリコンの一位をとっていること、そして、この曲の元歌は、この曲デスと、堂々とライブで披露してしまう、なにか、痛烈に、しかも強烈に、日本の音楽界に(そんなものがあるとは信じれないかもしれんが)、自分のやる気のなさをたたきつけているといしか思えないのである。

奥田民生のすごさは、1年前のBRIDGE(ロッキンオン発行、渋谷陽一編集)に松本人志がいみじくも語っていたが、ファイティングポーズをとらないファイティングポーズにすごさがある。この松本人志もちろんこれはダウンタウン(というと異常な違和感があるが)のマッチャンと奥田民生のRESPECTな関係は知る人にとってはもはや常識なのであるのである。前々回の「ひとり股旅」ツアーも、あきらかに、松本人志の「ひとりごっつ」に影響を受けた、というより、モロだな、だし、その「ひとり股旅」のときのステージ衣装は「マッチャンからもらった作務衣」であったし。で、このファイティングポースをとらないファイティングポース、人によっては、やる気が表にでないとして批評を受けるかもしれんが(とくにサラリーマン社会っちゅうとこでは)、あなたのまわりにも居ませんか?やる気まんまんで、人をやたらと疲れさせるヤツ。自分ひとりがんばっていればなんとかなると無性に努力をひけらかすヤツ。そんな頭の悪い、ほんとにどうしようもないヤツ、まわりにいませんか。とにかく、そういう人は、間違っても奥田民生は聞いていない。このダラダラした努力してないよが、別に作為的な感なく自然にだせているのが凄いのである。ダラダラしてるといっても、きちんとダラダラしているのである。そして、本人も語るように、実は、本人はそんなにダラダラしていないのである。結果的に「ひとり股旅」などという形で、明確に、現在の日本の音楽シーンと対決する姿勢をみせているのである。

FUNという金曜深夜にやっている番組に奥田民生が出演したときに、進行役の松任谷正隆に「奥田君の歌はいつきいても眠そうな感じの声に聞こえる」といわれてガックリ来ていた奥田民生であった。が、それも、ある意味、いいあてているというか、眠そうなイコール引きずられるようなイコール吸い込まれていくような粘着質な感じのために起こっていると感じるのは自分だけか?(この番組で山崎邦正がカラオケで「息子」をうたいこんでいるというのを今田か話していて、山崎のことも好きになった)

ほんとに長いこと音楽を聞いてきて、声に力のある器楽的な響きというのが実は何年か前ぐらいまで、よく理解できなかったけど、日本の歌い手で、声に表情があるのは井上陽水、吉田拓朗、そして、奥田民生だとなにかの機会があるときにはいううようにしている。余談だが、また不思議なことに、井上陽水と奥田は非常なrespectで結ばれているし(つい最近、NHKーBSの井上陽水のライブにも奥田が客演)また吉田拓朗とは高校の先輩、後輩(広島皆実高校)である。と関係ない方に話題がそれていっているが、それついで、渋谷陽一氏が語るとこの、奥田民生論について、奥田民生「FAILBOX」にまことに的確に記されているので、そのCDは、是非購入をお奨めします。

さて、ライブの話にもどるけど、ライブはまさに言葉のショウゲキ、音のカタマリそしてリズムのうねり、ほんとに、すごかった(プロになれるかどうかの瀬戸際はリズムだと思う)。奥田民生大先生も最近は曲が増えてきて、昔の曲をしなくなったけど、「さすらい」(あの長瀬智也、菅野美穂主演のデス)とかは、やっぱり涙でたし、いいオッサンなんですけどね、ほんと面目ないですけど。もう5回ぐらいいっているけど、毎回毎回、新しいものが、そして、今までのことを再確認させてくれる(いや、そんな大げさなもんじゃないかもしれんけど)ライブでした。

◆ 最後に読み返してみたけど、興奮して文章が乱れています。また機会のあるときに推敲します。