今週の放送から【第124回・2006年9月第4週放送分】


 今週のことば

「照らされてほんのり輝く」


中秋の名、今年は旧暦で言えば8月15日…太陽暦ならば10月6日に当たります。

スタジオには、白く丸い月見団子とススキが登場。
いよいよ本格的な秋の到来…といった雰囲気です。

あくまでも月を観賞する事が主題ですので、
お月見の際にお供えするのは、団子の他にはお神酒・秋野菜など…「素を飾る」といって
本来、質素な飾りつけをします。

月の入った風景、夜空全体をキャンバスに見立てる…
この様にスケールの大きな楽しみ方は日本人特有の感性だと
こうゆうさんは語ります。

月と言えば、切っても切れないものが「ウサギ」
インドのジャータカ(お釈迦様の生前譚)の中にその源流があります。

「昔、動物達の間で『神様にお供えをしよう』という話になり、
皆が色々な供物を持ち寄ってお供えした。
しかし、供えるものを何も持っていなかったウサギは
悲しみ、悔やんで、焚き火の中に身を投じ、自らを供物として捧げた。
やがて煙は月へと昇り、ウサギの姿になった。」

これが日本に伝えられると、次の様なお話に姿を変えたそうです。

「ある日、お爺さん・お婆さんがワナにかかったウサギを助けた。
ウサギは、恩返しをしよう、この老夫婦の元にやって来たが
どうしても幸せにしてあげる事が出来ず、悲しみ悔やんで
自らを食べて頂こうと、囲炉裏の中に身を投じた。
やがて煙は月へと昇り、餅をつくウサギの姿になった。
すると以後、この老夫婦は食うのに困らない生活を送る事が出来る様になった。」

今週の言葉は「照らされてほんのり輝く」

太陽の様に、自ら光を発して輝くことの出来る星がある一方、
他から光を頂くことで初めて輝くことの出来る星も多く、その代表格がお月さまです。

近年、人は「自らが輝く」事を目指して努力・精進する傾向にありますが、
誰もが「我が我が」では、社会は成り立ちません。
人様から光を頂くことで輝く事もあります。

自分のあるべき位置を見据え、そして「おかげ」に気付く。
月を愛でる時に限らず、思い起こしたい言葉だと思います。

 今週の技
『満月を描く」

水に溶いた薄い黄色で円を描き塗りつぶします。
徐々に黄色を濃くムラに塗ります。
周囲を薄墨で囲み、闇を演出してから、
月の陰影を薄墨を流し込む感じでにじませるとウサギの模様が出来ます。

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