「讃岐の国」 霊場参り



弘法大師誕生の地「善通寺」 「大師像」

徳島県を経由し香川県に突入 ロープウエーで「雲辺寺」参り
66番「雲辺寺」羅漢像 大野原萩の湯」玄関口でテント泊
「弥谷寺」の急階段 空海が頂より飛び降り天女に救われた伝説の「捨身が岳
 39日目 5月23日(土) (善根宿「西川」〜健康交流施設「萩の湯」)

天気予報は夕方頃から雨が降りそうだ! 66番「雲辺寺」へ山越えをしなければならない。
3時に起き、4時50分に善根宿を出て歩き出す。田舎の早朝の山道は誰も歩く人も車も居ないので静かな国道192号を「境目トンネル」を超え徳島県に入る。
「佐野」から県道8号に入り標高差200mの坂道を登り「曼陀トンネル」を超え「香川県」に入る。坂道を登って居ると、グランドゴルフに向かう土地の老婦が話しかけて来て、財布から200円を取り出し持って行くよう「御接待」を有難く戴く。四国の人はお遍路の文化が浸透し御接待は特別な事ではない様だ。
峠から遍路道の尾根沿いの山道を歩けば近道で有るが「通行止め」の標識が出ているので急坂を下り、「雲辺寺ロープウエー」乗り場に向かう。乗り場で往復の切符(2010円)を買い茶店で冷たい飲み物をと「ところてん」を戴きしばらく休憩をする。
団体の参拝者がゴンドラに乗り、カメラで眼下の景色を撮影しながらわいわい騒ぐ光景に「空中散歩」のお遍路は申し分無いが、之で「お遍路」なのかと疑問が湧く。
66番「雲辺寺」は山頂の広大な敷地に多くの「羅漢像」が並び荘厳な雰囲気が漂う境内は多くの「団体参拝者」で賑わっている。通夜堂の中を見学し、再びロープウエーで山麓駅に下る。
山麓駅前の食堂でお昼を食べて居ると、神奈川県から来た、年配の「赤い杖」を持った霊場会公認の「中先達」の袈裟を付けた男性お遍路さんが空海号が気に成った様で近付いて話しかけ色々と質問してくる。
別格16番「萩原寺」に下り、以前自転車遍路の時野宿した萩原寺近くの公園に野宿する予定なので「大野原」「萩の湯」610円を探して歩く。以前の記憶を辿りながら道に迷い土地の人に尋ねようやく「萩の湯」にたどり着く。以前来た時の記憶とはいい加減な物で宛てには成らないが丁度此の当たりの地図が欠落していて場所が判らなかった。
萩の湯の玄関先で荷物からお風呂道具を取り出して居ると小雨が降り始め空模様が怪しく成る。支配人がバギーを押した変なお遍路さんに気を留めて今日の野宿場所が決まって居ない様で有れば、10時の営業終了まで館内で休憩して玄関脇のスペースにテントを張る様に奨めて頂き言葉に甘える事にした。

 40日目 5月24日(日) (健康交流施設「萩の湯」〜道の駅ふれあいパーク「みの」)

昨夜は雨も降らず夜中には星が出て居た。4時に起き簡単な朝食を食べテントを撤収し歩き出す。67番「大興寺」にお参りし歩き続けるが今日は足が重くペースが上がらない。やはり朝食が「ラーメン」ではパワーが出ない様だ。
途中のスーパーで「稲荷寿司」を買いお腹に収めると元気も復活してペースが上がるが今度は眠気が指して来る、疲れがピークに達して居る様だ。68番「神恵院」69番「観音寺」にお参りし、綺麗な花壇の有る川沿いを歩き、70番「本山寺」から国道11号を東に「三豊市」に入る。「高瀬町」から国道を離れ旧遍路道を「弥谷寺」に向け、またまた急な上り坂を道の駅「ふれあいパークみの」に空海号を置き体一つで本堂まで長い階段を登り71番「弥谷寺」に参る。道の駅に戻り、昨日パンクしたチューブのパンクを修理し、奥まった目に付き難い場所にテントを張り、洗濯を済ませ「野良犬」の遠吠えを聞きながら眠りに就く。

 41日目 5月25日(月) (道の駅ふれあいパーク「みの」〜田尾坂公園)

今日はお寺間の距離が短く忙しく成りそうだ。72番「曼荼羅寺」を打ち、空海の伝説「捨身が岳禅定」で有名な73番「出釈迦寺」にお参りし、74番「甲山寺」に向かう。「空海が唐から帰朝し、真言宗弘通の勅許を得て、屏風浦に道場建立を志し、父から園林を提供され、6年の歳月を要し伽藍を建立完成した75番「善通寺」」に参拝する。本堂と大師堂が随分離れた大きな境内を空海号を押しお参りする。善通寺では兼ねてより念願であった弘法大師を祀る小さな「厨子」を購入する。善通寺の町の中を抜け76番「金蔵寺」のお参りを済ませ、門前の讃岐うどんの有名店「長田 in 香の香」「釜揚げうどん」を美味しく戴く。77番「道隆寺」78番「郷照寺」とお参りし今日の宿を探すが中々適当な場所が無い、迷いながら「番の州公園」に行き公園内を見て回るが管理された公園で野宿出来そうには無い。野宿場所を教えて欲しいと京都の青年遍路のK君から電話が入り番の州公園を知らせ公園まで来るが場所を変更しK君が最初に見つけていた瀬戸中央道の下の「田尾坂公園」に移動し夕食を共にして寝床に就く。(実は、浮浪者風の自転車遍路が一人いてK君が気持ち悪がり私に電話をして来たのだ)
「出釈迦寺」の修行大師像 いよいよ丸亀に突入 「丸亀城」
善根宿「はやしさん」の奥さん 善根宿「林さん」を出発
80番「国分寺」亀の出迎えを受ける 多くの参拝者の「屋島寺」山門
42日目 5月26日(火) (田尾坂公園〜善根宿 林さん)

公園は国道11号に近く車の音が大きかったが、疲れも有り良く眠れた。JRの高架下を「坂出駅」方向に歩くと直線で歩き易いと早朝散歩の近所の方に教えて頂き79番「高徳院」に到着する。
高徳院は神社と寺が同じ敷地内に有り本堂の場所が判り難い寺であった。国道を渡り
讃岐うどんの名店「がもう」に立ち寄るが、朝8時と言うのに長蛇の行列が出来て居り、列に並び美味しい讃岐うどんを戴く。
再び国道を延々と歩き、80番
「国分寺」に着き、「池の亀」が一斉に集まり歓迎してくれる。徒歩遍路はここから「五色台」に山道を登るが、「空海号」を押しては無理なので、来た道をまたまた13km引き換えし、麓のお堂の石に腰掛けコンビニで買って来た昼飯を食べ、標高差250mの九十九折れの長い坂道を81番「白峰寺」へ登る。白峰寺に着くと、とっくに通過して居ると思っていた神戸の青年遍路K君が居るではないか。話を聞くと道に迷い先ほど到着したとの事で昼飯も食べていないそうだ。手持ちの有りあわせの「非常食」を渡し、車が時々通過する山の中を5km歩き82番「根香寺」に16時に到着しお参りをする。根香寺から道を間違え急な坂道を延々と「香西の町」へ下る途中で、今日の宿をお願いして居た、高松の善根宿「林さん」から電話が入り遅く成りそうなのでご主人が車で迎えに行くと言って頂くが荷物を積んだ空海号は軽トラで無ければ乗らないと説明し2時間歩き日が暮れ薄暗く成った頃、「スマホのナビ」を使い善根宿林さんの近くまで到着するが場所が判らないのでK君に電話し場所を尋ねる。同宿予定のK君は山お降りた「鬼無駅」まで車で迎えに来て貰ったそうだ。再びご主人から電話を戴き周辺の風景を説明すると直ぐに迎えに来て車の後を付いて家まで案内をして頂く。
疲れ果て
「くたくた」に成りながら19時宿に付き、「シャワー」を浴び、「洗濯」をしてコンビニで買って来た夕食をK君と戴き綺麗なふかふかの布団に入り22時眠りに就く。

43日目 5月27日(水) (善根宿 林さん〜87番「長尾寺」駐車場)

善根宿「林さん」宅でゆっくり休む事が出来、おまけに「朝食」を造って頂き美味しく戴く。林さんのご主人も元気だった頃「お遍路」を何周もした方でお遍路さんに殊の外理解がある方だ。
空海号を林さん宅に置き、K君を
「鬼無駅」に送って行く帰りに83番「一宮寺」で降ろして戴き歩き始める。途中、林さん宅に寄り奥さんと名残を惜しみながらお茶を戴き空海号を回収し高松の市街を抜け84番「屋島寺」に向かう。
屋島寺の麓の参道脇に有る大師堂に空海号を置かせて戴き、屋島寺に向けて参道(登山道)を登る。屋島寺では之まで度々応援に来てくれた徳島のお遍路仲間
「環ちゃん一家」と遠く岡山の真鍋島のお遍路仲間が到着を待ってくれて居り、一緒にお参りを済ませ、持参して頂いたお弁当を食べながら以前一緒にお四国を回った頃の話に花が咲き沢山の「お接待」を戴く。
屋島寺を後にし坂を下り85番
「八栗寺」「ケーブルカー」に空海号を乗せ山頂のお寺にお参りをする。八栗寺から急坂を下り、JR高徳線沿いを歩き16時86番「志度寺」に到着しお参りを済ませ今日の野宿場所を検討するが付近には適当な場所が無さそうなので87番「長尾寺」まで8km(2時間)を歩き長尾寺に18時に着く。テントを張る場所の許可を貰うため門を叩くが鍵が掛かってインターホーンにも応対して頂けない。琴電「長尾駅」周辺にも適当な場所が無いので仕方なく境内周辺を探し大型バス駐車場の隅に場所を決めテントを張り近くのコンビニに買い出しに行き夕食を戴き20時に床に就く。

44日目 5月28日(木) (87番「長尾寺」駐車場〜御所の湯)

7時の納経受付を済ませ
「結願の寺」88番「大窪寺」に向かう途中、13年前「自転車遍路」の時「転倒」した「前山ダム」の登りを通過し「お遍路交流サロン」で休憩をする。緩やかでは有るが長い登り坂を歩き11時に大窪寺に着き、苦しくも有り、沢山の交流や御接待を戴いた優しい思いやりを思い出しながら長かった44日間の「歩き遍路」「結願」する。
昼食は50年以上続く老舗
「八十八庵(やそばあん)」「打ち込みうどん」を戴き、1番札所「霊山寺」に結願の「お礼参り」に向かうべく国道377号を下り、「徳島自動車道」の高架を抜け44日前に歩いた時とは「季節の違い」を感じながら土成IC近くの「天然温泉:御所の湯」へ歩き長かったお遍路の疲れをお湯に浸かりながら癒す。お湯から出て見るとK君から電話が有り、道に迷いながら今日の宿を探している様子なので御所の湯の場所を伝えお湯に入り直し2時間待ってK君が来る。K君のお風呂から出るのを待って、広場の奥の軒下に行きテントを広げ途中のスーパーで買ったお寿司とビールで乾杯をし夕食を戴き22時寝床に就く。

環ちゃん一家とお遍路仲間の美穂さん 八栗寺へ「ケーブルカー」で登る
88番札所「大窪寺」結願する 門前の打ち込みうどんの店「八十場庵」