睦月(むつき)


里山の年明けは、毘沙門様のくじ引きで始まる

1月2日の早朝、まだ夜も明けきらぬ頃、氏神様へ初詣に行く

毘沙門様の前では、大きな焚火が参拝者を迎えてくれる

冷え切った体に焚火はありがたい

少し暖まって拝殿に上がる

参拝者は氏神様に今年1年のご加護を願い、手を合わせる

部落の人たちに「今年もよろしく」と年始のあいさつをする

参拝が終わると、今年の運だめし「くじ引き」が待っている

お神酒とお鏡餅をいただいて「さあ、何が当たるかな~」

大人も子供もくじを引いては一喜一憂・・

景品をもらっ帰る頃には、日が昇り始め

新年の清々しい朝に身も引き締まる

       
   氏神様へのお参りは夜明け前から   今年1年の無事を祈る    焚火の前ではくじ引き、今年の運を占う



月最初の日曜日(三が日は除く)に氏神様の下にある大池の土手の草刈りがある

部落の人たちがみんな出ての共同作業だった

が、過疎化・高齢化の進む部落では

このような作業に出るのが困難な人が増えてきた

そこで、今年から有志のみでの作業になった

土手の斜面を段々状に刈っていく

草刈り機の音がブンブンと賑やか

程なくして土手のかん木は刈り取られスッキリする

そのまま何日か干されたかん木は、火をつけるとあっという間に燃え上がり

後に黒々とした焼け跡が残る

春が来ると、焼け跡に新しい草木の芽が出てくるのだ

    
草刈隊が土手のかん木に挑んでいます      枯れたかん木はあっという間黒々に    



正月飾りを飾っておく、いわゆる「松の内」は関西では15日まで

「松の内」が終わると、正月のお飾りや古いお札を焼く「とんど焼き」をする

昔は、近所の人々が集まって、賑やかに「とんど焼き」をやっていたが

いつしか、個々の家で都合のいい時に行うようになってしまった

言い方は悪いが、「手早くサッサと片付けてしまう」といった感じだ

サロンができたの機に、昔のような「とんど焼き」をしようということになった

今年は、13日(ちょっと早いけど)に14人が集まって「とんど焼き」をした

お飾りや古いお札を焼いた後、お餅を焼いてぜんざいをして食べ

さらに、バーベキューを楽しんだ

寒い日だったけど、皆で焚火を囲み、温かい料理に舌鼓を打ち

身も心も温まるひと時が過ごせた

高齢化が進む里山だからこそ、こんな触れ合いが大事なんだと思う


  
    
みんなが持ち寄ったお飾り、よく焼けています   今年も元気で暮らせますように願いながら、よく食べた 


「寒」に入ると寒さが厳しくなる。この時期にJAの加工場で味噌作りが始まる

仲間で協力して、1年分の味噌を仕込んでいく。仕込みの最盛期で加工場はフル稼働、活気に満ちている

味噌を作り出して何年になるだろうか。地元産の材料を使い、安全・安心であることはもちろんだが

さらに、もう一つ、「ビタミン愛」を加えたおいしい味噌を作ることモットーにしている

味噌作りの楽しみはそればかりではない

作業の合間のおやつタイムやおしゃべりも、毎年楽しみにしている時間である

加工場には、作業をサポートしてくれる設備が整っているから

大量の味噌作りでも、さほど大変な作業ではない


まず1日目、米を蒸し、麹菌と混ぜて麹を作る

   

続いて2日目、麹をほぐしてさらに発酵を促す。次の日炊く大豆を洗い、水にかす

 

最終日の3日目、大豆を炊く。炊き上がった大豆と麹と合わせてミンチで繰る。塩を加えミキサーで混ぜる。容器に仕込む

  

こうして仕込んだ味噌は1年ほどねかせ、じっくり熟成させるとおいしい味噌に仕上がる