如月(きさらぎ)


立春を過ぎると、次第に日が長くなる。特に日の入りの時間が遅くなっていくのを感じる

しかし、「暦の上では春」と言っても、寒さはまだまだ厳しい

冬晴れの日が続き、空気がピーンと張りつめる

すっかり葉を落とした裸木が、冷気を突き刺すように青空に伸びる

色彩は乏しいが、山が一番清々しい時期である

厳寒期、すべての生き物が息をひそめるように春を待っている

 
葉を落とした冬の山は毅然としている    一部結氷した池    


春めいた日があるかと思うと、真冬に逆戻りしたような日もある

ある朝、窓の外が一面の銀世界になっていた

比較的温暖なこの里山でも、時にはうっすら雪が積もることもある

はかない雪で、日が昇ると、たちまち溶けていくような雪ではあるが・・

お大師堂の手水鉢には厚い氷が張り、お宮の境内には立派な霜柱ができる

「もう少しの辛抱」と自分に言い聞かせながら、防寒対策万全で歩きに行く

   
      温暖なこの地には珍しい雪景色           お大師堂の手水鉢、厚い氷が張っている


中旬を過ぎると、寒い時期をを耐え抜いた花や木が芽吹き始める

野焼きで黒々していた池の土手にはタンポポが芽吹き

花壇では、ヒヤシンスや水仙などが芽を出し始める

梅がチラホラ花を付ける

早い年だと、2月にウグイスの初音を聞くこともある

    


寒いこの時期はこたつが一番、こたつに入ってお気に入りの本を読んだり、パソコンしたり・・いいねえ~

年金生活になり、生活は決して裕福ではないが、精神的にはリッチな暮らしをしている。リタイア組の特権かもね

幸せな気分をさらに増してくれるのは、絶品の手作り甘酒だ

外は寒い北風が吹いているが、おいしい甘酒が身も心も温めてくれる、至福の時


  


2月最後の土曜日には、「ベア会」の集まりがある

「ベア会」というのは、「べっしょ遊ぼう会」の略称で

文字通り、遊ぶことだけに専念した部落の女子会である

《女子会というにはちょっと面映ゆい、集まるのはアラ古希のオバサンばかりなのだから》

2月の会は、春のバス旅行の話し合いという名目ではあるが

ご自慢の手料理を持ち寄ってのおしゃべり会である

食べたり、飲んだり、しゃべったり、お口は大忙し

いろんなものが食べられて、思いっきりおしゃべり出来て

日頃のストレスはすっかり解消・・本当に楽しみな会

この里山で楽しく過ごせてきたのは、「ベア会」のおかげだと思っている