皐月(さつき)
5月は、「子供の日」・「母の日」とお祝いの日が続く
(私事で恐縮だが、私共の結婚記念日も5月である)
「風薫る五月」・・暑くなく、寒くなくの好季節で
世の中は、GWで浮き立ち、ヤッサモッサのお祭り騒ぎだ
そんな行楽からは程遠いこの里山では、そろそろ田んぼの準備が始まる
が、その前に、高齢者といえども、ちょっとはお楽しみがあってもいいのではと
10年前に始まったのが、「れんげ祭り」である
3月末だったり、4月初めだったり、当初は日にちが決まっていなかったが
4回目からは、GWの最後の日に決まった
宴会だけの年もあったり、消防署の見学という年もあったが
近年は、清掃作業をしてから宴会という形に落ち着いた
みな、近所に住んでいるので、挨拶くらいは普通にするが
一堂に会して飲食するなど、なかなか出来ないことである
ここは少子高齢化の典型的な集落である
何かあった時に、頼りになるのは、遠くに住む子供より、ご近所さん
絆を深めるには、「同じ釜の飯を食う」のが一番いい
そんな思いで始めた行事である
消防署に見学に行った時
バーベキューをしたこともあった
れんげの花が咲いていた年もあった
5月の中旬になると、GW前に植えた夏野菜も大分しっかりしてくる
支柱を立てたり、ネットを張ったり、大きくなるのを手助けしてやる
トマトが小さな実をつけた。熟れるのはまだまだ先だが楽しみだ
植え付けた当初は枯れたようになっていたサツマイモのツルも、何とか無事に根付いたたようだ
中旬から下旬にかけては、玉ねぎや梅の収穫の時期になる
梅は、ほとんどほったらかしだが、毎年よく実ってくれる
保存食として、シロップ漬けやラッキョウ酢漬けにする
夏バテ防止に重宝している
下旬になると、本格的に米作りが始まる
我が家は米作りをしていないので、近所の米作り農家にお願いして
米作りの1年を記録させてもらうことにした
Sさんは、2町余の田んぼを、基本的に夫婦二人でやっている
省力化に努め、生産性を上げるために、いろんな機械を使っている
今どきの米作りがどんな風に行われているのか、田植えから収穫まで、Sさんに密着取材
ちなみに、Sさんは今年、おいしい米作りの全国コンテストに参加するそうなので
その経過・結果も盛り込みながら、米作りを追ってみようと思っている
まずは『もみ撒き』ー消毒した種もみを、大きな容器に入れ水に浸す
3~4日暖かいところに置いておくと、もみが膨らんでくる
発芽寸前になった種もみを半日ほど干してから、もみまき機で育苗箱に撒く
2町分約40kgのもみを水に浸している
もみまき機でもみまき中
フォークリフトで育苗箱を運搬 苗代に育苗箱を並べる 苗代にずらり並んだ育苗箱
苗代で苗が育つ間に、田んぼの準備も進められる
5月終わりから6月初めにかけては、田んぼに水を引く水路(溝)の掃除が行われる
田んぼに水を引くために、田んぼの周辺には溝が張り巡らされている
田植えが始まる前に、溝の岸の草刈りをし、冬の間にたまった土砂やごみを取り除く
田んぼに水がスムーズに入るようにと、米作りにはこういった作業も大切なのだ
最近は、田んぼを持ちながら、米作りを他の人に依頼する家が増えており
実際のコメ生産者は、かなり集約されてきている
長い水路を、限られた生産者だけで掃除するのは大変なので
たとえ米を作っていなくても、地主は溝掃除に出るのが通例になってきた
「米」という字は、「八十八」と書くが、古来より米作りには大変な手間がかかると言われてきた
地道な作業が、おいしい米を作り出していることを、心に留めておこう