秋色八ヶ岳
八ヶ岳は長野県にある山だと思っていたが、実は長野・山梨両県にまたがる山系だった
〈信州の秋〉を訪ねる旅だと思って申し込んだのだが
八ヶ岳周辺の長野・山梨県境付近を行ったり来たり、ウロウロ移動した旅だった
同じ道を何度も通り、八ヶ岳を右に見たり左に見たり、ユニークな旅だった
同じ宿に2連泊のワケも納得できた(宿を中心に東西南北どちらにも移動できる範囲だった)
今回の旅を選んだのは、一つには〈まだ行ったことのない地域だから〉が一番だったが
〈八ヶ岳がフォッサマグナの中にできた火山群だ〉ということや
〈宿になった「ロイヤルホテル八ヶ岳」では星空鑑賞会をやっている〉ということも決め手になった
長野県は、台風19号で甚大な被害を受けた
今回訪ねた辺りは、直接には大きな被害はなった所だが
それでもあちこちで水害の一部を目にした
旅行など行ってる場合か・・と思うが、旅行でお金を使うのも支援の一つと思い出かけた
初日、岡山から新幹線で名古屋まで、その後バス移動で富士見パノラマリゾートへ
ここは冬の間スキー場として営業しているのだが
スキーシーズン以外の季節を、天空の遊覧と称して売り出している
自動運転のカート(ゴルフ場の)で、のんびり・ゆっくりと天空を目指した
途中、白樺の林が紅葉(というより黄葉だが)しておりきれいだった
標高差約200mを上っていく。道の両側には白樺、青空に幹の白さと黄葉が映えてきれい
4人乗りのカートで上る。道にカートを誘導する線がある。下りはリフト。山の反対側になり、富士山は見えなかった
でも、ここでの一番の感動は、頂上から富士山が見れたことだ
富士山を見ると、なぜかみんな「わぁ~」と感嘆の声をあげる。いつでも、どこでも・・
日本人には、富士山を見ると感動する遺伝子が組み込まれているのかもしれないなぁ~
天気は最高に良かった。かなり遠方ではあったが、雪を頂いた富士山を拝めた
中央に富士山が見える。望遠で撮ると右のように。実際はもっとはっきり見えるのだが・・
次に訪れた「身曾岐神社」は山梨のパワースポットで厳かな雰囲気の神社だった
この神社、能楽堂がすごかった。水の中に建っていて、他ではちょっと見たことがない
海老蔵さんや東儀さんが演舞したとか、「ゆず」のコンサートが開催されたとか
一流のエンターテイナーが出演しているということだ
結婚式も行われるそうで、その様子は売店のビデオで流れていた
薪能などは最高のロケーションだろう。幽玄さが想像できる
宮司さんの案内があった。右が能楽堂。渡り廊下が能舞台に続いていて
結婚式ではこの廊下を新郎新婦が厳かに歩いてくる
「ゆず」のメンバーの北川悠仁さんと高島彩さんもここで式を挙げたそうだ
2日目は、北八ヶ岳周辺をあちこちと巡った
この辺り、国道・県道番号に愛称がついていて
例えば、この日最初に訪れた「白駒池」に通じる道路は、国道299号だが
「メルヘン街道」というロマンチックな愛称が付いている
他にも、「八ヶ岳エコーライン」とか「霧ヶ峰ビーナスライン」とか・・
「湯みち街道」とか「グリーンライン」というのもあった
いかにも〈リゾート地〉という空気を振りまいているようだ
実は今回の旅は、八ヶ岳周辺の紅葉スポットを巡るというものなのだが
〈スポット〉よりも、こういった道路沿いで見事な紅葉が見られた
朝イチで訪れた「白駒池」は、紅葉よりも苔の林で有名な所だった
ジブリ作品「もののけ姫」の森のヒントになった所だそうだ
そう言われれば、あの映画に出てくる森と同じ雰囲気だった
苔の森、もののけ姫の世界 白駒池の有料トイレ・尾瀬にもあった
横谷観音展望台や乙女滝といった紅葉スポットを散策した後
横谷観音展望台・遠くに茅野市街地が見える 乙女滝・乙女というには勇壮過ぎる滝だった
奥蓼科山中にある「身射鹿池」(みしゃかいけ)に行った
身射鹿池は、ため池として作られた人工池だが
東山魁夷画伯の有名な作品「緑響く」のモチーフとして知られ
近年、観光客が増えているということだ。紅葉はイマイチだった
午後は、北八ヶ岳ロープウェイに乗り、山頂の坪庭園に行った
坪庭園は溶岩ゴロゴロの散策道で、浅間の鬼押し出しの小型みたいなものだった
帰りのロープウェイの時間が迫っていて、急ぎ足での散策だった
標高が高い所なので、急な激しい運動は禁止なのだが
乗り遅れたら大変なので、大急ぎで・・高山病になりそうだった
頂上は標高約2200m、大山より高いところにある。ダンナ、寒そう~
溶岩の遊歩道を、速足で登っていった。しんどかった
もっとゆっくりだと良かったんだけど、帰りのロープウェイの時間が迫っていて、この辺で後戻り
麓のロープウェイの駅。スイスのような雰囲気で素敵だった
三日目、最終日は予報通り雨になった
昨日はあんなにいい天気だったのに・・と、つい愚痴が出たが
自然というものはこういうものだ。人間の都合などお構いなし
雨でも予定通りの日程で旅は続いた
ブログでも書いたが、清里から野辺山まで超スロー列車に乗った
時間は予定より大幅に遅れ、添乗員さんはヤキモキしていた
清里テラスは雲の中、赤い橋も霧の中・・どうしようもない
(左)清里テラスへはリフトに乗って上がるのだが、リフトの先は雲の中
(右)東沢大橋(赤い橋)、紅葉の絶景ポイントだけど、霧の中
旅の最後は、亀の遊覧船に乗って諏訪湖を周遊
私たちが乗ったのは亀の遊覧船。隣のスワンの方がきれいだったのに・・
諏訪湖には何度か来ているが、遊覧船に乗るのは初めて
平日のしかも雨の日、遊覧船に乗る人はだ~れもいない。貸し切り
船内ではガイドの放送が流れていた
「諏訪湖は、フォッサマグナと中央構造線が交わるところに位置し・・」
〈そうだ!この旅を選んだのは、フォッサマグナのど真ん中を体感することだった〉
今、その要の所にいるんだと思うと、何かワクワクしてきて・・
やっぱり来てよかったなあ~と思った
SAから見た諏訪湖。フォッサマグナと中央構造線の交わるところ
日本列島の「へそ」だと思う。CGでもいいから太古の日本列島を見てみたい
超スロー列車の遅れに加えて、中央高速道が事故で通行止めになるという
ハプニングがおき、添乗員さんは気が気ではなかったようだ
が、帰路につく頃には、中央高速道の通行止めも何とか解除され
後は急いで急いで、一路名古屋駅に向かった
駅についてみれば、乗車予定時間より2時間くらい早かった。ヤレヤレ😥
時間の遅れは、運転手さんの力量と添乗員さんの念力で解消されたようだ
秋の八ヶ岳は色彩豊かだった。空の青・葉っぱの紅葉・苔の緑・・
何より、日本列島の初めの1歩の場所を巡れたことが一番良かった