茶屋町屋台囃子 登場
「今日で課題がなくなるのか・・・・。」
朝一番に、屋台囃子Aチームの締太鼓担当の4年生がつぶやく。
素晴らしい言葉である。
日々、自分のがんばる目当てを持っているのである。
今日はその課題を解決する日、かがやき発表会。
4年生の部。
複雑なリズムの屋台囃子をみんなの前で披露する。
Aチームは速さに挑戦した。
プロ集団「鼓童」並みの速さを要求した。
毎日のたゆまぬ努力で、この3人は答えた。
素晴らしい。
Bチームには正確さと高さを要求した。
太鼓希望者を募って楽譜を渡し、一から稽古をはじめた。
大人でもなかなか身につかないリズムを4年生が短期間で習得するのは大変難しい。
楽譜が読めない子がほとんど。
太鼓に触るのも初めて。
10月に入って、毎日、昼休みに稽古を重ねた。
口唱和も取り入れた。
「○○○がおこったよ。 すっかりおこったよ。○○○がおこった○○○がおこった○○○がおこった・・・・」
しかし、口と手が合わない。
朝、教室に入ってすぐ発泡スチロールをたたく。
人気のドラム缶太鼓には、すぐ行列ができた。
休み時間、楽譜の読める友達に聞く。
昼休み、一人ずつの稽古を受ける。
少しずつリズムが体に入っていく。
背景の山車を引いているビデオの前で力いっぱい叩いたBチーム。
太鼓のセット、移動の仕方、待機の姿勢、どれも合格点。
立派に父さん母さんの前で「ありがとうございました。」の言葉を述べることができた。
Cチームには、本来の山車の中で叩く姿勢を要求した。
同時に力強さも求めた。
一人ずつひな壇の上に座り、対面のメンバーとリズムを合わせ、後ろにつないでいく。
背景では、祭りの山車が勢いよく走っている。
全員打ちになったCチームも、全身をフルに使って打つ下ろす。
今まで、まったく太鼓に接していなかった10歳がメンバーと心を合わせてリズムを刻む。
3チームともそれぞれの持ち味を出した。
素晴らしい子どもたち。
日々の授業で困った事が発生した。
割り算や実験、ノート記入が一段落すると、無意識に屋台囃子のリズムを机で刻む。
太鼓のメンバーだけでなく、それを毎日聞いている他のクラスメイトまで。
「授業中はだめ。」と注意しようとして、止めた。
気がつけば、私自身が指で屋台囃子をたたいている。