母の思い出!


60ならぬ70の手習いの母の作品たち

季節ごとに入れ替えるようにと持ってきてくれた
押し絵やちぎり絵などがわが家の玄関や部屋に彩りを添えてくれている。


   
 
     
   

 

秋になると思い出すひとこま…それは「ホンタケ」と呼ばれるキノコの話…

瀬戸大橋架橋はまだ夢のように思っていた頃…

香川県坂出市から列車に揺られ高松へ、それから連絡船に乗って1時間…
孫へのお土産を詰め込んだ大荷物を振り分けで肩に担いで
せっせと我が家へ遊びに来たものだ。

(当時私たちは♪連絡線の着く港♪のすぐ近くに住んでいた)

秋のある日、海岸側の小高い山へ遊びに行った時のこと、
母が突然歓声を上げた「あれまぁ〜!ホンタケがこんなようけ生えとる〜!」

このキノコは実家の田舎では珍重されていて、
一日中、山を這いずり回っても中々見つからなかった代物…

それが群生していたのだから驚喜乱舞状態?も無理からぬ話。
よいお土産が出来たと大喜びで大切に持ち帰った。

さて、翌年には弟嫁を連れてやって来た。
彼女も半信半疑で来たのだが百聞は一見にしかず…
歓声を上げながら小指の先ほどの小さなものまで持ち帰った。

そしてその翌年には母の姉(伯母)を連れてくると言うので、
前日に下見に行き、
目をさらのようにして探したが全然生えていない。

その旨連絡したけれど母はどうしても諦めきれなかったらしい。
二人してやって来た。

あの夢のように沢山あったキノコも種(菌)が尽きたのか…?
乱獲故か?それとも生える周期があったのか…?

あの時のガッカリした様子は忘れられない。

今でも折にふれては語り草となっているこのキノコを
わが家のすぐ上にある運動公園ウォーク途中の山道で見つけた。

(この運動公園は山の造成地に造られているので山や谷の自然が残されている)

母がいれば大喜びしたのにと、あの頃がしみじみと懐かしく思い出された。

 

右がその「ホンタケ」                  



母はこれを甘辛く煮て、
うどんの上にのせて食べるのが好きでした。


    
喜々として母が採りたるホンタケを
見つけて偲ぶ秋の山道