制作,調整環境詳細


 パソコンのスペックはともかくとして,CGを画面で見る場合,ディスプレイの特性・設定などによって見た目が変わる事も現実問題として少なくありません。
 そこで,私が制作している環境の中で,画面表示に関連する部分を以下にまとめておきます。

・自作機関連
ビデオカードMillennium G550
 Matrox Graphics
ドライババージョン:6.71.011
 ドライバの特別なチューニングはしていない。
色数:フルカラー(32ビット)
ディスプレイFlexScan S2000
 EIZO(ナナオ)
色温度設定:6000K(恐らく一番重要なポイント)
ブライトネス設定:80%
ガンマ値:2.2


・Appliedノート
ビデオカードM650
 SiS
ドライババージョン:6.14.10.2180
解像度:1400×1050
色数:ハイカラー(16ビット)
ディスプレイTFT液晶ディスプレイ



 画面表示上で差異が出やすいのはディスプレイそのものの違いによる発色の違いもそうですが,同じディスプレイでもコントラストや明度の調整でかなり差が出ます。

 私の場合,明度の調整は次のようにしています。

・CRTの場合
 表示領域の外側の部分を目安にします。
 調整機能で,画像の表示領域をわざと小さめにした状態で明度調整を行うと,表示されている領域の外側(本来は表示可能な領域だけれど,小さめに設定されているために何も表示されていない領域)の部分の明度も変化します。
 その外側には一切変化しない領域(何をどう遣っても画像を表示できない領域)がありますから,そことの違いが分からないぎりぎりの状態に明度を調整します。
 こうすると,黒がちゃんと黒に見えます。
 これよりも明度を上げると,黒を表示させたはずが画面状では灰色に見えてしまいます。

・液晶の場合
 実質,明確な基準となるものを持ち合わせていないので,実際に気にならない範囲で調節。
 とりあえず現行のS2000の場合,購入時の明度設定(100%)は明る過ぎる感じがしたので,程よく感じる程度まで下げてみたらそれが80%だっただけの話。

 また,色温度については6000Kに設定しています。




・余分の戯言(色温度について)

 要するに『色温度』と言うのは,「白さ」の規準です。
 それがなぜ「温度」と表現されるかと言うと,一番分かりやすいのは「真っ赤にやけた鉄」という表現ですね。
 製鉄所とか,刀鍛冶などで,鉄を熱すると赤く輝くようになります。
 これを更に加熱すると,その色が赤〜オレンジ〜黄〜青と変化していきますが,この時,色と温度には明確な関係があります。
 この色と温度の関係を元にして,ディスプレイで表現されている「白」が,「何度の物体の出す光の色に相当するか」を表したものが『色温度』です。

 別の例をあげれば,恒星の見掛けの色が表面温度によって決まる。のと同じ理屈です。
 ちなみに,6500Kというのは,太陽の表面温度に相当します。
 そこからもう1段階下げた6000Kを常用しています。

 なお,「色温度が高すぎる」あるいは「明度(輝度)が高すぎる」設定は目が疲れやすくなる。と一般的には言われています。
 個人的感想ですが賛成です。実際に結構見やすい感じがしますので。
 通常,店頭では周囲の照明が一般家庭よりも明るいので,その明るさに負けないようにするために色温度,輝度共に高めに設定してあることも多いようです。
 その関連でディスプレイの工場出荷時の設定ではそれらが高めになっていると聞いた憶えもあります。事実,私が以前使用していたA901H,現行のS2000の初期設定は9300Kでした。
 ですから,もしもディスプレイで設定ができるのであれば,変更してみて下さい。
 その方が私の方で意図した色に近づきますし(笑)。
 変更した直後には,若干明度が下がった + 黄色味がかったような感じがしていましたが,暫く使ううちに全く気にならなくなりました。
 それどころか,その時点で色温度を9300Kに戻してみたら……どれほどに強烈な(どちらかと言えば悪い意味合いで)画面だったのかが実感できました。

 なお,思いっきり不確かな記憶ながら,明度,色温度を思いっきり上げた(=見た目にハデな)状況と言うのは,それだけディスプレイの寿命を縮めるとか。
 まぁ……設計上の100%の出力で使用するよりも,ほどほどに抑えたほうがより長寿命で使えるっていうのはよくある話ですから,さほど根拠の無い話ではないと思います。



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