ドバイミレニアムはモハメド殿下自身が生産し、この競馬界に送り出したスーパーホースだった。初め、「YAZEEL(ヤゼ−ル)」と言う馬名を付けていたが、3歳時に預託先のエブリ調教場での馬っぷりと調教の鋭さに感じるものがあったのだろう、モハメド殿下はミレニアムの年のドバイワールドカップを思い描いて、「ドバイミレニアム」に改名した経緯がある。
 また、名前に恥じること無く快進撃を続け、距離が合わず9着に敗れた英ダービーを除けばパーフェクトの成績を収めている。4歳時にジャックルマロワ賞、クイーンエリザベスU世S、5歳時にはドバイワールドカップ、プリンスオブウェールズSとG1を4連勝するなどめざましい活躍で9勝の着差の合計はおよそ47馬身1/2になる。
 オーナーであるモハメド殿下が「これまで色々な競走馬達を見てきたが今まで私が所有した中で文句無しに最強の馬である」と断言したように実力は群を抜いていた。その為、調教中の骨折により引退することになった時にはショックを隠せないようでドバイミレニアムの手術に立ち会ったほどである。
 この他馬に影をも踏ませない強力なスピードをこれからドバイミレニアムの子供達がしっかりと受け継ぎ、もう一度私達の前に登場してくれる日を待ち望みたいと思う。


Seeking the Gold
鹿毛  1985
Mr.Prospector Rise a Native Nntive Dancer
Raise You
Gold Digger Nashua
Sequence
Con Game Buckpasser Tom Fool
Busanda
Broadway Hasty Road
Flitabout
Colorado Dancer
 黒鹿毛  1986
Shareef Dancer Northern Dancer Nearctic
Natalma
Sweet Alliance Sir Ivor
Mrs.Peterkin
Fall Aspen Pretense Endeavour
Imitation
Change Water Swaps
Portage
  牡   鹿毛   1996年3月20日生まれ  英国産
  生産者   シェイク・モハメド
  オーナー  ゴドルフィン
  調教師   S・ビン・スルール
  騎乗騎手  フランキー・デット−リ  ジェリー・ベイリー                        
  通算成績10戦9勝   主な勝ち鞍 ・ドバイワールドカップ(G1 ダート2000m)
・プリンスオヴウェールズS(G1 芝2000m)
・クイーンエリザベスU世S(G1 芝1600m)
・ジャックルマロワ賞(G1 芝1600m)
・ユジェ−ヌアダム賞(G2 芝2000m)


全10レース紹介
1998
10/28  メイドン  ヤーマウス  芝1600m  1着
1999
 3/3   コンディションS  ドンカスター  芝1600m  1着 
 3/18  プリダマネイトS(準重賞)  グッドウッド  芝2000m  1着
 6/5   英ダービー(G1)  エプソム  芝2400m  9着
 7/18  ユジェ−ヌアダム賞(G3)  メゾンラフィット  芝2000m  1着
 8/15  ジャックルマロワ賞(G1)  ドーヴィル  芝1600m  1着
 9/26  クイーンエリザベスU世S(G1)  アスコット  芝1600m  1着
2000
 3/2  シェイクマクツーム・アル・マクツーム・チャレンジ(準重賞) ナドアルシバ ダート2000m 1着
 3/25  ドバイワールドカップ(G1)  ナドアルシバ  ダート2000m  1着
 6/21  プリンスオヴウェールズS(G1)  アスコット  芝2000m  1着


最後にドバイミレニアムは全てが逃げの競馬ではなく、後から差した競馬もあった。特に印象的なドバイワールドカップでの逃げは、デット−リ曰く「この馬は自分で走り方を決めるタイプなので、今日は逃げたいと言ったので逃げることにしました」とのこと。
ダート良し、芝良しと完全無欠な競走馬が競馬界でその走る姿を見ることが出来なくなるのは残念ではあるが、今後の活躍に期待したい。