世界は広く限りない可能性を秘めている。日本では敵無しとなった競走馬たちは、世界へと目を向ける。しかし、海外遠征には検疫、輸送、環境の変化、コースの違いなど競走馬にとってレースとは別の戦いが待っている。また関係者にとっても大きなリスクを背負うこととなる。

 今までの日本馬の海外遠征の成績を見ても分かるように大敗の歴史である。関係者の苦労には敬意を評したいのだが、国内最強と言われたあのシンボリルドルフでさえ6着と勝利することは出来なかった。1997年のドバイワールドカップに遠征したホクトべガに至っては、レース中競走中止になり安楽死という悲しい結果に終わっている。このことにより私達は日本ダート界の宝を失うこととなる。凱旋門賞を目指したサクラローレルも故障により帰国している。

 しかし、外国の遠征馬たちはこの数々の困難をクリアしてジャパンC・安田記念を制している。そして、日本の競馬関係者たちは度重なる遠征、外国遠征馬のノウハウを活かし歴史的大勝利を収めることとなる。

 それが1998年のモーリスドギース賞を勝ったシーキングザパール、ジャックルマロワ賞を勝ったタイキシャトルである。今まで勝てなかった海外のG1を一気に2つも制したのである。しかも1999年にはサンクルー大賞をエルコンドルパサーがアベイユドロンシャン賞をアグネスワールドが制している。日本馬は世界レベルに達しつつあると言わしめる結果である。

 しかし、いずれの4頭も外国産馬の為、完全な日本競馬の勝利とは言えないが、いつの日か日本産馬、日本調教馬の日本人ジョッキーによる海外G1制覇、そして世界最高峰である凱旋門賞を制覇することが日本競馬界の悲願である。

 今はただその日が来るのを待ちたいと思う。

2000.01.06