| 随筆・徒然なるままに | |||||||||||||
![]() 7 免状制度について 平成26年4月
![]() このような、お免状は、今となっては大切な思い出であります。 ![]() しかしながら、その後、上級免状を取るに従って、免状制度の弊害 ![]() や疑問を感じるようになりました。 ![]() 宮城道雄先生も、そもそもは免状制度に反対だったそうですが、周 ![]() 囲に説得されて不承不承で賛意したと聞いております。 ![]() 私が弟子に免状を出すようになって感じた事は、互いに優劣を競う ![]() 事が高じて、それが嫉妬心につながり、引いては同門の中の人間関 ![]() 係までがギクシャクしてしまったような事もありました。 ![]() また私自身も、師範免状を受ける折に、その前段階である教師試験 ![]() で、私よりも成績が下位で遅くに合格した後輩が、私を追い越して、 ![]() 先に師範免状を取得したという不可解な事もありました。 ![]() その時は、私も面白くない感情を抱いてしまったのですが、後に宮 ![]() 城道雄先生の随筆の中で、「私は、自分の値打ちを自分でこしらえて ![]() 人に見せようという気にはなれない。」という一文に接してからは考 ![]() えを改めて、「以後は、そんな事にこだわるのはやめよう。遅く取ろ ![]() うが早く取ろうが、師範の価値に変わりはないのだから。」と納得致 ![]() しました。 ![]() その次に、免状制度の弊害として思う事は、最高位の免状を取得す ![]() ると、いつしか自分が偉くなったと錯覚して慢心してしまう事です。 ![]() 本来ならば、高位の免状を取れば取るほどに、謙虚にならなければ ![]() いけないはずです。 ![]() それから免状制度について疑問に思う事の一つとして、御礼の問題 ![]() があります。 ![]() 私は、宮城社に転門する以前に、他流派で初伝免状を取得した訳で ![]() すが、宮城社に転門した場合は、また初伝から取り直さなければな ![]() らないという規定があります。 ![]() それは理解できるとしても、そこに何故、御礼までが派生するので ![]() しょうか? ![]() 私は、弟子に免状を授与するにあたり、家元で定められた以上の金 ![]() 銭を、弟子に要求した事は一度もありません。 ![]() たまに志で御礼を包まれて来られる方もおられますが、それとて免 ![]() 状料の半額等と言うには、ほど遠いものです。 ![]() 尺八の恩師、虫明先生からも、箏の恩師、難波先生からも、一度も、 ![]() そのような不可解な御礼を強要された事は、ありませんでしたが、 ![]() 中には免状制度を利用して、更なる金儲けを企む師匠がおられると ![]() いう話を、私は方々で耳にしております。 ![]() このような事も、邦楽が発展して行かない一要因ではないかと危惧 ![]() しております。 ![]() 最後に、手前味噌ではありますが、私の尺八での免状を披露させて ![]() 頂きます。 ![]() これらの免状は、思い出として大切にしまっております。 ![]()
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