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山中恒さんは、私が一番好きな読み物作家です。好き、って言葉じゃ足りないぐらい。
結婚したい!っていうのは言い過ぎ?いや、でもこの人の本に出会ってなんだかうれしくなりました。
山中さんの人柄や思いや考えや、生き方、そんな物まで愛してしまうほど、なんだか自分にぴったりくるのです。
なくしてしまった、私の半分。
そんな風に勝手に思って、愛してます。(⌒^⌒)bうふっ

ぼくがぼくであること おれがあいつであいつがおれで
三人泣き囃子 青い目の番長
ムサシ早手流 幽霊屋敷で魔女と

「ぼくがぼくであること」 山中 恒 作

(あらすじ)
  優秀な家族の中でみそっかすの秀一。夏休みのある日、家出をした。
家出先でひき逃げ事件を目撃、武田信玄の隠し財宝の秘密、 少女とおじいさんとの出会い・・・。
いろいろな経験を通して、秀一の中で何かが変わっていく・・・。

感想・・・・(コレについて語り出すと長い)
これは高校3年生の時に読んだ本です。それよりもずっと前、NHKの少年ドラマシリーズでも、
ドラマ化されてたのを、見た覚えはあるんだけど、もうかなり忘れてました。
教師を目指して、大学受験がすんで空いた時間を本を読むことで過ごしていた時期でした。
それまでにも本好きだった私ですが、教育学部を目指すと言うことで、児童文学も読んでみようと言う気になり、
児童書の棚をのぞいたのでした。とはいえ学生の身、角川文庫の本でしたが。
しかし、そのとき受けた衝撃は未だに忘れることができません。だからこそ、山中恒は今でも私の中では、史上最高の作家なのです。

とにかく、パワフル。何がといえば、このお母さん!とにかく山中作品に出てくるお母さんはパワー全開。でも、そのパワーの方向が
自分勝手で都合良くてわがままで人のこと考えてるように見えて実は自分のことしか考えてなくて、でもそれが正しいと信じて、
力一杯突き進む、そんな人なのです。どんな正義でもそれを人に押しつけてはいけない・・・
でもねぇ、それが母親側が子に対しての所行だとすると、
なかなかにその不合理さが理不尽さがわかりにくい。
それがまた、育てることだったりするわけでもあるし、親の庇護の元にいるということでもある。
まぁお話しだし、かなり誇張してかかれてる部分もあるけれど、山中作品に出てくるお母ちゃんというのは、だいたいこうだ。
だけど、そこに対する主人公達も、また同じぐらいのパワーをもってる。生きてるんだなー。そこがいい!
かあちゃんに、けちょんけちょんにやられるんだけど、目は生きてるぞ。ってなもんだ。

ちょっとエッチなのも、山中作品の特徴。キッスとスカートめくりとかかばんばん出てくる。
でもそれが小学生レベルの話しのキッスへのどきどきなんだよね。(今時の小学生はキスなんてどうってことないだろうけど)
その描写が生々しくて良いのだ。生きてる感じがする。性なんだけど生なんだなぁて思わせる。
この話しではひき逃げ事件とか、隠し財産の話しとか出てくるけど、もう全然関係ない。((笑))

とにかくこの作品は、お母ちゃんの暴れん坊ぶりと(それはもうすごい)、僕の初恋です。でもその戦いをとおして、
今までお母さんが上、僕が下と思わされてた秀一が、「子供は親の支配物ではなくて自分も一つの個人だ」ということに気づき、
それにまだ気づくことができずに荒れ狂う母親を、ものすごく優しい大人の目で見るラストシーンが、忘れられません。
秀一が、欠点も含めてありのままの自分が自分であることを認め、受け入れる事で自己を確立したと同時に、
母親をも、一人の人間として受け止めることができた・・・そこがもう、たまらなくすばらしくて、
この本を読み終わったときに、余韻に浸って、それがさめてしまうのが残念で、お母さんに晩ご飯よーって、呼ばれるのがいやでした。
もしかしたらまださめてないかもしれません。

とにかく、純粋に読み物としても面白くてたまらないのですが、心に響いて忘れられない一冊です。
ああ、いくらでも書けちゃう。
もうとにかくみんなに読んでもらいたい一冊です。

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「おれがあいつであいつがおれで」  山中 恒 作

あらすじ
言わずとしれた名作。
映画のファンも多いけど、原作はもっとぼくとつで
荒々しいのだ。映画ほどきれいでもかっこよくもない。
でも、山中恒なんだなぁ。


感想
コレは大林宣彦の映画「転校生」でも有名ですよね。最近ではまたNHKがドラマにしてたみたいだけど。
ココにもパワーあふれる自分勝手な正義の大人と、劣等感と自分勝手とやんちゃを同時にもってる子供との戦いと、
やっぱり生々しいちょっとエッチな子供時代のうふふがあります。
シチュエーションとしても結構笑えるネタ満載なんですが、その中でやっぱり主人公の二人が解りあっていくのがいい。
最後のキスシーンなんて、もう、生々しくて。((笑))ちっともきれいじゃない。そこがいい。
確かに癖があるんですよね。この人の書く物には毒がある。でも、好きになると中毒状態になるんだよねー。

面白いです。とにかくいろんなメッセージとか込められてるとか、語ればきりがないけど、
山中作品は、とにかく、読んでみろよと。面白いよ、と。もうはちゃめちゃだよ、と。

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「三人泣き囃子」  山中 恒 作

あらすじ
「どど平だいこ」「おん太山びこ」「どで作峠」の
三つのお話が入って一冊の本になっています。
むかし八重田むらにどど平というものがいた。
どど平は気が利かない上に、のろまで役に立たない奴だ。
だがそのどど平が田植えの太鼓をたたくと、
不思議と田植えが早く済む。どど平の太鼓には人を動かす力があるらしい。
そこに目をつけた侍たちがどど平に戦太鼓を打たせるが・・・。

井上洋介さん絵の福音館書店版を持っています。その絵が又、最高に雰囲気があるんだなぁ。
とにかくこの三部作、どれもひどい。ひどく陰惨で、惨めで、悲しくて、やりきれない。
全く救いがない。山中恒の作品にも時々こういう容赦ない作品が出てくる。
でも又そこが魅力的♪

やはり、力を感じるからなのだ。バカで間抜けでのろまで気が利かなくて、
まわりの役人や庄屋様連中の情け容赦ない仕打ちも、やはり、何かしら強いパワーを感じるのだ。
いわゆるハングリー精神と言ういい方はしたくはないけど、呪詛に近い力を感じる。
そしてそんなにも救いがない話なのに、どうにもこうにも惹かれてしまうのだ。
やめられない。
とにかく、どど平の太鼓が凄い。凄すぎる。全てを飲み込んでしまう力が、波打って押し寄せる。
とても悲しいお話です。読んだ後、しばらく引きずりました。
でもわすれられない、嫌悪感はもてない。
コレが愛?

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