10 人生の生き方の4つの基本姿勢(OK図表)

        

OK図表とは

   子供時代の親(又は親的な人)からのストロークやディスカウントが、私達の中にいろいろなもの
  を伸ばしたり、つくったり、歪めたりして、私達の人柄がつくられてきたわけです。そして、多くの
  場合は、その親の自分へのかかわり方をモデルとして、自分が人に対してどうかかわるかの姿勢をつ
  くったと考えられます。

   そうしたものの一つが、その人が他の人とどのようにかかわるかの対人関係の基本姿勢といわれる
  もので、意識的、無意識的な心理的エネルギーの体制を、どのように心の中につくったかを表します。
   これをグラフ化したものがOK図表です。


OK図表とストローク・ディスカウントとの関係

   子供の頃、両親や周囲の親的な人から、沢山愛されたり、可愛がられたり、「良い子だ!」とか
  「それで良い!」と誉められたり、認められたり、良い評価等の良いストロークをもらったりすると、
  自分についての自信や満足感が強まり、
『私はOKである』と言う感覚が強く持てるようになります。
  それと同時に両親や周囲の人に対しても「人は信じられる、心や気持ちを許しても大丈夫だ!」とい
  う感覚、つまり
『あなたは(他の人)はOKである』という感覚が持てるようになるのです。

   前の項目で、ディスカウントのメカニズムのエネルギーの流れには2つの方向があり、1つの方向
  は、その人自身の内側に向かつて流れ、もう1つは外側へ向かって流れる、ということを説明しまし
  た。

   親や周囲の親的な人から、「駄目じゃないか!」「そんなことでどうする!」「全く駄目な奴だ!」
  などと、否定的なストロークやディスカウントばかりもらっていると、「自分は駄目だ!」と、自信
  を失い、自分を認めることが出来なくなります。つまり、内側に向かって流れるエネルギーは“自分
  自身へのディスカウント”になり、自分の能力や可能性、実際の行為の意味や価値をディスカウント
  するようになり、
『私はOKではない』という感覚を持つようになるのです。

   それと同時に、親や周囲の親的な人から、否定的なストロークやディスカウントばかりもらってい
  ると、その人達に対して、「信じられない!」、「当てにならない!」、「受け入れてくれない!」
  という感覚、つまり、『あなた(他の人)はOKではない』という感覚を強めてしまいます。
   さらに、自己防衛体制の強い人は、ディスカウントのエネルギーを外側へ向けて流し、“相手の人や
  周囲の環境・状況へのディスカウント”をし、「私のせいではない! あなたのせいでこうなった!」
  と、
『あなた(他の人)こそOKではない』という姿勢を、ますます強めていくようになるのです。


OK図表の4つの姿勢

   自分に対する肯定感・否定感、周囲の人に対する肯定感・否定感を組み合わせると、
4つの枠組
  
が出来ます。これがOK図表で、対人関係における無意識的な心の姿勢、あるいは、人生の生き方
  の無意識的なエネルギーの体制を示しています。
   この基本的な姿勢(エネルギーの体制)は、誰もがこの4つの部分を全て持っているのです。しかし、
  そのうちで、自分の図表の面積の最も大きいところが、最も強い自分の傾向性といえます。
   4つの基本姿勢と、それに付随する態度、行動、心理的な傾向性は次の図のようにまとめられます。

 『私もOK、あなたもOK』
    大切にされ、可愛がられて育つと、自分に対する自信や肯定感も強く、周囲の人に対する安心感、
   信頼感も強まります。こういう人の心の姿勢は、『私もOK、あなたもOK』ということになります。
   このような人は、どのような場面でも、自分の能力や人柄を発揮し、人から好かれ、受け入れられ、
   ますます人との良い関係を築いていくことが出来るのです。

 『私も、あなたも、みんなOKではない』

    常に、親や周囲の親的な人からディスカウントばかり受けるような厳しい環境の中で育ってきた人
   が持ちがちな心の姿勢です。
    こういう心の姿勢を強く作ってしまった人は、自分も気がつかないうちに、人間関係をぶち壊し、
   知らない間に、拗ねたり、ひがんだり、問題のあるな受け止め方をして、悪い方へ悪い方へと事態を
   動かしてしまい、問題のある生き方をするように、無意識的な力に動かされてしまうのです。

 『あなたはOKだけど、私はOKではない』
    この姿勢の人は、他の人に比べて自分はダメだという劣等感を持ちやすい人で、人に対する姿勢
   には問題がないのですが、自分に対するディスカウントが強く働くようになってしまった人です。
   よく言えば、「慎重派の人」、「謙虚な人」ということになりますが、これもまた自己防衛で、失敗
   することを避け、人とぶつかったり、否定されたりすることを避けて、逃げているともいえます。
    こういった態度に陥りやすい人は、問題に取り組まず、逃げたり、避けたり、十分に動けず、人
   に対して依存的になり、絶えず他の人の承認や、許可を求めたりしようとして、自分の能力や可能
   性を発揮しようとはしません。

  『私はOKだ、あなたはOKではない』
    この姿勢を持った人は、何かの事がうまくいかなくなると、その原因は相手にあるとして、相手
   を攻め、やっつけ、排除しようとする衝動に駆られる人です。こういう態度の人の心の底は、自分
   はひどい目にあわされているという感じや、自分は犠牲者だという思いがあり、自分が惨めなのは
   人のせいだと、人を非難するのです。
    しかしこの姿勢の人は、周囲の人から見るとエネルギーがあり、自信満々とした態度で仕事をし、
   人生を生きているように見えるので、良い評価を受け、抜擢され、企業や組織の中でトップに立っ
   たり、役職者になったりすることが多いのです。





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対人関係・生き方の4つの基本姿勢(OK図表)

 基本姿勢 私もOK
 あなたもOK



 あなたはOK、
でも私は
OKではない


  
私はOK
 あなたは
   OKではない


  私もあなたも、
みんな
 OKではない


 その状態を
 よくあらわす
 形容詞
 ・明るい
 ・自信にあふれ
 ・積極的
 ・消極的
 ・協調的
 ・他力本願
 ・独善的
 ・一人よがり
 ・排他的
 ・虚無的
 ・逃避的
 ・絶望的
 感情傾向  ・喜 び
 ・うれしさ
 ・充実感
 ・安定感
 ・さわやかな気分
 ・劣等感
 ・悲しみ
 ・恐 れ
 ・不 安
 ・罪意識
  ・怒 り
  ・優越感
  ・イライラ
 ・絶 望
 ・虚 無
 ・怒 り
 ・恐 れ
 ・不 信
 どのように人
 と係わるか
 ・人に信頼をあら
  わす
 ・そのままで人
  から信頼される
 ・従 順
 ・人の言うとおりに
  する
 ・働きかけを待って
  いる
     
 ・教えてやる
 ・助けてやる
 ・求められれば応え
  てやる
 ・人とかかわろうと
  しない
 どのように
 葛藤に
 対処するか
 ・協力的
 ・協調的
 ・よく話し合う
 ・妥協点をさがす
 ・逃げる
 ・避ける
 ・相手にゆずる
 ・ひきのばす
 ・自分だけで何とか
  しようと抱えこむ
 ・やっつける
 ・人のせいにして
  相手を責める
 ・力づくで片づける
 ・自分の考え、やり
  方を押しつける
 ・逃げる
 ・避ける
 ・ぶちこわす