カートレイン01/08/08

個人的には結構マイナーな存在と思っていたカートレインもプラレールになって登場しています。
結構びっくり! でも子供からしてみると自動車を載せて走る列車って結構魅力的に映るのかも。


 上にも書きましたがカートレインは一般的にはマイナーな存在だと思います。しかし、私にとっては一番と言っていいくらい思い出深い列車となっています。
 若かりし学生時代、東京に住んでいました。その時学業?とアルバイトに本気で取り組み、やっと1台の中古車を手に入れました。当時幼い頃からの鉄道趣味は一段落し、車やテニス・スキーなどに興味の中心が移ってました(笑)。こんなことだからダメなんですよね。この頃プラレールを買っておけば今ごろ苦しむ(何に?)必要は無かったのに。
 そして帰省などの際、愛車と一緒に3回このカートレインを利用したからです。しかも大学を卒業し、アパートを引き払い、最後に東京を離れたのもこのカートレインでした。友人たちに見送られ愛車「スカイライン」と一緒にこの列車に乗り込み、花の都「東京」を後にしました。夕暮れの中、新宿のビル群の明かりがどんどん遠ざかっていくのを見て、1人で客車の中で涙したのを今でも鮮明に覚えています。

 「カートレイン」と言えば、昭和60年に汐溜・東小倉間に初めて登場したわけですが、その後名古屋(熱田)・東小倉間の「カートレイン名古屋」、恵比寿・白石間の「カートレイン北海道」などが登場し、それにともない元祖「カートレイン」は「カートレイン九州」と名乗ることになりました。しかし、私は自分の独断で「カートレイン九州」のことを「カートレイン」と呼ばせていただきます。

プラレールでは牽引機はEF81-300になっています。でも私が乗車した区間はEF65-1000ですので、そのうち改造して再現したいと思っています。もちろんヘッドマークもこのプラレールのテールマークと同じ三日月のものが付いていました。

カートレインの編成

機関車 A寝台 A寝台 A寝台 電源車
EF65PF ナロネ21 ナロネ21 ナロネ21 カニ21 ワキ
10000
ワキ
10000
ワキ
10000
ワキ
10000
ワキ
10000
ワキ
10000
ワキ
10000
ワキ
10000
ワキ
10000

 上記は下りの編成になります。上りは先頭が機関車、次が電源車、寝台車3両、その後荷物車(車載車)になります。したがって残念なことに営業運転中に20系独特の丸い電源車が端に来ることはありませんでした。営業運転中と書いたのは実は一瞬丸い部分が端に来ることがあったのです。上り列車が終着駅に着いて後、品川客車区に回送される時のみ20系独特の丸い断面を見ることができたのです。当然テールマークは何の表示も無く、蛍光灯丸出しの状態でした。丸い断面は電源車のみで、正確に言えばプラレールとは少しちがいますよね。まあ、このデフォルメがプラレールのよさなんですけどね。

カートレインのダイヤ(1988年8月)
下り 恵比寿 17:40---広島 6:00---東小倉 10:05
上り 東小倉 19:10---広島23:08---恵比寿11:39
参考:恵比寿-広島の車1台時の金額 1人31300円 2人46700円 3人62500円

 では実車の紹介ですが、上にも書きましたように、当時鉄道趣味から少し離れていましたのであまり写真がありません。今から思うと20系A寝台車ナロネ21の内外の写真も撮っておけばよかったです。すごく後悔しています。

 これが愛車とカートレインです。当時の東京方終着駅だった恵比寿に到着したところです。ちょっとわかりにくいですが写真左端の車をフォークリフトで降ろしているところです。

 プラレールで再現してみました。トミカも愛車と同じR30型のスカイラインを並べてみました。
余談ですが、このトミカも廃版で今は入手困難です。この車に凝っていた学生時代、おもちゃに廃版があるなんて全く知りませんでした。当時住んでいた板橋区成増のおもちゃやで偶然このトミカを見つけ、自分の車と同じ白のカラーを探したのですが全く見つからず、しかたなくこの色を購入しました。おもちゃも侮れないと感じたことを思い出しました。

 東小倉行き(または発)のカートレインは途中一箇所のみ客の乗降ができました。その唯一の停車駅は広島でした。だから岡山在住の私も利用できたのです。岡山から広島まで130kmほど戻って列車に乗り込み、再び自宅の近くを通過して東京へ向かうというすごいパターンでした。車好きの私でしたがさすがに1人で東京-岡山の700kmを運転する気力が無く、他の乗り物も好きだったのでこの列車を利用しました。でも広島で乗降できる車の台数がたった6台ということで満席のことも多かったです。その他の方法として東京フェリーターミナルから徳島港までフェリーに載せる方法も何度か実践しました。徳島大学に高校時代の友人がおり、徳島で遊んだりしたこともあり、この方法もとても楽しかったです。

カートレインの乗り方
1.切符を買う
 カートレインに乗るためにはあらかじめ予約をし、切符を買わなくてはなりません。しかし、この切符は他の特急列車などと違い停車駅付近でしか買うことはできませんでした。ですから東京から乗る場合は池袋など首都圏の駅で買えるのですが、岡山在住で広島から乗ろうとすると岡山では買えず広島までわざわざ切符だけ買いに行く必要がありました。お金と時間の無駄でした。
2.乗車当日受付に行く
 無事切符を入手すると当日出発1〜2時間前までに乗車受付場所に行きます。この場所が結構わかりづらいです。もともと駅構内に一般車が入ることは想定されてないからでしょう。ここに着くと係員(駅員?)がいます。その指示に従い車を自分で運転し、パレットの上に載せます。その後係員と一緒に車のキズの有無の確認をし、その書類にサインをします。
3.乗車時刻まで自由行動
 手続きが終わると乗車時刻まで1時間以上あるので自由行動になります。その間に夕食を食べたり、町をうろついたりできます。
 この間、パレットに載せた車をフォークリフトでパレットごと貨車に載せたりする作業が行われます。
4.乗車
 列車が入線すると乗車します。寝台車は3両ありますが、出入り口は1箇所のみです。ここで切符を見せて乗車します。広島であればその間に車を積み込んだ2両の貨車の連結作業が行われます。20系A寝台はご存知のとおりブルートレインの元祖、20系「あさかぜ」の豪華編成用として登場しただけあり、古くてもなんとなく温かみのある雰囲気でした。ベッド灯の横にある網袋(B寝台には無い)が役には立たないけど「あーA寝台なんだな。」と思わせてくれました。写真撮っとくべきだった。悔しいー。
5.下車
 こうして通常の寝台列車と同じように車内で過ごし(車内販売は無い)、終着駅を目指します。到着すると下車しますが、外で車が降ろされるまで待ちます。1台ずつフォークリフトで降ろすため結構待たされます。でもその作業風景を見てるのも楽しいので私はあまり苦になりませんでした。
6.解散
 自分の車が降ろされたら、そのまま車に乗って解散となります。恵比寿着なら山手通りを通って板橋を目指します。

という感じです。

 この写真は下りに乗る前のものです。恵比寿駅でパレットに載せて待機しているところです。

こんな感じかな?


乗車券はこんな物でした。

機械発行の物と手書きの物の3枚1組です。これは最後に東京を離れる時の物です。