ディーゼル特急(キハ181系)


 入手困難な「ディーゼル特急」も中古ながら何とか旧動力・新動力の2編成を揃えることができました。関係の皆様のご協力に感謝します。やはり、超地元車両ということで思い出も人一倍。

 でも、やはり「特急やくも」は旧動力ですね。正確に言うと動力は何でもいいのですが、問題はヘッドマークです。やはりキハ「やくも」には文字ヘッドマークがよく似合います。

 ご存知プラレール「ディーゼル特急」は特急「やくも」をモデルにしたものとなっています。特急「やくも」と言えば、我々岡山在住者としては、最も馴染み深い特急列車です。
 ここでは、今から約20年前に姿を消した(電車は今でも健在)、ディーゼル特急「やくも」について、当時の私(高校生)の記録に基づきご紹介させていただきます。


伯備線 倉敷-清音間を走行中の「やくも」 昭和57年

 ディーゼル特急「やくも」(キハ181系)は、昭和47年3月15日の新幹線岡山開業に合わせて登場した特急列車です。それ以前から特急「やくも」の名は存在しましたが、伯備線を通る現在の形となったのは、この時からです。それまでの単なるローカル線(SL撮影では有名でしたが・・・)は新幹線岡山開業により一気に山陽と山陰を結ぶ幹線へと発展したのでした。
 運転区間は当時から現在と同じく岡山-出雲市が中心でしたが、米子で一部を切り離す列車、あるいは逆に遠く益田まで足を伸ばす列車もあり、となかなかバラエティーに富んだ列車でした。





 ディーゼル特急車輌の最大の特徴、「パノラミックウインドウ」。かっこいいです。
 

 昭和52年 倉敷駅に停車中の「やくも」






 特筆すべきは、当時唯一のディーゼルのL(エル)特急であり、しかも今からでは想像もつかない全列車食堂車営業という、すごい列車だったということです。(だからプラレール化されたのかな。中間車はキサシ仕様だし。)
 昭和57年7月1日に電車化されるまで、このすごい態勢は続きました。




電車化される直前の「やくも」。この時期なぜかヘッドマークは車両に直に「やくも」という文字が書かれていた。普通はアクリル板のようなものに文字が書かれ、それを車両に取り付けるスタイルであったが。左の写真と下の写真のヘッドマークに違いに注目。ちなみにプラレールのディーゼル特急後期のように、実際のディーゼル「やくも」に絵入りヘッドマークが付けられたことはありません。
昭和57年



当時の車両編成

10 11
キハ
181
キハ
180
キロ
180
キサシ
180
キハ
180
キハ
180
キハ
180
キハ
181
キハ
180
キハ
180
キハ
181

11両なんてなかなか堂々とした編成でしたね。9〜11号車は米子で切り離されたり、最初から連結されなかったりした。
キハ181は運転台付き、キハ180は運転台なし、キロはグリーン車、キサシは食堂車。よってプラレのディーゼル特急は
キハ181+キサシ180+キハ181かな?











伯備線 倉敷-清音 編成の真ん中あたりに屋根の色が違う車両が見える。これが例の食堂車「キサシ180」です。

昭和56年頃





車内風景



これが、当時の普通車キハ180の車内です。リクライニングなしの青いシートに白いカバー。典型的な当時の在来線特急普通車の車内です。


    





当時より多趣味で鉄道も好きな高校生だった私は、なんと土曜日の授業後、間もなく無くなるディーゼル特急「やくも」に乗車しに行ったのでした。これが高校時代の私です。なつかしー(個人的ですみません)。乗車区間は学校の所在地でもあり私の住んでいた倉敷から最初の停車駅、新見の往復です。当然一緒に行ってくれる物好きな友人もおらず、この写真は三脚を立てて撮りました。


 



 

 車窓から先頭車方向を見る。今から思うと長い編成でした。






キハ181の運転席と客室の間には機械室があります。当時「やくも」は8号車と9号車の間を行き来する必要があったので、真ん中に設けられたこのような通路を通るようになっていました。






食堂車
 
プラレール「ディーゼル特急」の中間車はキサシ(食堂車)仕様

 なんと言っても、この列車の最大の特徴は6往復全列車営業の食堂車ではないでしょうか。当時の私は高校生のぶんざいでこんな所にも行っていたのです。その時の様子です。

    

食堂車内(下り列車)はこんな感じでした。結構お客さんいますね。下りはお昼過ぎの時間帯でもあり、新幹線から乗り換え1時間くらい経った頃だからでしょうか。







 テーブルには1輪の花が・・・。当時の食堂車の標準的セッティング。




   






またしても、私はこんな所にも出没。「調理室の写真を撮らせてください。」とお願いすると、このコックさんとても親切に「どうぞ、どうぞ。」と言ってくださいました。しかも、「やくもに食堂車無くなった後はどうされるんですか?」なんて余計なインタビューまでしてしまった記憶がある。そのお答えは「新幹線に乗るよ。」とのことでした。新幹線にも食堂車が無くなった現在、この親切なコックさんはどこで何をされているのでしょうか(心配)。



私はもちろんコックさん達へお礼の意味も含めて最後の食堂車で食事?をしました。乗車時間と予算の両方が乏しい私が注文したメニューは確かサンドイッチとジュースだったと思います。皆さんも気になっておられることでしょう。では、

初公開? ディーゼル特急「やくも」 食堂車全メニュー

 私が乗車時に撮影した、この不鮮明な写真を頼りに昭和57年6月当時の「やくも」食堂車全メニューを洗い出しました。プラレール「ディーゼル特急」の中間車ではどんな料理が出されていたのでしょうか。うーん当時に戻って食べたいなー!








いつもご旅行に憩の場として皆様をお迎えしております。
 お食事の前にスープをどうぞ  −ワインもお楽しみください−
シチュービーフ定食 1600円 A LA CARTE  お好み料理
ハンバーグステーキ定食  1250円  スープ 300円
ランチ  900円  海老フライ  1600円
ポークカツレツランチ  1250円  ビーフシチュー  1200円
おつまみに 牛肉のタタキ  700円  ハンバーグステーキ  850円
        スモークサーモン  700円  ポークカツレツ  850円
和風セットもご利用ください。  カツカレー(サラダ付)  750円
 一口カツ定食  1250円  カレーライス  600円
 うなぎご飯  1400円  ハムサラダ  550円
 牛焼肉定食  1100円  (野菜)コンビネーションサラダ  550円
 スペシャルサンドイッチ  520円
帆立貝フライ 650円  チーズ盛合せ  450円
 ライス  130円
 パン又はトースト  130円
SOFT DRINKS お飲物  カスタードプリン  200円
 珈琲   250円 WINE LIST お酒類
 アイスコーヒー   250円  (ミニチュア)スコッチウイスキー  570円
  (7月中旬〜9月中旬まで)  (ミニチュア)(特製)国産ウイスキー  550円
 紅茶         240円  ワイン  400円
 ミルク(砂糖付)  150円  ビール  400円
 オレンジジュース  200円  ビール(小)  290円
 コーラ  180円  黒ビール  310円
 トマトジュース  180円  清酒特級  440円
 サイダー・シトロン  180円  清酒一級  350円
旅のレストラン NIPPON SYOKUDO

以上です。すごく豊富なメニューですね。前にも書きましたが、私はスペシャルサンドイッチとオレンジジュースを注文しました。今から考えると、飲み物はミルク(砂糖付)やサイダー・シトロンなどにしておけばよかったと思います。




 岡山駅で並んだ、ディーゼル特急「やくも」と試運転中の
 電車「やくも」(381系)。

 昭和57年







そして今は。



電車「やくも」は国鉄特急色からこのような塗装になって走っています。
写真は「スーパーやくも」。もうひとつ緑色主体のやくも色もあり。

平成13年2月 岡山駅








久々に岡山駅に戻ってきた「キハ181」。
平成9年11月より特急「いなば」として岡山駅に戻って来ました。それまで津山線因美線経由で岡山と鳥取を結んでいた急行「砂丘」(キハ58)に代わり、智頭急行線経由で同じ区間を結ぶ特急「いなば」となりました。3両編成なのでちょうどプラレールの車輌のようです。

平成13年2月 岡山駅








力強いエンジン音ともうもうとした煙を残し、鳥取に向けて山陽本線を猛ダッシュするキハ181「いなば」。すごい迫力です。ちなみに途中から同じ路線を走る智頭急行のディーゼル特急「スーパーはくと」も京阪神区間をもっとすごい勢いで走るそうです。

平成13年2月


 倉吉駅(鳥取県)に停車中のキハ181「いなば」。平成13年7月のダイヤ改正でキハ181は本当に少数派になってしまいました。キハ82同様、近い将来消え去る運命なのでしょうか。平成12年8月

  

 キハ181の特色の折り戸。プラレールでも表現されているようですね。行き先表示はJR西日本独特の黒地に白抜き文字となっています。平成12年8月倉吉駅にて

  

 プラレール「ディーゼル特急」はとてもいい出来ですね。プラレールらしさを十分残しつつ、本物にきわめて近いディティールを形成しています。
そのままHOゲージに転用しても十分通用します。と言ったら言いすぎですね。