寝台特急(581・583系)
ついに幻のプラレール、寝台特急が復刻されました。嬉しい! でも欲を言うとスカート部は青がよかった。プラレールらしさを追求するのも悪いことではないと思います。
雷鳥と中学1年生の私 父親と大阪に行った時の写真
大阪駅にて父親撮影(本人全く気付かず)
ご存知プラレール「寝台特急」はかつて昼夜を問わず全国を走りまわっていた、世界でも珍しい寝台特急電車「583(581)」系をモデルにしたのもとなっています。
我々岡山在住者としても、関西と九州を結ぶ寝台特急としてなじみの深い車両です。私自身もこの車輌がとても好きで、当時の少ないお小遣いをため、東北・北陸・山陽・九州で活躍する勇姿を撮影に行きました(と言っても駅構内ばかりですが)。
また、私はこの車両にたった3度ですが乗車したことがあります。
1度目は大変変則的な乗車でした。と言うのはほんの一時期ですが、関西と九州を結ぶ、電車寝台列車の一部に普通座席指定席車を1両組み込んだものがありました。普通座席車といってもただ単にB寝台車の寝台を組み立てずにそのまま普通座席車としていたのでした。列車好きの私は父と甲子園に高校野球を観戦しに行った帰りにぜひこれに乗りたいとわがままを言い、普通座席の設定があった「明星」に乗り、大阪から岡山へ帰りました。20数年前の話です。この時は普通車内もまずまずの乗車率だったです。その時の苦い思い出をひとつ。列車大好き少年だった私は座席を寝台にセットするメカニズムに興味があり、この時車内で実践してしまったのです。(と言っても下段だけで、すぐに元に戻したのですが。)それだけで終わればよかったのですが、この様子を見ていた他の客がたくさん真似をして寝台セット作業を実践し始めたのです。当然すぐに車掌さんより注意を受けてしまいました。なんとその注意は車内放送によるものでした。「○号車、普通指定席車にご乗車のお客様にお願いいたします。座席を寝台にセットする行為は大変危険ですので絶対にお止めください。」というものでした。こんな放送が列車全体に流れたものですから、他の寝台車のお客さんがわざわざたくさん我々の車両を覗きに来られました。はずかしー。
2度目は、グリーン席乗車でした。当時高校生だった私は友人と日帰りで神戸や阪神パークに遊びに行く計画を立てました。普通、新幹線か普通列車で行くのですが、鉄道好きの私は友人に無理を言い、倉敷から三宮まで583系特急「なは」で行く事を提案しました。この時は普通座席の設定はなかった上、とても寝台料金など払えるはずもなくなんとかグリーン料金を捻出し、乗車する事に成功しました。リクライニングする赤いシート(当時の普通車は青いシートが多かった。)に肘掛から出てくるテーブル、そして足置きなど見慣れない装備に大興奮した記憶があります。この乗車時に力が入りすぎ、現地に到着した時はすっかり疲れていた記憶があります。何をしに行ったのかよくわかりませんね。
3度目も、高校生の時でした。この時は九州の特急列車の撮影をしたいということで、下関、小倉、博多方面へ行きました。少し記憶があいまいなのですが、確か「彗星」で岡山から下関まで乗車したと思います。B寝台下段でした。ご存知のとおり、この車輌は3段式B寝台なのですが、パンタグラフの下のみ屋根の高さが低いということで、上段が無く2段式となっています。つまり、中段に乗ると上段がない分、一人分の高さがとても高く広く感じる隠れたおすすめ席として有名でした。そこをねらったつもりがなぜか下段で、すぐ上の広々した中段はずっと空席でした。悲しい。
この車輌の特徴(超素人的見地より)
窓にカーテンが無くブラインドがある。2枚ガラスでガラスとガラスの間にブラインドが挟まっていて、窓の横のハンドルを回すとブラインドが上下する。窓がくもるような日に乗車したら最悪。ガラスを拭く事ができず外が全く見えません。
特急なのに向かい合わせの4人1組ボックスシート。寝台のセット上止むを得ないが、昼行特急としてはちょっと変。ただ、乗車してみた個人的な感想では、向かい合わせの割にはシート形状などよく工夫されていて、座り心地はよかったと思います。
寝台時、上段、中段にも外が見える小窓がある。外から見ると通常の大きな窓の上に2つずつ小窓が並んでいるのがわかる。とても小さな窓に見えますが、車内から外を見るには十分な大きさでした。
寝台特急(電車)
実際に走行していた頃の姿を写真でご紹介いたします。(下手な写真ですみません。)
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ゆうづる 常磐線経由で上野と青森を結んでいた寝台列車。 電車と客車を合わせると7往復も走っていた。 青森から上野駅に到着したゆうづる 昭和59年 |
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はくつる 東北本線経由で上野と青森を結んでいた寝台列車。 寝台列車最速の表定速度(83Km程度)を誇っていた。 上野駅で発車を待つはくつる 昭和57年 |
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はつかり 東北本線経由で上野と青森を結んでいた座席列車。 6往復でそのうち半分がこの583系で残りは485系だった。 上野駅で発車を待つはつかり 上野駅の2段式ホームの下はいつも暗く、撮影しにくかった。 昭和57年 |
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みちのく 常磐線経由で上野と青森を結んでいた座席列車。 遠回りをするためはつかりより利用者が少なく、地味な存在だった。 上野駅 昭和56年 |
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雷鳥 湖西線経由で大阪と富山・新潟・金沢を結んでいた座席列車。 16往復程度のうち、4往復が583系で残りは485系。 新大阪駅にて 昭和58年 |
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しらさぎ 名古屋から北陸地方を結んでいる座席特急。 下記「金星」の間合い運用だった。 写真のクハ581系は当時唯一の非貫通タイプだった(下側のガイドレールが無い。)。これは踏切事故による修理の際、取り払われたため。 |
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金星 名古屋と博多を結んでいた寝台列車。 下関駅にて 昭和57年 |
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彗星 新大阪と宮崎・都城・大分を結んでいた寝台列車。 3往復のうち1往復が581系。 山陽本線 須磨付近 昭和57年 |
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明星 新大阪と西鹿児島・熊本・博多を結んでいた寝台列車。 最大7往復運転されたこともある。2往復が583系。 山陽本線倉敷-西阿知 昭和56年 |
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なは 京都と西鹿児島を結んでいた寝台列車。 明星と同じ性格の列車だったが沖縄返還に敬意を表し、列車名に。 山陽本線 須磨付近 昭和57年 |
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有明 門司港・小倉・博多と西鹿児島を結んでいた座席列車。 小倉駅にて(多分) 昭和57年 |
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にちりん 小倉・博多と宮崎・西鹿児島・大分を結んでいた座席列車。 小倉駅にて(多分) 昭和57年 |
この他にも私の記憶では、ひばり(上野-仙台)にも583系が使用されていましたが、写真は撮影できませんでした。 月光やつばめの頃は小さすぎて写真どころでは・・・。 |
当時の車両編成
東北地方
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
クハネ 583 |
モハネ 582 |
モハネ 583 |
モハネ 582 |
モハネ 583 |
サロ 581 |
サシ 581 |
モハネ 582 |
モハネ 583 |
モハネ 582 |
モハネ 583 |
サハネ 581 |
クハネ 583 |
北陸・山陽・九州地方
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
クハネ 581 |
モハネ 582 |
モハネ 583 |
サハネ 581 |
サロ 581 |
サシ 581 |
モハネ 582 |
モハネ 583 |
サハネ 581 |
モハネ 582 |
モハネ 583 |
クハネ 581 |
クハネ581とクハネ583との大きな違いは運転席と客室との間に機械室があるかないかです。初期型の581系には機械室があるのですが、改良型の583系は機械をコンパクト化し床下に配置したので機械室がありません。したがってプラレール化されているのは583系の方?
コレクター泣かせの寝台特急
以上のように583(581)系は名車ですのでプラレールの世界でも大変な人気となっています。
また、名車583(581)系はプラレールの世界のみならず、Nゲージの世界でも大変なことになっています。(プラレールほどではないそうだが。)
寝台電車は人気車輌ですのでNゲージも数社から発売されています。発売したのはトミックス、学研、KATOの3社です。KATOは以前よりNゲージのトップメーカーで技術にも定評があります。寝台電車の仕上りもすばらしいものとなっています。学研は当時の鉄道ブームに乗ってNゲージを発売しましたが、技術も今一歩で現在は撤退しています。トミックスはご存知のとおりプラレールも作っているトミーのブランドの一部で今もすばらしいNゲージを提供しています。
このトミックスが昭和53年頃発売した、581系寝台電車にプレミアが付いているのです。なぜかというと他の2社は583系をモデル化したのに対し、トミックスは唯一581系をモデル化したからです。しかしこの製品は初期の製品であり、コスト削減のため海外に生産を委託したため、仕上りが今一歩というものでした。そして現在は絶版となっているのです。
たまたま私はその車輌を持っていたのでご紹介します。
これがその製品です。私が中学1年生の時初めて買ったNゲージ車輌です。香港製ということで安かったのです。当時もらったお年玉総額で何とかNゲージワンセットを買いたかった私にとっては格好の製品でした。4両セットで5400円(当時先頭車1両2000円動力車1両3500円位)と安価な上、大好きな特急車輌だったからです。
この車輌セットのおかげで、安いパワーパックと線路1周分のNゲージ一式が買えたのです。
安くて買ったこの製品にプレミアが付くとは考えもしませんでした。といっても私が現在持っているものは改造している上、モーターも不動ですので価値はないのですが。
左がトミックス製で右がKATO製 奥がトミックス製で手前がKATO製
かなり仕上りに違いがあります。 581系と583系の違いもよくわかりますね。
何と2002年1月にTOMXの581系・583系が発売されることになりました。もちろん技術の進歩により、仕上がりはかなりよい物となっているようです。(某氏、情報提供ありがとうございます。)