久住山


標高 1787m    難易度 ☆☆     登り11分 下り7分    大分県
倉敷からの距離   ***Km        登頂日 ’95/10/08   ガイドブック  

牧の戸峠→30沓掛山→60久住別れ→18久住山頂→15久住別れ〜スガモリ峠→90長者原

登山
 深田久弥の日本百名山の一つとして紹介されている 九州本島で一番高いのは九重山、九重山は山群の総称であって、その主峰は久住山。・・・・とある

 登山道は行列を作って登っているので、登山口を探す手間もいらない そうした話題も出る この登山記録も掲示板に貼るのでしょう どのように記載されるか楽しみだ とプレッシャーがかかる それだけ期待されるとうれしくなる

 登山道は行列もさること、完全舗装道路 こうした山は初めてである 歩道を付けるだけで、自然破壊が進むのに、舗装までしてと、自然との調和に疑問を持つ登山道の保守による手間を削減する効果はあると思うが、・・・きっとそれ以外の理由があり、あれこれ検討された結果の選択と、わからないながら納得させる 沓掛山(1503m)と牧の戸峠(1330m)の標高差173メートルの内約150メートルが舗装道路である、そこから岩山を越える 結構な急坂ではあるが歩き易い事、歩き始めであり疲れていない事もあってガイドブックの30分で全員クリアー 花は期待していたほどない、白い花はシロヨメナと言うのだろうか黄色はアキノキリンソウというのか 赤い大きな逆三角形をした実を見つけた、近くの人があれは夏に紫(?)の気持ちの悪い花を咲かせると名前も教えてくれたが残念ながら失念した、 それを聞いていたIさん夏に着たいと一言 夏は太陽を遮ってくれるものがないから暑くて大変 登山口の近くだから花を見て帰るなら大丈夫と・・・ まだ元気が良いのでいろいろ会話が飛ぶ

 ツリガネニンジンよとその人が教えていた、ツリガネニンジンは岡山の山でも随分と楽しませてもらい顔なじみになった 久住ではそこで見つけただけで、数がない、太くがっちりした茎にたおやかな紫のツリガネ状の花を付けており、バランスが悪い、この一花で代表させたら可哀想かもしれないが、ツリガネニンジンが持つ愛らしさがなく逆に強さを感じてしまう

 少ないとはいうものの、花を撮ったり、景色を撮ったり、レンズ交換に時間を取られ、一番ラストに到着 揃ったという事で出発 花の種類はあまりなく同じ花がところどころに現れる そうそうリンドウが結構多かった ツルリンドウほどの背丈で、地面から花だけ咲いて見える リンドウは久住山で一番多い花であった 特に、久住山頂に群舞しているリンドウの花は素晴らしかった 鮮やかな紫の花が幾つも天空を向けて開いており、小鳥が親鳥に餌をもらう時の如く、大きく花弁を開き、花弁の中の美しさまで惜しげもなく、見せてくれた

 歩き進む内にいつのまにかトップ集団の暴走族グループに入っていた あそこが山頂か?(違った判断) そこならたいした事はない、では山頂でまた合おうと先頭集団のSTYY組は出発 MISトリオと保護者か保護される方かわからないKKMYの7名と分かれて進む 山を越すとまだまだ先が、西千里が浜は平らで、徒競走が出来るような広さ 思わずスピードが出る、足を伸ばし、足の後ろの筋を伸ばす 心地が気持ちが良い 山の景観も素晴らしい、いろいろな顔を見せてくれる 深田久弥はいう 各峰はそれぞれの個性を具えている いかつい岩山は星生山、と その星生山を左手に見ながら進む 久住別れには登り初めてから1時間30分ガイドライン記載の時間どおりであった 休憩があったり、行列があったりしたから、それなりにスピードをあげたもののガイドブックどおりであった

 ここで後方がくるまで待つか、久住山を登ってしまってから待つかのチョイス 当然GOでまたもや突っ走る 山頂までは結構きつい登り、山全体が石でごろごろしている中をゆく、25分と記載してあるところを18分で登頂、硫黄山のガスにやられたと少しバテ気味のYさんも到着 登頂記念と準備してきた葡萄酒で乾杯 山頂に着くに従いガスが出て来た、周囲の山容ははじらうように次々と顔を隠してしまう これでは後続部隊は山頂にくるのは難しい、久住分かれで合流しようとすぐ下山する 先に記載したリンドウの群舞が疲れを一掃してくれる

 久住分かれはますますガスが濃くなり、視界が数メートルである 避難小屋がすぐ下にあるが、その周辺は広く、すれ違っては大変と、久住分かれの標識の側で登山者が通る道に網を張って待つ 汗が冷えて寒くなる、後続の人の事を考え残してきたワインも少しづつと言っているうちに全部からにしてしまった なかなか来ないものだから、偵察隊派遣、避難小屋周辺を探索 なんと そこでぜんざいを楽しんでいる後続部隊発見 無事合流出来た次第

 ガスが出ている事、登頂すると相当遅れる事、このまま、戻っても相当頑張らないと予定した時間に着けない事から、登頂は断念し、下山 ガスが出ているので、ルートが心配、久住分かれで休憩していた人に聞く スガモリ峠(下山する方向)から来た人であった、ルートは分かり易く、一直線との事で安心して下山にかかる 北千里が浜に降りるルートが相当険しい、このルートを登ったら大変だと思う程急傾斜で石の多いコース 石には蛍光塗料と思われるが黄色の印がしてあり、ルートを見失う事は無い ガスに巻かれる事を防止する安全対策かと感心する それだけ安心して登山を楽しむ事が出来る

 もう一度 深田久弥に出てもらおう そして何と言っても品のあるのは久住山である 殊に北側の千里浜と呼ばれる原から眺めた形は、精鋭で颯爽としており、さすが九重一族の長たるに恥じない と ガスも晴れてきて眺望がきくようになってきた 湯煙を出している硫黄山や岩山の星生山の連なりなのか岩がごつごつしている、そこにならんでいるのがグリーンに覆われた三俣山、実に対象的でどうしてこのように全然違った山が並んでいるのか不思議な思いがする 景観を充分楽しみながら下山 先発隊はいつの間にかTYYに 

 スガモリ峠を越えると長者原の目的地が見える ゆけどもゆけども近づかない、勾配は緩やかだが距離がある、自動車道路(資材運搬用?)があるが、硫黄山のガス発生があるからと通行止めになっている 時間を気にしながら進む やっと目的地に到着、バスを探すのが大変かと思っていたが、分かり易い所に駐車していた 近づくとバスで待っていたFTさんが手を振って出迎えてくれる 約束の1分前に無事到着、待っていた方も一安心(ガイドブック1時間40分に対し1時間29分)自動車道を入って出迎えるべく車を移動させたが、さすがマイクロバスとは言っても大きい、狭い道路への進入は無理と判断、出口のところで待つ 温泉めぐりで開発してくれた温泉がすぐそばにあり、後続の到着前に一風呂浴びる(入湯料200円)、登山の汗を流す 缶ビールを持って入浴 心地良い冷たさがのどをうるおす 待つこと30分、後続部隊無事到着 MISトリオもあのガスの中、そして険しい岩のルートを乗り切った充足感かいままでの疲れも消えてしまった様でピースをしながら写真撮影

 登山ルートも牧の戸峠から入って、長者原へゆくコースは一日コースとしては、良いコースと思う いろいろな選択コースがあり、山容も変化に富んでおり、実に良い山である 岡山の山とは比べものにならぬスケールの大きさである 多くの人を惹きつける魅力を充分に備えている山だと実感した ガスの発生による環境の変化が激しい事も体験した いろいろと教えられる事の多い山である 


 四日後 硫黄山が噴火したとの報道があった

アプローチ
 会社のバス旅行 二日目 バスが出発 旅館の人が見送りに来てくれる これはどこでも見る風景 しかし、違ったところがある 見送られ、バスはカーブをとり見送る人達の視界が一時消えた 少し間を置いてふと後ろを見ると まだ手を大きく振っているではないか! まだ、手を振っているぞ と声をかけ、窓をあけて答える 何と心のこもった見送りであろうか! 工場でも来客が良く来られる、姿が見えなくなるまで見送る人がどれだけいるであろうか 教えられる事が本当に多かった 本当にありがとうございました

 登山口に近づくにつれ、天気が良くなる 阿蘇山の眺望や大観望の景観も臨む事が出来るようになり、期待に胸が膨らむ やまなみハイウエイの両側に白や黄色の花があちこちに咲いており、どのような花に出会う事が出来るか胸がわくわくする 牧の戸峠に着く 駐車している車で一杯である ぞくぞくと登山者が山に登ってゆく 一気に形勢逆転し、さーいこうとばかり準備にとりかかる 本当に良かった 登山口で全員の記念写真 温泉めぐりコースを選択したFTさんを残していざ出発