角ヶ仙 雨に



標高 1153m    難易度 ☆☆     登り55分 下り40分   岡山県

倉敷からの距離   113Km        登頂日 ’96/08/31   ガイドブック   F


登山口→55山頂→40登山口(数字は所要時間:分)

登山
 角ヶ仙(つのがせん)1153は湯原・奥津県立自然公園にあたる。越畑から円錐型の独立峰の美しい山容を仰ぎ見る事が出来る。先週山登りで情報を入手、登りやすい山との事。この周辺の山では残された山、天気が不安定であるが、降雨予想10/20%なので出掛ける。

 山の姿が美しく途中の眺望が素晴らしい。整備も行き届いており、おすすめのコース。

 ラジオの交通情報では山陽道広島周辺、米子道は降雨で路面が濡れており走行に注意するよう呼びかけている。津山を過ぎ、県道6号に入った所、路面が濡れている 那岐山の方面に雲がかかっているが目的地の方は空が明るい。今日はもしかしたら雨に降られるかも知れない。出来るだけ早く降りてこようと空の雲の動きを見ながら判断。

 キャンプ場には立派な管理棟が出来ており、案内図があるので 一人合点し道を登ってゆくと、行き止まり。戻り、管理棟の人に聞くと、管理棟の横の道を行くと、登山道の案内があるからと教えてもらい登山道を探す。看板の字が読みにくいものがあり、この道かと思って進むとまた違っていたりし、登山道を探すのに何と25分もうろついてしまった。

 少し分かり難い所に、「角ヶ仙登山道」と一字一字記載した看板が登山道沿いの急斜面にあるのを見つけ、とりつく。登山道は木の角材の階段が出来ており擬木の階段に比較して大変歩き易い。急な登りが続き、汗が吹き出す。ツリガネニンジン、オミナエシ、オトコエシ、フシグロセンノウなどの花が迎えてくれる。キキョウが一輪咲いており、すがすがしい紫色の気品ある花に出会えうれしい。

 日射しが射していたが急に雲行きがおかしくなってきた。見る見る雲が広がり、周辺の山々が雲に隠れる。パラパラパラと笹の葉に落ちる雨音が聞こえ出し、こちらにせまってくる。まさに立体音響も良いところである。あー来るなと、リュックから傘を出すか出さない内にザーと降り出す。カメラをビニール袋にくるみ、リュックに入れる。まだ午前中であるのにかなりの雨が降ってきた。ウロウロした事もあり、登り初めてから20分程度してからの雨である。これで雷が来たら怖い、周辺には高い木々があり、そう心配する事ではないが登ってゆこうか迷った。このような雨に出会ったのは初めてである。登山道は降った雨が水路をなし、流れおりてくる。水が溜まり、靴はぐしょぐしょ 水の中を歩かないといけない状態。登りやすい山との情報もあり、ここまで道はしっかりしている、通り雨であろうから行ける所までようこうと決定。

 雨の中を歩くのも一興と気持ちを入れ替え、登り出す。衣類は汗と雨でぐっしょり。道がゆるくなり滑りやすくなってきた、一歩一歩注意しながら進む。そうこうする内に明るくなり、雲が去り 雨も上がる 10〜15分程度であった。雨があがっても草木は濡れており、足下は滑りやすくなっている、山頂に近づくと登りが急になり、笹の葉を掴んで滑り落ちないようにして登る。

 雲があがってゆく時の景色は素晴らしい。今まで隠れていた山々が顔を出し所々雲をちらばめた飾りをしてその山容を見せてくれる。泉山がすぐ後ろに見える、角ヶ仙の山容もすっきりしていて大変美しい。雨で清めてそのすがすがしい容姿を見せてくれた。自然は実に色々な面を持っており面白い。

 山頂には登山道のとりつきから約55で到着。

 山頂でずぶぬれの状態を記念写真をとろうとカメラを出すと、くるんでいたビニールに雨が入って少しカメラが濡れていた。それにかまわずシャッターを押したら、どこかショートしたらしく速写状態となりそして音がしてカメラが動かなくなってしまった。実に残念である、この美しい自然の姿をカメラに納めたかったが。

 昔のカメラは電子部品はほとんどなかったから、少々濡れてもそう問題が無かった、今日のものはすぐ問題が発生する。機能は優れており色々な事は出来るし、教えられた機能は確実にこなす優等生ではあるが繊細で虚弱な体質となってしまっている。我々もそうした優等生を作り出すべく努めている。少し前提が変わったとき果たして対応出来るのであろうか?予測される前提に対応する事で付加価値を付けてゆく事も必要に思う。

 下山は滑らぬよう注意し、蟹の横這い方式で降りてゆく。先ほど水が出ていた所ももう水はない。美しい山容を眺めながら足を運んだ。山頂から駐車している場所まで約40分であった。



アプローチ
 国道53号から津山を越えてから県道6号に入り、美作加茂で先週同様黒木ダム方面に曲がってしばらくしてから越畑方面の案内に従い道を左にとる。道は次第に細くなり、一車線の林道となる、対向車はめったにないが、交差出来る場所を頭に入れながら進む。越畑キャンプ場を目指してゆく。