大山三鈷峰 紅葉と初雪


標高 1516m    難易度 ☆☆     登り130分(砂すべり) 下り80分(宝珠越え)   鳥取県
倉敷からの距離   147Km        登頂日 ’96/10/27   ガイドブック 

大山寺駐車場10:07−大神山神社10:22−元谷10:45−砂防提最上段11:15−尾根分岐11:50−12:15大山三鈷峰山頂12:55−1550m13:10−ユートピア13:15−尾根分岐13:27−大山寺駐車場14:38

登山
 大山三鈷峰(だいせんさんこほう)1516mは大山の稜線に連なるピーク、大山の紅葉を楽しみながらの登山となった 大山山頂には初雪が積もり一段と興を添えてくれた
 知らずに砂すべりを登ってしまった

  ガイドブックに従い大神山神社に行き、登山道に入る 大山登山道の元谷コースの途中から下宝珠越登山道への案内に従って進む 進んでいるうちに道が怪しくなる、大山登山道に比べ登山する人が殆どいなくルートも明確でないのだろうと一人合点し、なんとかルートを見つけ進む ルートは林道を横切り進むコースである しばらく進むと林道に出る 這うようにして林道に這い上がるそのまま進むにはルートが怪しい しかし、どうも良く解らない しょうがないとばかり、元谷に向かう ガイドブックの下りのコースに元谷に降りるコースが紹介しているので 逆コースで登ってみようと進む

 元谷には大山に登る人や元谷の景観を楽しむ人でかなりのにぎわい 観光案内板の案内図にはユートピアから降りてくる通称「砂すべり」のコースは書いていない 人はいるがどうも聞いてもわかりそうもなさそうなので1/25,000の地図を頼りに進む しばらく進むと元谷のガレ場に向かって登ってゆく道をみつけそれに従って進む 元谷をこうして登るのは初めてである 大山の裏手と言うのか 岩峰がそそり立ち すごい景観である 下を見ると紅葉 上を見るとそそり立つ岩峰で 雪が積もり すごさをさらに強調してくれる

 そうこうしていると 写真を撮影している人に出会った この道を進めばユートピアに出るのですか?との問いに この先は無理だよ,降りるルートであって登るのは難しい 砂すべりと言って足下がズズズと滑る状態なのでとても登れない との事 下宝珠越ルートを見つけそこねしょうがなく逆を行こうとしたのだが・・ 下宝珠越ルートは中原スキー場から行くと間違いが無く行ける と親切に教えてくれた ここで断念するのは残念なので行ける所まで行ってみようと進む

 防砂提の最上段に着く 中年のご夫婦がシートを引いて休んでおられた 地元の人で大山には登った事はない との事 紅葉がきれいなのでここまで来た 雪は昨日降ったもので初雪と伺った これから先,行けるかどうか解らないが行けるとこまで行ってみますと言い別れる

 だんだんとガレ場が厳しくなる 「砂すべり」と思われる所に来た 幸い雪が降り砂が凍り着いている 触媒が固着した状態と似たようなもので,まったくくずれない,何が幸いするかわからない 降りてきた人の足跡であろうステップ状に続きその上にうっすらと雪が積もっている 足跡を頼りに登ってゆく 登りもだんだんと厳しくなる 滑らないように足元を確保し一歩一歩進む 足跡がわからなくなりルートを見つける事も大変になってきた ルート変更も容易ではない トラバースは難しいので移動しやすい場所に降りてゆきルートを探す かなりの傾斜である 写真で上手く表現出来るかわからないがパチパチ写真を撮りながら進む 何度かルートを変え登ってゆく どのルートが正しいのか解らない そうこうする内に先に進む事が難しくなり、これ以上は危険と思いついに登頂を断念し下り始めた 下るのも大変である 慎重を要する おしりをつけ出来るだけ支点を確保する必要がある 来たルートを戻るのは大変なことだと思いふと左手を見るとロープがある! ついにルートを見つけた! この喜び 早速ロープにとりつき進む 進んでいると下ってくる人に出会ったこの先はもう容易なルートで分かり易いとの事 一安心である

 なんとかルートにのり大山三鈷峰に 山頂の景観は素晴らしい 大山縦走路から大山が見渡せる 烏ヶ山は大山の岩峰の厳しさに圧倒され穏やかな山容に見える 甲ヶ山のガレ場がまともに見える 足下には紅葉が一面に広がる 大山に向かって右手はガレ場で厳しい景観も目に入る また日影に当たる樹木は樹氷を形成している 日が当たる所との差があまりにもある 自然の厳しさであろう ルートには多くの人が来ており 人気のルートと言える 大山の景観が惹きつける魅力なのだろう

 大山三鈷峰からユートピア小屋を通り、1550mのピークに登ると大山の違った面を眺望する事が出来る まだ先1636mまで登頂可能なようであるが大山縦走路は尾根が痩せて危険との事なので1550mで引き返す事とした

 下りは元谷には降りず 下宝珠越ルートを行く 時々カラカラカラと落石の音が聞こえる 大山三鈷峰のガレ場からの落石のようだ どのような理由で落石するのか解らないがこうして落石が続くようでは山の姿が少しずつ変わってゆく事であろう 下るにつれ紅葉が鮮やかになる 黄色が主体だ 今日は一日中太陽の日射しに恵まれ紅葉が美しく光輝いて見える

 ついに大神山神社からの登山道の分岐にきた ルートを示す案内板の位置が悪く、間違い易い 多くの人が途中まで行き引き返しているのだろうか はっきりとした足跡がついている ここは要注意である 思い切って左方面に進むと良い 山頂まできちんとしたルートがついている事も重要な情報となる ルートが怪しくなったら,はっきりしている所まで戻る事である

  
アプローチ
 国道180号、181号を経て大山寺へ 新見5℃ 千屋4℃と冷え込んでいる大山の桝水ヶ原は13℃であった 明地峠を越えると大山の景観が目に飛び込んでくる 大山山頂は雪景色である、雪景色にお目にかかれるとは思わなかった 大山三鈷峰はその近くなので期待に胸がふくらむ

 桝水ヶ原からの大山は、山頂は雪景色裾野は紅葉で実に美しい 紅葉と雪景色の調和はなかなか良い 冬と秋がその美を競っているかのようである すでに沢山の車がきていた 道路は駐車している車で一杯 やっと大山寺の駐車場に着く 丁度1台が出た所でその後に駐車出来幸いであった 駐車場のオバサン曰く 今日ぐらいは沢山来てもらわねば困ると大忙しであった 


 帰路 大山寺から桝水ヶ原を廻って帰ろうと思っていたが 大山寺駐車場付近は登ってくる車で大渋滞 桝水ヶ原方面の車はほとんど動いていない この状況ではどれだけ時間がかかるかわからないので昔の大山有料道路を米子方面に降りる事とした 登ってくる車々がずーと続いている 紅葉と初冠雪とのコントラストを見にやって来たのだろう そう言えば,ヘリコプターが上空を随分と旋回していた ニュースで知り,近くの人がドーと押し掛けてきているのではないだろうか ラジオでも初冠雪のニュースを流していた 昨年より5日早いとの事 あれこれと実にラッキーな1日であった