大山三鈷峰 天狗ヶ峰に向かうが・・・


標高 1516m    難易度 ☆☆☆     登り120分(宝珠越え) 下り105分(宝珠越え)   鳥取県
倉敷からの距離   147Km        登頂日 ’97/04/27   ガイドブック 

駐車場9:50−10:05大神山神社−10:25下宝珠越−11:25上宝珠越−11:40尾根分岐−11:48三鈷峰山頂12:10−12:20ユートピア−12:42天狗ヶ峰手前ギブアップ−13:05ユートピア−14:10下宝珠越−14:30大神山神社−14:45車

登山
 大山三鈷峰(だいせんさんこほう)1516m天狗ヶ峰(てんぐがみね)1636mは大山の稜線に連なるピーク もっとも天狗ヶ峰は昔は広くケルンもあった由であるが現在は崩落して稜線のコブにすぎなくなっている由

   大神山神社に向かう 参道にはミヤマカタバミと思われる可憐な白い花がスミレと一緒に出迎えてくれる あちこちに群生しており さすが規模が大きい

 神社でお参りをした後登山道へ 前回は下宝珠越えへ曲がる道を間違えたが 今回はその点はベテラン 迷わずルートを進む 道は次第に急になり木の根に掴まりながら登る 多くの人が掴むのであろう 木の根も磨かれてピカピカになっている 一汗かいた所で尾根に飛び出す

 尾根筋は快適である 昨年訪れた時の紅葉の残像を落葉した木々に写す これらの木々はこれから芽を出し秋には美しい彩りを装うのかと思うとあまりにも大きな変化にとまどいを覚える

 しばらく行くと木々の間から大山の北壁が目前にせまってくる カラカラ ゴロゴロと絶えず音がしている 落石の音である 北壁を良く見るとあちらこちらで雪面が削れ 落石した状態が伺える また石が転がっている状況も目にする事が出来る 雪解けに伴い落石が生じているのであろう こんなにも沢山の石が落ちているとは想像もしていなかった

 下宝珠からアップダウンを繰り返し 所々厳しい道をロープに頼ったりしながら進む 鳥取の高校生が団体で登山に来ているのに出会う 尾根道が狭いので交差出来る所で相手が通り過ぎるのを待つ 何人とすれ違ったのであろうか しばらくして付き添いの先生であろう 私が最後です と挨拶して過ぎていった かなりの支度をしており テントを張り山の中で泊まったのであろうか こうした時期にきちんと基礎をやっておく事が出来うらやましく思う そうこうする内に今度は鳥取大学のパーテイ 人気のコースであり多くの人が楽しんでいる

 涸沢には雪が残っており 前の人の足跡を頼りに滑らないよう足元を確保しながらトラバースする 緊張する一瞬である 雪はかなり柔らかくなっている また、雪のある所もごく一部であるのでアイゼンの着装はせずに進む 約2時間で大山三鈷峰山頂に

 山頂からの眺望は実に素晴らしい 日本海の方は薄ぼんやりしていたが大山を中心とする山容は素晴らしい あちらこちらにすでに登った山を伺う事が出来る また、山頂をしばらくの間独り占めであった事も更に楽しさを増してくれた 汗でぐっしょりになった下着を着替え 冷たい麦茶で一息入れ 実に爽快である

 山陽新聞社が発行している「大山」という本を購入し写真を楽しむと共に登山コースの案内を読むと 大山三鈷峰からユートピアを通り天狗ヶ峰更に剣ヶ峰に行くコースが記載してある ガイドブックに利用している「鳥取県の山」には大山三鈷峰の記載はあるが剣ヶ峰の記載は無い 難度が高いのであろう行ける所まで行って見ようと稜線上を登ってゆく

 ユートピアには避難小屋がある 写真によると花の時期は一面花で埋めつくされるようであるが まだ時期が早く 蕗のとうやショウジョウバカマなどが散見出来る程度で花は少ない そこを少し登ると象ヶ鼻である標高は1550mで三鈷峰の1516mを越えており三鈷峰が足元に見える そこから東に下ってゆくと振子山から野田ヶ山を経由して大休峠に出るルートが続いているのが見える

 象ヶ鼻から更に先に進む 稜線は切り立ち 谷から吹き上げてくる風が急に吹いてくる それまで無風状態であったのが突然の風なのでビックリする 降りてきたご夫婦に出会う この先はどうですかと聞いた所 痩せ尾根があり風が吹くと怖い感じがする そこを過ぎてコブがあるところでは足元が柔らかく心配なので戻ってきた 先に進んでいる人もいましたがとの話 手強そうである

 話に聞いた痩せ尾根に来る 両側は切り立っており特に東側はするどい 西側は切り立っているとは言え灌木などがある しかし足を滑らせたら大変である痩せ尾根には木の根が出ていたりして歩き難い 一歩一歩が慎重になる 幸い強い風も無く無事通過する 話に出たコブの所 狭い道であるが木の根が出ておりそれに掴まり登る そこから先は更に大変 後ろを振り返ると急な斜面に立っている状況がわかり足がすくむ 周辺に掴まるものは無い これ以上進んだら戻れなくなる ここにて先に進む事を断念し はいつくばるようにして一歩一歩降りてゆく

 戻ってきたら 先ほどのご夫婦は象ヶ鼻の所でこちらの状況を見ていたようでコブの所は越えましたねと一歩先に出た事を誉めて?くれた 天狗ヶ峰を見上げるとそこを降りてくる人がいる とんがった山頂とその人がシルエットのようにくっきりと見える 見るからに急峻であり怖くなる 余程経験を詰んだ人なのだろう 周辺の人からも根性があるなと賞賛の声が聞こえる

 下りは上宝珠越から元谷への砂すべりを行けばあっと言う間に着いてしまうのではあるが 落石の音が鳴り止まない 聞くと雪も結構あり 落石より雪で滑る事の方が心配だとの話も聞いたので 砂すべりに降りずに来た道を戻る

 カメラは登りは景色を撮る為 広角レンズとし 下りは花を狙い200mmのレンズにはきかえチャンスを狙う 蕗のとう ダイセンキスミレなどを撮る 紫色のスミレに混じり白いスミレも まだ時期が早いのか花は多くなく 大神山神社周辺が一番であった

  
アプローチ
 国道180号、181号を経て大山寺へ 国道180号を千屋の先に行くのは今年初めてになる 剣森山や剣山のするどい山容が顔を出す 花見山も懐かしい 明地トンネルを過ぎると鳥取県であり大山が前方に見える まだ残雪がある