大山三鈷峰 台風で荒れた砂すべりを降りる


標高 1516m    難易度 ☆☆☆    登り120分(宝珠越) 下り80分(砂すべり)  鳥取県
倉敷からの距離   147Km        登頂日 ’97/08/10   ガイドブック 

中の原スキー場9:45−ゲレンデ頂上10:02−宝珠山山頂10:17−下宝珠越え合流10:21−上宝珠越え11:15−ユートピア分岐11:35−11:43大山三鈷峰山頂〜ユートピア〜ユートピア避難小屋13:00−上宝珠越え13:20−砂すべり−元谷14:00−中の原14:20

登山
 大山三鈷峰(だいせんさんこほう1516m)も5度目になる 中の原スキー場から宝珠山経由で登り、帰路は宝珠沢の「沢すべり」を下りた 2週間前の台風9号の影響で沢が荒れており冷や汗をかいた

 ナンゴククガイソウは紫色の花を咲かせておりあこがれのユートピアを満喫する事が出来た

 大山寺周辺の賑わいに比べ中の原に来ると人はまばらになる 中の原スキー場の緑がまぶしく映える ゲレンデの脇で彩やかなオレンジ色のコオニユリが迎えてくれる スイランと言うのであろうか 黄色の花もまた緑に映える ゲレンデの急な登りも緑に囲まれまた花の出迎えを受けあっという間に過ぎてしまう

 今度はブナ林の木陰 吹き抜ける風はどこでこれだけ爽やかになるのかと自然の不思議さを感じさせられる 宝珠山の道は結構花が咲いている 特徴のあるヤマジノホトトギス ブルーの澄んだ色の可愛らしいソバナが入れ替わり立ち替わり顔を出す ひっそりと地味なオオカニコウモリ 目立たないがまとまって咲いているホツツジ 宝珠越えのルートはこうした花の歓迎に加えて、目前にせまる大山北壁やこれから登る大山三鈷峰の景観が素晴らしい 花を撮ったり景色を撮ったりで忙しい こうして訪れる回数を重ねているが 新たな発見があり、写真の枚数は増加傾向にある ついパチパチと撮ってしまう

 標高が高くなるにつれヤマジノホトトギスやソバナに替わってピンク色を基調としたシモツケソウが迎えてくれる 険しい山肌に淡い色合いの花が咲いている姿はいとおしさと同時にたくましさを感じる ホソバノヤマハハコは群をなしガレ石の中で花を咲かせている姿は力強い 目立つのはエゾノヨロイグサである(先月はまだ花が開いていなかった)白い花火が開いたように幾何学的な美しさを誇示している

 上宝珠越えを過ぎるとまた花が変わり ナンゴククガイソウが顔を出す ユートピアが楽しみである 沢に出ると道が荒れており迂回して越えるようになっている 途中で一緒になった方が 先々週の台風9号の後に来たら、鉄砲水が出たのであろう道が崩れていたとの話 上を見ると鉄砲水で押し流された傷跡が山肌に刻まれておりそのすごさがわかる また、砂すべりを降りたところ途中で崖になっており大変であった でもなんとか降りたとの話も伺った 時間が経てば落石で従来のようになるのだろうと簡単に受け流していたが帰路は大変であった

 大山山頂に雲がかかっており眺望が充分得られない点残念でわあったが その替わりその雲により夏の直射日光が遮られ 加うるにどう表現したら良いかわからない程の心地よい風が吹き 実に快適であった ユートピア周辺には花がいっぱいであちこち目移りがする 花を楽しむのは後にしてまずは大山三鈷峰山頂へ 登る途中にシモツケ シモツケソウ キュウシュウコゴメグサ ダイセンオトギリ ダイモンジソウ トモエシオガマ イヨフウロ ナンゴククガイソウなどの花々が咲き競っていた 山頂で一休みしたあと これらの花々をゆっくりと楽しみながら写真に撮る

 名前を知っている花は少ないので写真が出来てから花の本と見比べて記載している シモツケやシモツケソウは先月も美しい花を見せてくれたが今月は更に広範囲に咲いている 一つ一つの花も美しいが緑の中であちこちにピンク色の縞模様が出来ている姿も写真になる 先月咲き競っていたオオバギボウシは花の時期はすでに終わり緑の実を付けていた 初々しい穂を出していたナンゴククガイソウは穂の先に紫の穂状花弁を咲かせ又一段と生育していた

 ユートピア周辺のお花畑はこうした花々が群落をつくり緑のキャンバスに色々な色や形を与え楽しませてくれる ナンゴククガイソウの紫 シモツケやシモツケソウのピンク サラシナショウマやオカトラノオの白 など エゾノヨロイグサは背が高いのでひときわ目立つ ユートピアの名前にふさわしいお花畑である だが、こうした時期もあと数ヶ月で跡形も無くなってしまうのかと思うと 今を盛りに自然を謳歌している草々にあわれみを感じ,またそれだけいとおしくなる

 去りがたいユートピアを後にして下る 上宝珠越えから砂すべりを降りる 何人かのパーテイーが下る準備をしており お先にどうぞとの事で ではと降りてゆく 登りで砂すべりが荒れているという話をすかっり忘れ 前回快調に降りた記憶で降りていったが すぐにその言葉を思い出させてくれた 細かい砂や小石は大雨で流されてしまったのだろう ごつごつとした感じが目立つ 足元に注意しながら降りてゆく その内2m余りの崖に出くわし困惑した ルートを迂回し降りやすいルートが無いか探したが下手に動くと足元から崩れ落ち動く事自体容易では無い 戻るに戻れない 幸い水が流れている所は堅く締まっており(堅く締まっていたから崖が出来たのだろう)そこに足場を求めなんとか下る 手で支えた岩石の固まりが崩れたら大変な事になったと思うが 幸い乗り越える事が出来た 他の人はどうやって乗り越えてきたのだろうか 下山禁止の標識も無かったし私がやったようにして降りてきたのだろうか 別のルートがあったのだろうか

 沢に出た所で登りに出会った方と再度出会う 左手に廻ると降りやすいが見つけるのは難しいだろうなとの事 また中の原で女性のパーテイーに出合い 聞いたら 砂すべりを降りてきた由 たまたま年輩の方がおられルートを教えてくれたのでなんとか降りる事が出来たが そうでなければどうしたら良いかわからなかったでしょう との事 先ほど出会った方なのであろう 兎に角無事に着く事が出来ました

 元谷から自動車道を下り 上の原の案内に従って進むと中の原スキー場のゲレンデの途中に出てくる ゲレンデを一気に下る


アプローチ
 台風9号と虫歯の治療で3週間振りの山行きである いつものように180号を行く 大山は夏山登山で相当の賑わい 中の原スキー場に駐車