雪の大山三鈷峰 振子山・野田ヶ山に降りる


標高 1516m    難易度 ☆☆    登り120分(宝珠越) 下り170分(川床へ) 道路30分  鳥取県
倉敷からの距離   147Km        登頂日 ’97/11/03   ガイドブック 

中ノ原スキー場9:48−大神山神社10:03−下宝珠越え合流点10:25−中宝珠10:45−上宝珠11:28−ユートピア分岐11:37−11:47大山三鈷峰12:07−ユートピア分岐12:17−ユートピア上12:21−振子山12:51−親指ピーク13:10−野田ヶ山13:28−13:53大休峠14:00−川床14:55−中ノ原スキー場15:25

登山
  大山三鈷峰(だいせんさんこほう1516m)に雪が降り冬支度が始まった 紅葉の時期に振子山(ふりこやま1452m)野田ヶ山(のだがせん1344m)〜大休峠〜川床のコースを歩いてみたいと思っていたが雪となってしまった

 中ノ原スキー場はすでに雪に覆われている 積雪数センチ程度だろうが真っ白である 雪の上をサクサクと気持ちの良い音をたてながら登る

 先週尋ねた下山神社,大神山神社を通って下宝珠越えルートを行く 紅葉はピークを過ぎた 今日は天気が良く青空で充分太陽光線が降り注いでいるが紅葉の輝きは無い 下宝珠越え登山口入口はあんなに素晴らしかった下草の紅葉も終わりそこに雪がうっすらと積もりすっかり様変わりしてしまった 山から降りてくる人に出会ったので雪の状況を聞く 大山三鈷峰はアイスバンで登れない ユートピアで引き返してきたとの事 少なくともユートピアまでは行ける事がわかり一安心する

 下宝珠越えルートの尾根に出るとそこにはもう雪が積もっている 風に吹きさらされている所ではアイスバン状態になっている 太陽が当たっている場所は溶けて地肌が現れている 登るにつれ雪が多くなり傾斜も厳しくなってくる 中宝珠越えで軽アイゼンを着装する ちよっとした装備であるがアイゼンの爪が雪に食い込み安定感が格段と異なる

 尾根から顔を出す大山三鈷峰や大山北壁の勇姿が素晴らしい 見慣れた景色ではあるが、雪化粧をした姿は一段と魅力がある ナナカマドはまだ赤い実を残しており赤い実の背景に白い山肌 季節のバトンタッチが行われている

 心配していた大山三鈷峰へのアイスバンは気温の上昇により溶け 問題無く山頂に立つ事が出来た ただ,ルートが雪解け水でぐしゃぐしゃに 天候は久々の好天で素晴らしい眺望が得られる 大山には雲一つ無く 北壁の勇姿が目前に広がる 何時もはかなり先に見える烏ヶ山もすぐそこに見える 雪が積もっている様子が伺える 帰路のルートである振り子山〜野田ヶ山のルートも雪で覆われている 矢筈ヶ山と甲ヶ山も雪が見える 甲ヶ山のガレ場も随分と近くに見える 日本海の海も青々として輝きこれも美しさを増幅させてくれる

 花々で賑わったユートピアにも雪が覆っている 雪は花々を覆い被す冷酷非情なものなのだろうか? いや、来春になると花々がまた勢いを取り戻す姿を思うと雪は彼らにとって地表の熱を覆う真綿の布団なのであろう 雪の下に潜む強いエネルギーが感じられる

 今日は雪にもかかわらず多くの登山者が登ってきている 30〜40名の団体にも出会った 高齢に見えるがアイゼンを付けしっかりした足取り 昨日は三瓶山に登った 大阪から来たとすれ違いながら言葉を交わす そうかと思うと 突然犬が現れる 襲われたらと心配がよぎったが顔を良く見るとやさしそうな顔をしている しばらくしてから飼い主が現れる 始めてのルートなのだが犬がどんどん先に行ってしまうのでと言いながらやってきた アイゼンなしで登ってきている

 ユートピアの上部にも人が多く尋ねており 大山の雪景色を楽しんでいる 天狗ヶ峰にも登っている人が見える 帰路はユートピアから振り子山方面に降りてゆく 大山北壁も角度を変えて見ると色々な形が楽しめる 岩峰の厳しさが雪でさらに強調して見える

 親指ピークは太陽に照らされ雪は溶けてしまっていた そそり立つピークは魅力がある 木々が紅葉で彩っていればもっと素晴らしいだろう 来年に期待しよう

 大休み峠もかなりの賑わい ここは矢筈ヶ山や甲ヶ山への分岐点でもある テントを張っているパーテーもいる 中ノ原で出会ったパーテーに大山三鈷峰の雪の状態を尋ねられた 彼らは今夜大休み峠で泊まりそれから登るとの事 テントで泊まるのでは相当冷え込むのではと思うがそれも楽しみなのかもしれない

 川床周辺の紅葉はまだ名残を留めている 川床から大休み峠のルートはブナ林を多数見る事が出来るのでこのルートの紅葉も期待される 


アプローチ
 いつものように180号を行く 酒津の高梁川沿いから霧が出ておりいつもより濃い 新見の気温は2℃とやはり相当冷え込んでいる 新見を過ぎると不思議と霧が晴れ青空が顔を出す 千屋では青空の元であったがやはり2℃ 明地トンネルを越えると前面に雪をかぶった大山が現れる 雪化粧の大山は良く似合う これから登るのかと思うと身が引き締まる思いがする 今年の初雪は昨年同様10/27であった由 

 桝水ヶ原にはすでに車が相当来ておりかなりの賑わい 気温は12℃とかなり上がってきた 桝水ヶ原から大山寺沿道の紅葉はまだ楽しめる 大山寺の沢からは雪と紅葉を楽しむ事が出来る 中ノ原スキー場の空地に駐車


 帰路の大山寺からの道路は大混雑 車が流れていると思って大山循環道に入ったが桝水ヶ原の手前で動かなくなり 途中の道から脇に抜けどこをどう走ったかわからないがなんとか国道に出る事が出来た 大山牧場?の脇を走った所で見えた大山は桝水ヶ原からとひと味違って見え富士山のようであった 今日は充分に楽しませてもらった