桜尾山



標高 957m    難易度 ☆☆☆     登り85分 下り45分   岡山県

倉敷からの距離   109Km        登頂日 ’98/06/07   ガイドブック  


 駐車位置9:56−10:10標識−10:15引き返し−10:22取り付き−10:40草原10:50−10:55笹原−11:00小ピーク−11:30山頂11:55−12:11小ピーク−12:25林道取り付き口−12:38駐車位置

登山
 桜尾山(さくらおうざん957m) 岡山の山百選に記載の山 岡山県加茂町と兵庫県智頭町との県境に位置する三ツ星の山

 幸い近くで農作業している人がいたので山と登山ルートを聞く ここからでは説明しにくいのでと言い親切に単車で百メートル程登った地点まで行き あそこの反射板が見える山がそうだ 登山ルートは道が無い そこに見える草山に取り付き尾根筋を行けば山頂に行けると教えてくれた 話を伺うと,道が無いが山菜取りなどにに行く ひどいヤブ山では無さそうと判断 桜尾山の事をたびたび聞かれると不思議な顔をされていたので ガイドブックに紹介されているからでしょうと言うと納得した様子であった ガイドブックを参考に登ってきている人がかなりいるようだ

 説明を伺って目的の山も分かったしルートの感じも掴めた 早速出発 だが林道の入口を一つ手前の道に入ってしまった すぐに行き止まりで畑への取り付け道路であった 間違っているようなので引き返し 少し登ると道路の中央線が消え道幅が少し狭くなる地点に林道がありそこを登る ガイドブックに「土石流危険渓流」の標識があると記載されているが その標識は見つけられなかった

 林道を登ってゆく 道路の脇には側溝を少し広くした感じで渓流が流れている かなりの水量でありゴウゴウと言って流れている

 10分程で行き詰まると記載があるが 10分少々登った所に標識があり「平成5年間伐強化促進対策事業」として拡幅工事が560mにわたってなされたと記載されている ガイドブックでは94年に登っているのでどうも様子が違う そう思いながらもそこから少し登った地点に取り付き点のような感じの場所があるが草がぼうぼうで小径のかけらも見えないのでそのまま林道を登ってゆく

 林道は目的とする山とは離れた方向に向かっている様子だが 山ふところに入り全体が分からないので更に登ってゆく 5分程登ると先ほど説明を伺った草山が背中に顔を出し 明らかに方向が違う事が分かり戻る 草山になんとか取り付ければ良さそうなので先ほどの「・・対策事業」の標識よりさらに下まで下がり取り付き口を探すがヤブが深く またその前に渓流があり進むのは困難なので また登り 先程の草ぼうぼうの取り付き口らしい場所に踏み入れる

 入口は草ぼうぼうで足元は見えず 倒木が散らばっており注意して歩く 数十メートルで渓流があり左手は杉の植林になっている 渓流沿いを少し登っていったがルートが取りにくいので 杉の植林の急斜面を登り なんとか左手の草山にアプローチ出来ないかと進む 急斜面を登り尾根に出るとかすかに踏み跡が見える これはしめたと踏み跡をたどり尾根筋を登ってゆく 杉の植林の足元にはギンリョウソウがあちこちに顔を出していたが楽しむ心のゆとりが無い

 20分程すると植林の中の尾根沿いのルートは険しくなってきた 植林の中から出るとそこには草山が目前に現れていた 飛び出した位置には大きな松の木が一本あり良い目印になる そのポイントを良く頭に焼き付けて先に進む 少し進むと草原の中にカノコソウが咲いていた オミナエシに似ている淡いピンク色の花 こんな所でこのような花に出会えるとは実にラッキーである 大喜びで写真を撮る

 取りあえず第一目標の草山に到着した 草の中を登ってゆくと今度は笹原 笹の背丈も次第に伸び深い所では肩口までになる 浅い所を選び登ってゆくとピークに出る もうガイドブックの記載は役に立たない 勘を頼りに進む道を決める 山頂はもう少し左手の様子(自分の位置が特定出来ないので方向もエイヤ 先ほど伺った知見が頼り)と決めそちらに向かう

 笹の背が高くなり進むのが困難になってきた 左手に杉の植林があるのでそこに入る 当然飛び込んだ場所にはテープで目印を付け 戻れるようにして進む 植林の中は歩き易いがどちらに進んだら良いのか ここが思案のしどころ 左手方向の尾根を選び登る どこにでも歩けるのも目印を設定するのが難しい そう植林の範囲は広くないので状況を頭に入れ先に進む

 今度は笹や下草などのブッシュ そう歩行は困難では無いがこのルートで良いのか不安でいっぱいである テープの目印は間隔を狭くして進む テープを付ける時はまず軍手を外し,ポケットからテープ取り出して引きちぎり小枝に付け,テープを戻す そしてまた軍手をはめる この繰り返しをしながら進むので結構時間がかかる

 11:14笹の背丈大とメモ書がある 笹が背丈ほどの高さになりそれをかきわけて進む 根曲がり竹ではないのでかきわける苦労は雲泥の差で楽ではあるが 身体が埋まってしまうのは方向が掴みにくく不安である 笹の深い所はほんの数分であった

 山頂に近くなると尾根の起伏が不明になり ブッシュもひどくなる 良く見ると人が歩いた跡のような形跡があるのでそこをたどる 尾根の起伏が目印とならないのでテープの目印は更に間隔を狭める

 やっと目前が明るくなり山頂のようだ 首を伸ばすと反射板が見える ヤッタ山頂に到達出来た 不安は喜びに変わり大きな充足感を得る事が出来た

 山頂にもカノコソウが咲いていた 疲れをいやすように微風にゆれ迎えてくれたまた アマドコロも咲いていた

 山頂からの眺望はガイドブックには申し分なしと記載があったが 俯瞰出来るのは北面だけで 近くに900m級の山があり遠望がきかない 那岐山は南に位置するが木に隠れ見えない

 むしろ途中の草山のピークの方が眺望が得られる 後山や日名倉山と思われる山々を望む事が出来た

 ブッシュの中でヤマツツジがオレンジの花を咲かせていた こうした中で見る花は余計可愛らしくうつる

 くだりは30分で林道取り付き口に出た ルートがわかってしまえば難しい山ではない



アプローチ
 国道53号線を進み津山を過ぎてから県道6号線に入る 天狗寺山や矢筈山などで尋ねたコース 今日は更に先に進む 因美線と別れると物見の集落に 集落を過ぎて物見峠に向かう ガイドブックに大きく左にカーブしてから300mの場所と記載 道路の中央線が消える地点が丁度林道の入口 林道入口の道路脇に駐車