籠山


標高 905m    難易度 ☆☆☆    登り175分 下り135分 (内ヤブコギ130分) 鳥取県
倉敷からの距離   122Km        登頂日 ’99/12/04   ガイドブック 

駐車位置10:21−10:46未舗装−11:04車道終点−11:08鉄骨組堰堤11:12−11:46ピーク=軽いミス−12:00尾根分岐−12:15コル−12:30手前ピーク−13:05山頂13:35−14:05コル−14:30ルートミス=14:38尾根分岐−14:46ピーク−15:11堰堤−15:15車道終点−15:30舗装−15:50駐車位置

登山
 籠山(かごやま905m)は鳥取県智頭町の山 相当なヤブコギを強いられるとガイドブック「中四国・兵庫の山百選」に記載があり この時期を選ぶ 三つ星の山

 登山準備していたら集落の方が通ったので 籠山へのルートを確認する あそこからも ここからもとあれこれ教えてくれる あれこれとルートがあるようであれば開発が進んでいる可能性がある 別れ際に随分濡れるよ との一言で ヤブコギは避けられないようだ 惣地なら車でまだ行けるとアドバイスを貰ったが 標識に惣地0.8Kmと記載があり 先へ行って駐車位置を探すより歩く事を選び お礼を言い出発

 谷川沿いの道を登ってゆく 天気が良く 心地よい日射しですぐに汗ばんでくる ところが山影に入ると気温がぐんと下がり 素手では冷たく感じられる 日当たりと日陰ではこんなにも違うのかと驚かされる

 右手には籠山の山並みが見える 尾根筋は光って見える 登って分かったのだが笹原である ルートがついていればそう難しい山では無いがヤブコギで随分と鍛えられた

 登る途中で散歩中のおばさんを追い抜く どちらにと話かけられる 籠山へと話すと 一人で行くのかと 猪や熊が心配では? との事 熊はここらではいないでしょう 猪には出会うかも知れないが と話すと あっさり そうね との事 早速鈴を付けて用心をする

 ガイドブックに記載のとおり 鉄骨組の堰堤に出る 堰堤の上に出て対岸に渡る と 記載されている 堰堤からどれ程上かわからない 堰堤の対岸は傾斜が急でルートがありそうもないので 更に上に登ってゆくが どうやら迷い道らしい 対岸に渡る適当な場所が見つからないので また戻り 堰堤で対岸に渡り 探すと 急な斜面にルートらしい跡があるのでそこを追う 少し登ってゆくとルートは明快になってくるが登り口はわかり難い 帰路 登り口の桧に赤テープを巻いておいたので良いマークになるだろう

 わりと急な登りである ジグザグにルートをとり 高度をかせぐ 所々に分岐があるが 上に登ってゆくルートを選ぶ やがて右手に籠山の稜線が見えてくる なだらかな稜線であるが最後がきつそうだ ガイドブックによると コルの標高が734m 山頂が905mなので標高差170mのヤブコギが待っている ここから見る稜線はやさしく滑らか

 ジグザグのルートから直登気味に登ってゆき尾根筋に出る ルートを更に進むと下ってゆく 山頂とは違った方角に向かう様相なので そのルートを外れ 高い所を目指す すぐにピークに出た 尾根筋にルートがついており そのルートを追う 尾根はクマザサのベルトになっていて その笹を一部切ったルートがある 切り株に注意しながら進む

 だが,数分もしない内にそのルートは消える いよいよヤブコギだ ヤブコギではルートを見失うのが一番恐い 尾根筋をたどる事が出来ればそう心配する事が無い マークを付けながら進むと別なマークがある どうやら先人がつけたマークだ それを追えば良いと思い進むがマークは途中で消える 先人も間違えたのだろうか 山頂も見えないしそのまま進むのは危ないと引き返す

 高い所を目指し進んで行くがどうやら山頂とは反対の方向に行かっている これもおかしい どうやらここは尾根の分岐らしい 山頂に向かう稜線が明確でなく また クマザサに視界を遮られ 方向を掴みにくい 兎に角山頂に向かって進む事に また新たなマークを見つけた このマークは山頂に向かっている 背丈を覆うクマザサのヤブを抜けると山頂への稜線が見え 目標をしっかり定める事が出来る マークを追いながら 新しいマークも付け 戻りのルートを確保しながら進む

 昔の登山道であろうか クマザサの間にルートらしきものが所々見つける事が出来る クマザサは背丈を覆う所もあったが 90%以上は顔を笹の上に出す事が出来 目標を定めて進む事が出来る ところがヤブはクマザサだけではない 楮なのか灌木が生育しており行く手を阻む クマザサであれば手で分け進む事は難しくないが 灌木はそうは行かない 横に木の枝を伸ばし行く手を妨げるもの 足の踏み場も無いほどの所など 結構手を焼かせる 岡山の藪によくある根曲がり竹でない事は幸いである

 コルを過ぎ 最初のピークに出る コルから見ると山頂はすぐそこに見えるがいざピークに立つと山頂までまだまだ道のりがある ここまで30分を越えるヤブコギである やっと登ったかと思った所にまだまだ先があり気力を保つのが大変

 ここからは傾斜が急になり 灌木も増えてくる 視界が制限され目標設定が難しくなってくる 幸い コルに位置する松ノ木が良い目印となり 振り返っては位置を確認 マーキングしながら前進してゆく 進むに当たり 時間制限を付けた ガイドブックの所要時間が90分である事から13時30分までに到着しなかったらGiveUpする事に

 クマザサを掴んでいないと身体は滑ってしまう程の急斜面 手で身体を引っ張り上げ足でささえる ここは結構きつい そうそう記載するのを忘れていたが 幸いクマザサは乾いており濡れていない これで濡れていたら全身びしょぬれ間違いなしでここまで頑張れたかわからない

 そうこうする内に傾斜がゆるくなり 左に回り込むようにしてついに山頂に立つ!

 山頂では遮るものがなにもない 鳥取の市街地が見える 地図を広げ山座同定を楽しむ 扇の山 氷の山はあの山のようだ 那岐山は太陽を背にし逆光の位置 その左手は袴ヶ仙 その左は駒の尾〜後山 三室山が一塊になっている 桜尾山 大ヶ山だろうか那岐山塊の右手に見える 鳥取の左手にはゴツゴツした山が見えるが名前はわからない ヤブコギの山はこの達成感が何とも言えない だが,この山を再度登るか と 問われるとすぐにyesとは言いにくい

 下山は往路を戻る マークをたどりながらコルまできたがコルから尾根分岐でまたルートを失った マークをたどれなかった事が最大の原因 分岐点がわからず ヤブを登ってゆく 尾根に出て視界が見えてきたがどうも様子がおかしい マークを全く見つけられない事もおかしいしコルから分岐まで登りとは言え随分と時間がかかっているし山頂の見え方が違うどうやら尾根分岐を過ぎ その先を進んでいるようだと判断し 尾根を戻る 戻った所見覚えのマーク! なんとか登ってきたルートを降りる事が出来た

 この山は尾根分岐の所が一番わかりにくい この点充分留意したら良い それにしても往復2時間を越えるヤブコギは相当体力がいる 体重は朝に比べ2.4Kg減少した 集落に出た所で農作業をしている方に出会った 籠山の山頂まで行ったのか 一人でか と また聞かれた そして,ご苦労様とねぎらいの言葉を戴いた

 風呂に入り すねにあちこち打撲傷を受けたような形跡が見られる 灌木で苦戦した勲章か? 今日は随分と達成感のある山登りであった


アプローチ
 429経由で津山53に乗る 日本原は0℃といよいよ0℃の表示を眼にするようになる 黒尾峠凍結の恐れあり滑り止め持参の表示もある 黒尾峠は3℃ 凍結の心配は無く通過 智頭町に入ると左手に籠山が見えてくる 県道6号を左折し2Km程走り,惣地の標識を右折する 舗装道路が切れる所に空地があり駐車可能

 私は惣地の標識がある豊乗寺口バス停近くの空地に駐車させてもらう