思い出多き鷲羽山



標高 133m    難易度 ☆     登り12分 下り11分 周遊20分   岡山県
倉敷からの距離    22Km        登頂日 2001/01/19    ガイドブック    F

駐車場9:07−9:10レストハウス−9:14下津井音頭石碑−9:17ビジターセンター−9:19山頂9:25−9:27第3古墳−9:29第2古墳−9:33山陽自動車道上階段=9:37自然研究路入口−9:39あずまや9:43−9:45第1古墳−9:48山頂−9:51ビジターセンター10:09−10:11三角点−10:17駐車場

登山
  鷲羽山(わしゅうざん133m)は観光地として有名 「岡山県百名山」に紹介されており、記念すべき登山として訪ねる 一つ星

 今日は定年後の初登山 温故知新 新しいスタートを思い出の沢山詰まっている鷲羽山や種松山などを訪ね そこに新しいものが見えないかと期待を込めて訪ねる

 鷲羽山を最初に訪ねたのは学生時代に遡る もう40年の月日が経過した 水島に転勤になり30年を越えた 子供達は皆幼稚園から高校まで倉敷の地で過ごし子供達にとってはふるさとであり 私達夫婦にとっても第二のふるさととなった

 その間 子供達を連れ 親や親戚の人を連れ また出張で来た方を案内に何度鷲羽山を訪ねたかわからない 一番記憶に残っているのは 初日の出を山頂で迎えた事だ 父はもう他界したがその初日の出を迎える意味は父の病気回復を願ってのものであった 戦争の最中に結婚した時 父は74歳まで生きると母に話したと聞いた その父が病床におり74歳の誕生日を迎えなんとしている時であった 願いは通じたものの病に勝てず74歳と10ヶ月で他界した 鷲羽山に立つと念じつつ東の空が明けてゆくのを見やった思いがおしよせてくる

 こうした事を書いていたらきりがない程思い出がある だが95年にこのホームページのレポートを書くようになってから山として対峙するのは初めてだ 中島氏の「岡山県百名山」に記載されたからこそ訪ねる気になった

 駐車場から石段を登り レストハウスのある展望台に出る 展望台の所に出て驚いた ビジターセンターから山頂まで一望に出来る 山火事で松などの樹木が燃えてしまった為だ 黒く焼けた樹木の残骸が痛々しい

 ガイドブックは尾根に沿って登るコースを紹介しているが 尾根を巻く遊歩道を行く 樹木が無くなりこれまでと全く様相を異にする 瀬戸大橋を始め瀬戸の島々を一望の元にする雄大な景観を楽しみながら歩を進める 突端に下津井音頭の出だしの句を書いた石碑がある 「下津井みなとはよ 入り良うて出ようてよ」 その背景に瀬戸大橋の橋脚が続く

 ビジターセンターの横を抜けて山頂に立つ 見慣れた景色ではあるがいつ見ても素晴しい ここを案内したとき丁度日没で 太陽が沈みゆく景観を楽しみ喜ばれた事を思い出した ここは多くの人が訪ねておりそれぞれ多くのインパクトを受けた事であろうから余計な事を書くのは避けたい

 山頂から古墳群を訪ねる 山頂から降りた尾根ルートは倉敷ツーデーマーチ40Kmコースにあたる 古墳には気がつかなかったなと思いながら尾根ルートを行く 第3古墳 第2古墳を過ぎあずまやへの分岐がある あずまやへ向かって進めば良かったのだが足は自然とツーデーマーチのルートを進む 山陽自動車道を下に見て階段の所に出る こちらには第1古墳は無い 間違った事に気付きルートを戻り自然研究路と書いた階段を登るとすぐにあずまやに出る

 あずまやの手前に鐘秀峰の大きな石碑がある あずまやの後には瀬戸大橋の橋脚が正面に見える この下を自動車道が走っている あずまやから山頂方向に進むと更に眺望の良い場所があり瀬戸大橋の橋脚を背景とした景観が広がる ここは今まで訪ねた事が無い 一見の価値がある

 すぐに第1古墳に出る 鷲羽山の古墳群は1300〜1500年前と推定されるとの事 ガイドブックによると18,000年前は海面は現在より100mも低く 瀬戸大橋の橋脚の線が四国と児島が陸続きであった最後の線だとの事 新たな知見に次々と接する事が出来る

 尾根を引き返し ビジターセンターを訪ねる センターを管理している女性の事務員がいろいろと説明をしてくれた 97/2の山火事で周辺の樹木が燃えてしまった この建屋にも火が迫ってきたと火で炙られた跡を見せてくれた 今の禿山の状態が昔の鷲羽山の姿だとの事 岩場で工事が行われていたが焼けた為 岩がもろくなり下の民家に落下する防御工事だとか 尾根のこちら側は国のものだが尾根の向こうはお寺さんのもので駐車場もお寺さんから借りているとか 山頂は米軍の監視場になっていた山頂の下の岩壁に米軍の人が掘った跡があるなどなど

 この状態が昔を留める景観だとの説明から、思いを新たにして景観を楽しむ ビジターセンターを後にし 三角点(三角点がある事も知らなかった)を確認し下山する

 温故知新 随分と新たな知見を得た 幸先の良いスタートだ



アプローチ
 沖新道から県道274の福田老松線を行く 通勤にて通い慣れた道だがweekdayのこの時間を走るのは初めてではないだろうか 高校生の自転車通学風景が新鮮に映る 福田運動公園を左に見て 430を児島に向かう 瀬戸自動車道の入口の表示と一緒に鷲羽山の表示があるがそこは見送り児島ボート場に向かう こちらからの方が鷲羽山の駐車場に行くのに海岸沿いの道を走る距離が短い 初めての方には標識どおりを勧める瀬戸大橋の景観を楽しむには標識に従う方が良い

 児島ボート場から県道21を鷲羽山駐車場に向かう 無料となった駐車場に駐車 トイレ有り