犬墓山 鬼城山



標高 犬墓山443 鬼城山397   難易度 ☆     登り 14分 全工程120分  岡山県
倉敷からの距離    19Km        登頂日 2020/03/03    ガイドブック  写真 動画

鬼ノ城駐車場7:22−7:36犬墓山7:42−7:56分岐−7:56鉄塔#34−8:07方位岩8:10-8:12馬頭観音−8:14分岐=8:15屏風岩=8:17分岐−8:23鬼の差し上げ岩−8:29岩屋寺−8:33分岐=8:37皇の墓=8:40分岐−8:43岩屋駐車場−8:54自動車道分岐−8:57北の吉備路学習の森北口−9:00北門登山口−9:08北門−9:20鬼城山山頂−9:28鬼ノ城駐車場

登山
 今日は犬墓山(いぬはかやま443m)・鬼城山(きのじょうさん397m)を訪ねる

 登山支度をして出発する 駐車場から自動車道を横断した位置に丸太の階段があり そこが登山道入口になっている 入口に岩屋三十三観音の案内図があり三十三観音みちコースの紹介がある 約6.5km 3時間30分とある 今日予定しているのは、このコースを一部ショートカットしたコース
 
 案内板に記載のように観音様が随所にあるので、どれだけ確認出来るかトライしてみよう 丸太の階段を登って行く 早速観音様が顔を出す 十七番と彫ってあるのがわかる ルートはなだらかな登り ウグイスの鳴き声が聞こえてくる 振り返ると倉敷市街地方面を伺う事が出来る

 見覚えのある岩の所に出る 山頂はもうすぐだなと少し先を見ると標識が見える 標識には犬墓山の案内があり 案内に従って山頂広場に出る 前回記載した記録を見ると この岩のすぐ近くに三角点があったとの記載があるが残念ながら気付かなかった

 山頂広場には森林の復元と書いた大きな説明板があり 周辺が切り開かれ テーブルとベンチが設置されている そして鬼ノ城の西門を伺う事が出来る ここで記念写真を撮り 岩屋へ向かう

 ルートの先に小高い山並みが見える その辺りが岩屋だ なだらかなアップダウンのルート 観音様をルート脇に見つける 何番か判別出来ないが案内図を参照すればわかるだろうと 適当に写真に撮りルートを行く 皇の墓ならびに岩切観音に向かう分岐はあったが直進し 馬頭観音へ向かう 二十六番観音があり すぐに鉄塔#34が左手に見える 幾つか観音様が見られるが番号がわからない ネットで調べると一番から三十三番までの写真を表示しているサイトを見つけ 照合してみた しかし、わからないものも結構ある わかったものだけ書いておこう
 
 二十八番観音を見てルートを行くと 大きな石が左手に現れ 方位岩と書いた標識が設置されている 岩の左手から裏手に回りこむようにして進むと岩の上に出る事が出来る コンパスを示すような岩を見る事が出来る 

 岩を見てもう一組番号のわからない石像を見て、馬頭観音に出る 他の観音様より少し大きい 周辺の地形・地質*1)と書いた案内板が設置されており 色々な説明がある 文字起こししておく(この文の末尾参照)

 ルートを鬼の差し上げ岩へ向かう ルートから数歩入ったところにも石像があるのを見てルートを行くと 石像が右手にあり その前に屏風岩の案内がある 案内に従い屏風岩にも寄ってみる 標識に従い左手に少し下る おむすびのような岩を見る事が出来る 往復数分で見る事が出来る

 ルートに戻り 鬼の差上岩へ向かう 三十番と思われる観音様を見て 八畳岩 鯉岩を過ぎる  石像があちらこちらに見られる そして鬼の差上岩の裏手に出る 岩の下を通り抜け、正面に出る 岩の周りに幾つも石像が見られる 今まであまり気にしていなかったがこうして注意してみると結構ある 鬼の差し上げ岩*2)の説明も記載されている

 いつも登る石段を降り 岩屋寺をバイパスして第一番観音のところに出る スモモが花を咲かせていた 岩屋駐車場へ向かう 途中に皇の墓を示す案内標識がある 分岐を入りルートを数分行くと皇の墓に出る 円形広場の中央に墓があり 岡山県指定重要文化財 皇の墓*3)と書いた 説明がある これも文字起こしをしておく 墓のところにも石像があった
 
 皇の墓に出る直前に岩切観音への分岐があったが、寄らなかった ルートを戻り岩屋駐車場へ向かう サザンカが咲き このルートにも石像があった
 
 岩屋駐車場から鬼ノ城へ向かう 案内に従ってルートを行く 一本道 途中分岐があるも合流するようなのでどちらを選んでも問題無さそう 10分少々で自動車道に出る ここを右に行けば良かったが 左手方向に見覚えのあるポイントがあったので左へ進み 北の吉備路 学習の森を抜ける形で 少し遠回りして北門への登りにかかる
 
 いつもタムシバを楽しみながら下るルートを登る 10分も要せず北門に出る 犬墓山登山口にあった三十三観音みちコースでは第二展望所や東門を行き五番観音を見るよう案内しているが 五番観音は先月訪ねているのでバイパスし鬼城山山頂を経由して駐車場に戻る 角楼から犬墓山の山頂広場が肉眼で見えたのでズームで撮ると ベンチを確認する事が出来た
 
 北門からのルートでヒメヤシャブシ*(*は実を意味する) ヒサカキの花芽 ソヨゴ* コウヤボウキ* オオバヤシャブシの花芽 サルトリイバラ* ネジキ* ヤブツバキを見つけた 駐車場には随分車が増えていた 小学校の休校とも関係があるのか子連れの家族も見られた
 
 鬼ノ城駐車場入り口の管理センター前には 国指定史跡 鬼城山(鬼ノ城)*4) 中国自然歩道案内図(古代山城を訪ねるみち)*5) 総社のふるさと自然のみち総合案内図*6) と題した大きな案内板があるので文字を起こしておく

 車載温度は6℃になっていた

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*1)周辺の地形・地質
自然が造るオブジェ
 岩屋周辺には、巨岩・奇石が多い。これは、花崗岩が長い年月をかけて風化し、硬い岩盤層が剥き出しになったためであり、まさに自然が創り上げた芸術作品と言えよう。
 
八畳岩
 昔の人は、その岩の巨大さに驚き、八畳敷きという形で表現してこの名がついた。
鯉岩
 温羅が鯉に化けて逃げたという温羅伝説にちなんでこの名がついた。
 
鬼ノ城・岩屋周辺の地形と地質
 吉備高原の山並みが終わり平野部と明確な標高差を生んでいることがこの一帯の地形を特徴づけている。また、吉備高原と同じ花崗岩質で、地質的にも平野部とは特徴を異にしている。
 
マメ知識 鬼の棲家
 鬼ノ城・岩屋周辺には、「鬼」と名のつく岩が多く存在する。
 ・鬼の差し上げ岩
 ・鬼のもちつき岩
 ・鬼の酒盛り岩
 ・鬼の昼寝岩  など。
 この地には「温羅伝説」が残っており、これらの岩が、温羅の存在に一層真実味を帯びさせている。

*2)鬼の差し上げ岩
 この岩窟の天井にあたる岩で、大きさはおおよそ縦15m、横5m、厚さ5m。この地方には、桃太郎噺の源ともいわれる「吉備津彦の鬼退治」すなわち「温羅伝承」が広く伝わっており、各地にこの伝承にまつわる地名や場所などが数多くあります。
 この岩もこの伝承にまつわるものの一つで、鬼のモデルと言われる温羅が、この巨大な岩を差し上げて岩窟を造り、すみかにしたと伝えられるところから、この名がついたと言われています。岩の裏側の窪みは、差し上げた時に出来たと伝えられ、「鬼の手形」と呼ばれます。
 また、この地の岩屋と言う地名も、この岩窟に由来すると言われています。この周囲には、鯉岩・八畳岩・屏風岩など多くの巨岩があります。(総社市)

*3)岡山県指定重要文化財 皇の墓
 岩屋寺の開祖、善通大師の墓と伝えられており、大師が文武天皇の皇子であることから、皇の墓の名もこれに由来します。
 皇の墓は、花こう岩でつくられた無縫塔で、切り石を四角に積んだ台座にのっています。総高119センチ。基礎脚部の形や反花のつくり、塔身の曲線などから、十四世紀、南北朝期を下らない、県内でもっとも古い様式を示す無縫塔の一つです。
 
*4)国指定史跡 鬼城山(鬼ノ城) 昭和61年3月25日 指定
 鬼ノ城は標高約430mの鬼城山に築かれた壮大で堅固な古代山城です。吉備高原の南端に位置しており、眼下の総社平野には集落が営まれ官衙(かんが)(役所),寺院などが造営されました。また、古代の山陽道が東西に走り吉備の津(港)から瀬戸内海への海上交通も至便であり、まさに政治、経済、交通上の要地を一望できます。
 鬼ノ城の山容は擂鉢(すりばち)を伏せたような形状をし、山頂付近はなだらかな斜面となっていますが、山の八−九合目以下は著しく傾斜しています。この山頂部との傾斜が変化する部位に城壁が築かれ、全周約2.8kmに及んでいます。
 城壁は版築(はんちく)工法により築かれた土塁が主体をなし、城門が四ケ所、排水機能をもつ水門が六ケ所、また石垣などにより構成されています。
 特に復元整備を実施している角楼(かくろう)から第0水門までの城壁は、巨大な西門や、ゆるぎなく突き固められた土塁が復元され、当時の雄大な姿や精緻(せいち)な築城技術を窺うことができます。
 城内はよそ30haという広大な面積があり、これまでに礎石建物跡、溜井(ためい)(水汲場)、土取場などが見つかっていますが、今後の調査によりさらに新たな発見が期待されます。
 築城の時期については諸説ありますが、大和朝廷が朝鮮半島の百済軍救援のため出兵した白村江(はくすきのえ)の海戦(663年)において大敗した後、唐、新羅連合軍の日本侵攻を恐れ、急ぎ西日本各地に築城した城の一つと考えられています。鬼の城は当時の東アジア情勢を鋭敏に反映した遺跡と言えます。
 平成16年1月 総社市教育委員会
 
*5)中国自然歩道案内図(古代山城を訪ねるみち)
中国自然歩道とは
 中国自然歩道は、中国5県を一周し、それぞれの地方に残された美しい自然のなかを歩いて、豊かな自然に親しみ、また、郷土の歴史や又化にふれて、私たちのふるさとを見直すための長距離自然歩道です。
 岡山県では、自然歩道を5つのルートに大別し、さらに各ルートを1日で楽しめるよう、合計43のコースに区分しています、

主な見どころ
砂川公園
 鬼城山の山裾を流れる砂川沿いに整備された公園。炊事棟やトイレが完備されたキャンプ場のほか、ウォータースライダーなどの親水施設がある。
鬼ノ城
 温羅伝説の発祥地といわれる古代山城。標高400mの鬼城山の山頂に3−にわたって続く石垣や土塁はわが国最大級の規模を誇る。
皇の墓
 岩屋寺の開祖、善通大師の墓と伝えられる.善通大師は文武天皇の皇子で、7歳のとき、岩屋山に登って僧侶となり、岩屋寺を建立した。
総社のふるさと自然のみち
 北の吉備路に整備された遊歩道で、自らの足で歩<ことを通して自然とのふれあいやふるさとの歴史などに親しみ、自然教育の効果を高めることを目的としたみちである。(写真は棚田の風景)
 
*6)総社のふるさと自然のみち総合案内図
 この一帯は、國指定史跡鬼城山をはじめ貴重な文化財と豊な自然環境が残ると共に、人の暮らしと自然が調和した里山が広がり、「自然と歴史あふれるフィールドミュージアム」として位置づけられます。



アプローチ
 日の出の時刻が次第に早まってきている 明るくなった頃倉敷を出発 車載温度4℃ 吉備路429を走る 180号を横断し県道211に進む JRの踏み切りを通り 道なりに右にカーブ 次の交差点で砂川公園の案内を確認して左折 そのまま山に向かって走って行き砂川公園を抜ける 自動車道は狭くなる 対向車に留意しながら登って行く 鉄塔巡視路や遊歩道との出入り口にも注意を払い鬼ノ城駐車場に 駐車場はまだ駐車している車は無かった 車載温度2℃