実僧坊山



標高 実僧坊山461    難易度 ☆     登り 38分 全工程147分  岡山県
倉敷からの距離    22Km        登頂日 2024/12/05   ガイドブック  写真 動画

岩屋駐車場7:19−7:27岩屋寺−7:31鬼の差上岩−7:38分岐−7:48分岐−7:50鬼の酒盛り岩分岐−7:54鬼の酒盛り岩−7:57実僧坊山7:59−8:10分岐−8:12重田池分岐−8:13堰堤8:21−8:24重田池分岐−9:07タムシバの森9:11−9:18鉄塔#30−9:29せせらぎの十字路−9:34鉄塔#31−9:42岩屋大桜分岐−9:49岩屋駐車場

登山
 今日は実僧坊山(じっそうぼうざん461m)を経由して重田池(じゅうたいけ)タムシバの森を訪ねる

 今日も鶏のコケコッコーという鳴声を聴きながら登山支度をする ウインドウブレーカ―は着たまま出発する いつものように案内板の左手へ向かい トイレ裏の舗装道路を登って行く 舗装道路はすぐに途切れる 民家がある 民家の脇の畦道を行く ルートを行くと、岩屋寺手前の第1番地蔵のところに出る
 
 大きなかえでの木々が見事に紅葉している 紅葉した木々を潜るようにして正面の石段を登って行く 右手にはちょっとした石垣があり石垣の間から桜の木が顔を出し、見事な色をつけている 石段を登るにつれ変化する艶やかさを楽しみながら登ってゆく 石段を登ると岩屋を説明した案内*1)がある 平安時代には栄えたとの事 朽ちた 岩屋寺奥の院の建屋がある
 
 石垣の上から紅葉した景観を楽しむ 広場を後にし鬼の差し上げ岩へ向かう 雰囲気のある石段を登る 登った正面に岩屋寺があり、寺の境内の右手方向に鬼の差し上げ岩*2)がある
 
 今度は鬼の昼寝岩の案内標識に従ってルートを行く ルートには落ち葉が幾層にも積み重なっている かさかさと言う音を楽しみながらルートを行く 残念ながら紅葉した木々は見られない 数分で鬼の昼寝岩の分岐に出るが、そちらには寄らず、分岐を直進し重田池方面へ向かう 樹間にこれから向かう山容が見えて来る 朝陽を受けいい色をしている
 
 登って行くと分岐がある 分岐にはロープが張られ 「総社市ふるさと自然のみち」以外のルート無断で開拓し、進入することを堅く禁じます。 と書いたものが括り付けられている 分岐を右へ進む コシダの中のルート すぐの分岐を鬼の酒盛り岩へ向けて進む コウヤボウキ*(*は実を意味する)が顔を見せてくれた そして鬼の酒盛り岩に出る
 
 円陣を組むようにして大きな岩が3つある その岩の事を鬼の酒盛り岩と言うようだ 近くにあるソヨゴの木に近づきやっと赤い実を一つ見つける 今年はソヨゴの実に出会う事が少ない
 
 鬼の酒盛り岩を抜けて実僧坊山へ向かう 緩やかな登りを数分行くと三角点のある実僧坊山山頂に出る 国土地理院の地図では登龍山と表記されているが、地元の案内板には実僧坊山と記載されている 眺望は得られない 三角点の近くの木に実僧坊山と書いた標識がくくりつけられている 身体が暖かくなってきたのでウインドウブレーカを脱ぎリュックにしまう
 
 山頂を後に重田池を目指す 今日も以前見つけたルートを追う あれ?こっちだったかなと思うようなところもあったがルートを失う事もなく追ってゆく やがて、樹間に重田池が見えてきて 遊歩道に飛び出す ルートを行くとすぐに湖畔の分岐がある
 
 分岐を右にとり 池を左に見ながらルートを行く ルート脇にヒサカキ* イヌツゲ*を見つけ堰堤に出る 堰堤には湖畔のツツジの小径*3) と書いた案内板が設置されている また重田池改築竣工記念の石碑(昭和十年四月三十日阿曽村大字奥坂重田池)がある 重田池の堰堤に出て 池を一望し記念写真を撮る 
 
 来たルートを戻る タムシバの森の案内に従い分岐を直進する 池を右手に見ながらルートを行く 池の眺望を楽しめる 花や実にも留意していたがサルトリイバラにもソヨゴにも出会わなかった(ヒサカキには幾本か出会ったが)
 
 短い木の橋を過ぎると 池を囲む山の尾根を行くルートとなる 緩やかなアップダウンを繰り返す 花や実を探しながら進む アセビの花芽 ヒメヤシャブシ*を見つけ タムシバの森*4) と書いた案内板のあるところに出る そこには、ベンチがあって その脇を入って行くと、見晴らしが得られる場所がある そこに出て景観を見る 登ってきた実僧坊山を伺う事が出来る このルートでリョウブ*を見つける 高い枝先に実をつけていたのをズームで撮る事が出来た
 
 眺望を一望し、せせらぎの十字路へ向かう やや下り気味 せせらぎの十字路を示す標識に従い90度右に折れてルートを行き鉄塔#30を潜る 鉄塔を過ぎてルートを行く 切り開けたところに出る 正面に山並みを伺う事が出来る この斜面でサルトリイバラ* オオバヤシャブシ*を見つける ここにはソヨゴの木が多く見られるのだがここでも赤い実を見つけられなかった そこから丸太の階段が続き せせらぎの十字路に出る
 
 せせらぎの十字路の分岐のところに「注意」*5)と書いた大きな看板がある。改めて眼を通すと「総社ふるさと自然のみち」の通行に関する注意書きである 

 せせらぎの十字路を抜け岩屋の大桜へ向かう 緩やかな登りが続く 登ったところに鉄塔#31へのアプローチ口があり 右上を見ると鉄塔を確認できる このルートでは紅葉した木々を楽しむ事が出来た 黄橙色に紅葉したものを楽しめた 撮った写真をGoogleLensに聞いたらイヌブナという回答が多かった そこからは少し下り気味 途中にある分岐は直進し岩屋の大桜を目指す 岩屋の大桜はすっかり落葉していた 分岐に戻り駐車場へ向かう 民家の角に岩屋寺への分岐がある 幸い陽射しがある そうだ、もう一度岩屋寺の紅葉を見よう
 
 分岐から4分程登ると第一番地蔵がある岩屋に出る 陽射しを受け更に鮮やかだ 色々な角度から写真を撮り紅葉を楽しむ 反射光より透過光の方がきれいに見える ステンドグラスから覗いたような写真も撮れた 撮影を楽しみ分岐に戻る
 
 民家の脇に戻りルートを行く 赤い実をたわわにつけたナンテンを見つける  今日はどなたにも合わず駐車場に 車載温度は9℃を示していた
 
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*1)岩屋
 鬼の城、新山とともに、平安時代には、山上仏教の中心地として栄えたといわれていますが、いろんな学説等がありはっきりしません。
 周囲のたたずまいや巨大な花崗岩でできた岩穴を目の前にして、吉備津彦命の温羅(うら)退治をはじめとする数々の伝説を思いうかべるとき、岩屋は、今もなお緑と伝説の地といえます。

*2)鬼の差し上げ岩
 この岩窟の天井にあたる岩で、大きさはおおよそ縦15m、横5m、厚さ5m。この地方には、桃太郎噺の源ともいわれる「吉備津彦の鬼退治」すなわち「温羅伝承」が広く伝わっており、各地にこの伝承にまつわる地名や場所んどが数多くあります。
 この岩もこの伝承にまつわるものの一つで、鬼のモデルと言われる温羅が、この巨大な岩を差し上げて岩窟を造り、すみかにしたと伝えられるところから、この名がついたと言われています。岩の裏側の窪みは、差し上げた時に出来たと伝えられ、「鬼の手形」と呼ばれます。
 また、この地の岩屋と言う地名も、この岩窟に由来すると言われています。この周囲には、鯉岩・八畳岩・屏風岩など多くの巨岩があります。(総社市)

*3)湖畔のツツジの小径
この一帯に咲くいりろなツツジ
 この地帯一帯は、良好なアカマツ二次林を形成している。アカマツは、裸地などの他の植物が生育できない条件下で生育できる植物であり、このようなアカマツ林に見られる特徴的な植物としてはツツジ類が挙げられる。
 春の訪れとともに、この一帯のアカマツ林には色々な種類のツツジが花をつけ、私たちの目を楽しませてくれる。

コバノミツバツツジ
 花期3月下旬−5月下旬
 春、この一帯を紫色に染める。花が終わる頃に3枚の葉がつくことが特徴であり、このことからこの名前がついた。 
シロバナウンゼンツツジ
 花期4月上旬−5月上旬
 花は白色、他のツツジ類より小さい花をつける。
ベニドウダン
 花期5月中旬−6月下旬
 花は鐘形の紅色。主に鬼城山に自生しており、県内の分布の南限となっている。
ヤマツツジ
 花期4月下旬−6月中旬
 花は朱赤色。日本各地で見ることができる代表的なツツジ。
ゲンカイツツジ
 花期3月下旬−4月中旬
 紅紫色の花で、鬼城山に自生し、県内分布の南限となっている。朝鮮半島にも分布しており、朝鮮式山城である鬼ノ城との関連も興味ひかれる。
 
重田池
 重田池は昭和期に作られた農業用溜池である。
 周りを山に囲まれていることで、自然のろ過装置を通って池に流れ込む水は、大変きれいな水質である。そのため、プランクトンがほとんどいないと考えられ、それを餌にする魚もこの池にはいない。
 
*4)タムシバの森
 花期:4月上旬−5月上旬
 噛むと、爽やかな香りがし、昔の人はこの樹を噛んでいたことから、「噛むシバ(=雑木)」、これが転訛し「タムシバ」となったと言われる。この地域では別名「ショウガギ」とも呼ばれる。
 よく似たものでは「コブシ」がある。

*5)注意 せせらぎの十字路の所にある注意
 「総社市ふるさと自然のみち」以外のルート無断で開拓し、進入することを堅く禁じます。
 総社ふるさと自然のみちは指定されたルートのみを通行することを条件に土地所有者の同意をもらい、岡山県から保安林内の通行許可を得ています。そのため、指定ルート以外へ無断で進入すると、許可が取り消され、このルートが通行できなくなる可能性があります。(総社市 Tel 0866-92-8339)


アプローチ
 6時に起床 朝食を済ませ倉敷を出発 車載温度7℃ 吉備路429を走る 次第に明るくなり山並が見えてくる 180号そして総社バイパスを横断し県道271に進む JRの踏み切りを抜け 道なりに右カーブ 次の交差点を左折 砂川公園へ向かう そのまま山に向かって走って行く 砂川公園を抜けると道幅が狭くなる 対向車に留意しながら隘路を抜ける 鬼ノ城駐車場を右に見て道なりに進む 沿道に紅葉した木々が伺えるがまだ光が無い そして、岩屋駐車場へ どなたもおられない 車載温度1℃