2002年 5月 3日 (金)
倉敷出発〜JR茶屋町駅(マリンライナー11号)〜JR児島駅乗換(特急しおかぜ3号)〜
JR伊予三島駅(自転車組立)〜第65番札所三角寺〜雲辺寺ロープウェイー乗り場〜第66
番札所雲辺寺〜雲辺寺ロープウェイー乗り場〜萩の丘キャンプ場
朝8時に自宅からJR茶屋町駅まで、ひぃーさんの奥さん「まさえちゃん」に車で送っていただく。
茶屋町駅から一駅のJR児島駅で「特急しおかぜ3号」に乗換る。大きな荷物を持つ「チャリ遍ラー」は
気兼ねしながら座る場所を探すが、乗客が多く座る事が出来ないので連結部の車掌待機ヶ所の少し
のスペースと仮設の椅子が有ったのでここに陣取り電車の旅を楽しむ事にする。
天気予報を気にしながらの決行であるが、雨の降る様な気配の無い、晴天の瀬戸大橋から見る島々
は遠くまで綺麗に見渡す事が出来た。
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JR児島駅で電車を待つ |
特急しおかぜ3号の車内 |
瀬戸大橋を通過する電車 |
9時47分にJR伊予三島駅に到着して早速自転車を組み立てるが、相棒の自転車のチェーンがすぐに
外れ出発する事が出来ない。原因を色々探し、ようやく前輪歯車が変形していることを発見し大急処置
をして10時30分に30分遅れて出発する。
出発後まもなく三角寺への登り坂に差し掛かり、久しぶりに走る中年「チャリ遍ラー」を苦しめる。これも
修行と愚痴を言いつつ、長い登りをひたすら自転車を踏み1時間25分掛かり11時55分「第65番札所
三角寺」に到着する。
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伊予三島駅で自転車を組立る |
三角寺登りからの伊予三島市街 |
第65番三角寺山門 |
連休はお遍路さんで納経所に待ち時間が掛かるとの情報で時間配分を心配して出発したが、お遍路さ
んの数は意外と少ない。三角寺のお参りを済ませ食事をするところを探すが落ち着いて食べる所が無い
ので川之江の町まで下る事にする。登りの辛さが夢のように自転車は下って行く。
香川県に入り少し走った所に「道の駅豊浜」が有りここで食事にする。香川の名物おいしい「讃岐うどん」
を食べる事が香川県を走る楽しみのひとつでもあるので「讃岐うどん定食」を注文するが、美味しくない、
入ったお店がどうも違ったようだ。倉敷のうどんの味が思い出される。
13時30分食事を済ませ再び出発、雲辺寺ロープウェイー乗場を目指し国道11号線から大野原町へ入
る。大野原中央公園を通過してからはゆるい登りが次第に急になって行く。ロープウェイー乗場の分岐か
らは山ひとつを登る位の急勾配で苦しめられ15時15分ようやくロープウェイー乗場に到着する。
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雲辺寺ロープウェイー |
親しみを覚える羅漢像 |
羅漢像が至る所に |
第65番札所 由霊山 慈尊院 三角寺 (ゆれいざん じそんいん さんかくじ)
険しい石段を登りきったところが、鐘を釣った仁王門。境内には、信仰を集めるご本尊の十一面観音立
像を納めた本堂のほか、薬師堂や大師堂が建つ。
第66番札所 巨鼇山 千手院 雲辺寺 (きょごうざん せんじゅいん うんぺんじ)
四国八十八ヶ所中の最高所、雲辺寺。この寺は弘法大師十六歳の折建立と伝えられる。
一日一回は雨といわれる難所。
20分間隔で運転されるロープウェイーにすぐに乗り標高927mの「第66番札所雲辺寺」にあっと言う間
に到着した。乗り物は楽だが自転車遍路はスピードが遅い分道中の味わいが多い気がする。我々の旅
は「健康・観光・信仰」の中年自転車遍路の旅だ。香川県から登り付いた所は徳島県、ロープウェイを降
りるといきなり羅漢さんのお出迎えである。広い境内に所狭しと500羅漢像は名前と番号が付けられ並
んでいる。境内が広く空間が多いためか全体のまとまりがついていないような気がした。
自転車遍路を始めた3年前は、本堂、お大師堂で手を合わすだけのお参りから、今は、開経偈に始まり
十善戒、般若心経、回向文まで一通りのお経を上げる事が出来るようになったことは気持ちが大きく成
長したものだ。雲辺寺のお参りを済ませ、500羅漢像を見て周るころには、さすがに標高1000m、次第
に寒さを感じるようになり急いでロープウェーで乗り場に戻り、16時30分に降りる。
今日のお宿の「萩の原キャンプ場」はロープウェー乗り場から下ること15分位の「別格16番萩原寺」の
側である。キャンプ場には単車の若者が多く陣取っていたので、ブランコの側の東屋の中の先客の反
対に雨よけを兼ねて2つテントを張り、お食事処とお風呂を探す。土地の人に尋ねて3kmほど先の「大
野原中央公園の萩の湯」に行き汗と埃で汚れた体を洗い流し疲れた体を暖かいお風呂で癒した後は遍
路一日目の無事をレストランでビールを飲みながら祝いゆっくり休養し、コンビニで寝酒の地酒「梅錦」と
明日の朝食を買い込みテントに戻る。
疲れと美味しいお酒で20時には眠くなりテントに入るとまもなく意識不明となる。
2002年 5月 4日 (土)
萩の丘キャンプ場〜第67番札所大興寺〜第68番札所神恵院〜第69番札所観音寺〜
第70番札所本山寺〜第71番札所弥谷寺〜第72番札所曼荼羅寺〜第73番札所出釈
迦寺〜第74番札所甲山寺〜第75番札所善通寺〜第76番札所金蔵寺〜JR善通寺駅
〜JR児島駅〜JR茶屋町駅〜倉敷到着
萩の丘キャンプ場を6時15分に出発し、まだ車の通りも少ない国道377号線を大興寺を目指して走る。
6時40分国道から1km位山へ入った「第67番札所大興寺」に着く、山門を抜けると楠木の巨木が有り、
木々が茂る石段を登ってお参りをする。大興寺から財田川沿いの自転車道を走っていると、4人組の
歩き遍路に出会う。今回の自転車遍路では今までに無く多くの歩き遍路さんに出会うが、歩き遍路が
ブームになっているいるようだが、信仰心の薄い我々では真似が出来そうに無い事だ。
しばらく走り、二つのお寺が同じ場所に有る、「第68番札所神恵院」、「第69番札所観音寺」に到着す
る。
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出発準備が整った自転車 |
緑と階段がマッチした神恵院 |
観音寺銭形砂絵で記念写真 |
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萩の湯のレストラン |
萩の丘キャンプ場 |
キャンプ場から雲辺寺山を望む |
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弥谷寺近くを歩くの歩き遍路さん |
弥谷寺の階段 |
弥谷寺最後の階段 |
「第68番札所神恵院」は、境内の入り口正面の49段の階段を登ったところに本堂、お大師堂が有り、赤
い「七日燈明」が印象的であった。
お参りを済ませ階段を下りると今度は、「第69番札所観音寺」の境内に下りる。納経は同じ納経所で2ヶ
寺の納経を受けることが出来た。
観音寺は、琴引公園から見る「銭形砂絵」が観光ポイントとして知られているので、早速「琴引公園」の展
望台に登るが急な坂道で自転車に乗ったままでは登れない、途中から自転車を押しながら展望台まで歩
き観光に来ている人に記念の写真撮影をお願いする。砂絵はつい先日市民総出で修復したばかりで海岸
近くの松原の中に大きな雄大な絵形が広がっていた。
第67番札所 小松尾山 不動光院 大興寺 (こまつおざん ふどうこういん だいこうじ)
嵯峨帝勅願により弘法大師が開創された大興寺は讃岐平野のなかにたつ丘の上。
緑の多い、静かな境内には古い立派な本堂。
第68番札所 七宝山 神恵院 (しっぽうざん じんねいん)
山門をくぐって、ふもとの観音寺を抜け、石段を上がった小高いところにあるのが神恵院本堂。
その右手に大師堂。
第69番札所 七宝山 観音寺 (しっぽうざん かんのんじ)
第六十八番と第六十九番が並ぶ山門をくぐると木立の中に観音寺の朱塗りの本堂。
本瓦葺きのこの建物は、本尊聖観音を安置した厨子とともに国指定の重要文化財。
観音寺から本山寺まで約5kmの道をさきほど走った財田川沿いの道を引き返す。境内には国宝の本堂
と、そびえ立つ五重塔があり、土地の人と思われる方が、歩き遍路の修行も大変だが、自転車遍路の修
行も大変そうだなあ〜と自転車に積んだ大きな野宿道具を見ながら話し掛けてこられ、次の弥谷寺まで
の道を教えて頂いた。四国の人は皆お遍路さんに優しいが、境内を歩きながらタバコを吸うマナーの悪い
お遍路さんをよく見かけるが、お遍路さんは観光客ではないのだ!!!。
国道11号と松山自動車道が交差する鳥坂峠を登り切った所を左折して坂を下り、更に案内標識に沿っ
て急坂を登るが、この坂も並みの坂ではない、少し上った所のお堂の前に自転車を放置して歩き遍路に
変身した。「第71番札所弥谷寺」は「道の駅みの」を挟む駐車場脇の登り口から10分位坂道と階段を登
った所にあり、息を弾ませて到着した。
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弥谷寺の |
鳥坂峠でお昼ご飯 |
鳥坂ラーメンご主人夫妻 |
第70番札所 七宝山 持宝院 本山寺 (しっぽうざん じほういん もとやまじ)
仁王門をはじめ、護摩堂、庚申堂、五重塔など、さまざまな文化財がある。中でも正安二年に再建された
本堂の中には、仏壇、厨子などが当時の姿で保存されており、国宝に指定されている。
第71番札所 剣五山 千手院 弥谷寺 (けんござん せんじゅいん いやだにじ)
町の北部、海抜382mの弥谷山の南腹にあり、参道入口には剣五亭と俳句茶屋がある。ここからうっそう
と茂る老樹の間の坂道と、300段近い石段を登っていくと大師堂に着く。
第72番札所 我拝師山 延命院 曼荼羅寺 (がはいしざん えんめいいん まんだらじ)
弘法大師ゆかりの五岳。その中央の我拝師山のふもとにある曼茶羅寺。山門をくぐると川が流れ、橋を
渡ると正面に本堂、左手に大師堂、その手前に鐘楼がある。右には観音堂、客殿、庫裏が並んでいる。
甲山寺の参拝を済ませ約1.5km走り、今回のお遍路最終寺「第75番札所善通寺」に到着する。
境内の広さと言い、建物の配置と良い、流石に「弘法大師誕生」の地にふさわしい雰囲気がある。お遍
路さんも多いが、一般の観光客が多かった。
善通寺の参拝を済ませ、時計を見ると帰りの予定電車の出発時間に余裕が有るので、次回の計画調整
のため「第76番札所金蔵寺」に追加で参拝する事とする。
善通寺赤門前の銭湯「大正湯」の場所を確認して、国道319号線を4km走り金蔵寺に到着する頃に雨
が降り出し、参拝中に土砂降りとなった。それでも善通寺の大正湯に引き返す道中は雨もやみ楽に走る
ことが出来た。
第75番札所 五岳山 誕生院 善通寺 (ごがくざん たんじょういん ぜんつうじ)
境内は広大で約十万平方メートルあり、このなかに三十あまりの大小の堂塔が建ち並び、楠の巨木
をはじめたくさんの樹木が茂り、お遍路さんの姿は跡を絶たない。 大師の生家佐伯家は代々讃岐の
国造(くにのみやつこ)で、父は佐伯善通卿、母は伊予親王の侍講、阿刀大足卿の妹、玉寄御前。宝
亀五年(七七四)六月十五日、いま御影(みえ)堂のあるところでご誕生になった。御影堂の裏手には
産湯井が残っている。 大師は唐の留学から帰って、大同二年(八〇七)お寺を建立することになった
とき、父の善通卿はその邸宅、庭園をそっくり喜捨されたので、その年の十二月に起工し、六年後の弘
仁四年、大師の誕生日の六月十五日にすっかりできあがった。父の名をそのまま寺の名として、善通寺
が開創された。
第76番札所 鶏足山 宝憧院 金蔵寺 (ごがくざん たんじょういん ぜんつうじ)
広い境内には楠の大樹が茂る。正面の小高い所に本堂、右手に常行堂、客殿、庫裏、左手に訶利帝
母(鬼子母神)堂、弘法大師と聖証大師のふたりをまつる大師堂、鐘楼がある。
弥谷寺の納経は大師堂の中に有り、建物の中に上り納経所の前での参拝で、唱える般若心経に力が
入ったが何とか無難に納経を終わり、麓の放置した自転車まで下り坂を鼻歌交じりで歩いた。
お昼を過ぎお腹の虫が騒ぎ始めたので、食堂を探すがなかなか見つからない、国道11号線の鳥坂峠
を下った所に「鳥坂ラーメン」が有り、ここでお昼ご飯を食べる事にする。
「鳥坂ラーメン」のご主人夫妻は、お遍路さんの善根宿としてお店の奥の一室を提供していると話てくれ
ました。電話0877−64−0035(定休日 月曜日)
美味しいラーメンと焼き飯に餃子とビールをいただき、元気を取り戻して、「第72番曼荼羅寺」を目指し1
3時に再び自転車を走らせる。
国道11号から県道に入り、「焼肉松坂」の交差点を山の方向1km登りると、西行法師も訪れたと言われ
弘法大師の先祖を祀る「第72番札所曼荼羅寺」へ着く。曼荼羅寺は樹齢1200年の「不老の松」が有
名で有るが、枯れて哀れな姿になっていた。
更に山へ300m登った所へ、弘法大師が仏道に入る決心をしたと言い伝えられる「第73番出釈迦寺」が
ある。お寺から約2km登った所へ、弘法大師が救世の大願をたて身を投げた「捨身ヶ嶽禅定」があるが
、時間の都合で参拝はあきらめた。
出釈迦寺から甲山寺へは登った道を、快調に下る。登りがプラス1、下りがマイナス1平均すれば平地の
計算であるが、登りと下りの差は、数十倍の違いが有り苦しい修行の場となっている。。
平地に戻り1kmほど走り、「第74番甲山寺」に到着する。
第73番札所 我拝師山 求聞持院 出釈迦寺 (がはいしざん ぐもんじいん しゅっしゃかじ)
我拝師山を上ったところにある。鐘楼門をくぐり、境内へ入ると正面に本堂、その右手に大師堂、左手
の小高いところに虚空蔵堂が並んでいる。奥の院へは境内からさらに坂道約2km。
第74番札所 医王山 多宝院 甲山寺 (いおうざん たほいいん こうやまじ)
背後にある山が甲山。前を流れる川が弘田川。石橋(瑠璃光橋)を渡ると山門、正面の石段をあがる
と本堂がある。左の石段をあがると鐘楼、大師堂。大師堂の近くに毘沙門天の岩窟がある。
「大正湯」まで引き返し開店そうそうの真新しいお湯で汗を流しす気分は最高だ、ひぃーさんと岡山の
話をしていると、60歳位の一番客の人が、生まれも育ちも岡山で仕事で善通寺に来て、今の歳まで
暮らし、故郷岡山に帰れなくなった話をしてくれた。色々な土地の人に出会い、話をするのも自転車遍
路ならではの、一味違う楽しみでも有る。お湯が疲れた体に心地よく染み渡り最高の気分で銭湯から
出ると、かなり激しく雨が降っている。お遍路を始めて初めてカッパを着て自転車で走る。「JR善通寺駅」
まで走り駅の片隅で自転車をバラシ輪行袋に納め、駅前の食堂で無事お遍路を終えた打上をすべく、タ
クシーの運転手に食堂を尋ねると、近くにお店は無いらしいので、そのタクシーに乗りワンメータ範囲のお
店に案内してもらう。土地の人にも美味しい料理を出してくれると評判の赤門筋の「居酒屋 陣」に案内
されビールで乾杯をして瀬戸内の魚料理を楽しむ。 「居酒屋 陣 0877-63-6680」
16時00分JR善通寺駅発の特急「南風」に乗車するが、ゆっくり座る場所は無い、デッキに自転車を置き
ようやく座席を確保してくつろぐと、とついつい気持ちよくなり睡魔が襲ってくる。JR児島駅で下車して瀬戸
大橋線に乗換JR茶屋町で下車して、ひぃーさんの奥さん「まさえちゃん」に迎えに来てもらい無事我が家
にたどり着く。
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第66番札所金蔵寺 |
善通寺の居酒屋 陣 |
JR善通寺駅 |
自転車遍路
輪行
第73番
第72番
金倉寺
甲山寺
第75番
第74番
第76番
第71番
第70番
第68番
第69番
第67番
第66番
弥谷寺
観音寺
神恵院
本山寺
大興寺
雲辺寺
三角寺
第65番
出釈迦寺
曼荼羅寺
善通寺
走行距離:120km