第5回
第41番札所 龍光寺〜第53番札所 円明寺

              125.8km走行
愛媛県久万町峠御堂トンネル

 7月 28日 (土) 

  倉敷出発〜有城南(高速バス・マドンナエキスプレス)〜JR松山駅〜JR卯之町駅
                             〜第43番札所明石寺〜ユートピア宇和(泊)

マドンナエクスプレスに乗る輪行遍路に出発(回数券利用で片道3300円)

岡山発、松山駅行き
高速バス(マドンナエキスプレス)に、有城南バス停で8時37分に乗車。
今回も正枝ちゃん(ひぃーさんの奥さん)に有城南バス停まで自家用車で送って戴く。

松山駅まで、
瀬戸中央道・高松道・松山道を経由して、2時間21分の快適なバスの旅を楽しむ。
バスの乗客は10名ほどで空いている。途中川内ICで松山道高速バス停に止まる。
  
11時10分に10分遅れでJR松山駅に到着する。流石に四国第一の都市松山市は大きな町だ。
JR松山駅発11時37分JR八幡浜駅行きの各駅停車にお昼弁当を買い込み乗車する。

夏の高校野球愛媛県決勝の試合が
「ぼっちゃんスタジアム」で行われるため、汽車は超満員で積み残し
が出る有様、汽車の混雑を乗客が駅員に口々に文句を言っている。
駅のみやげ物売り場で、昼食の弁当(海鮮バラ寿司)とビールを買うが、この混雑では広げる事も出来な
い。しばらく走ると汽車の乗客も少なくなり、ようやく落ち着いてお昼ご飯を戴く事が出来た。
土地の名物を食べる楽しみを感じながら汽車は順調に走る。JR八幡浜で13時36分宇和島行きに乗換
える。

第43番札所 源光山   円手院  明石寺 (げんこうざん えんじゅいん めいせきじ)

木々の茂る山腹斜面を背に、杉・松の老樹に囲まれて本堂、大師堂、庫裏、鐘楼、仁王門などが建てら
れている。仁王門をくぐると左手に、弘法大師の行場跡の「弘法井戸」があり、本堂裏手の山上には「しあ
わせ観音」の石像がある。  
マドンナエクスプレス瀬戸大橋を通過  乗客の少なくなった予讃線普通列車 美味しい御昼ご飯に満足
汽車は、瀬戸内の夏の青い海を右に見ながら、ローカル線独特の「ガタン・ガタン・キー」と音を立て、ま
だ青いみかんの畑の中を気持ちよく走る。単線のローカル線にしては、すれ違い待ちなどほとんど無く順
調に進み卯之町駅に予定通り14時05分に到着した。

駅前の駐輪場で自転車を組み立てた後、15時から
第43番札所明石寺にお参りする。
明石寺山門  ユートピア宇和軽食コーナー 仏木寺七福神
四国八十八ヶ所霊場自転車遍路
平成13年7月28日(土)から7月30(月)
お参りを済ませ、一路今夜の宿ユートピア宇和(卯之町から14km)へ向かう。
途中、地元の特産品販売所「どんぶり館」に止まり、イサギとひらアジの刺身を戴き新鮮な海の幸を堪能
する。ユートピア宇和は
「走れ!快速へんろさん」のお勧め情報により行く。温泉入浴料金400円で大広
間で20時まで食事を取りながら体を休める事が出来、自転車遍路の野宿には最適であった。
その後は、何時ものようにキャンプに戻り本日の反省をしながら晩酌を戴き熟睡する。

7月 29日 (日) 

  ユートピア宇和〜歯長峠〜第42番札所仏木寺〜第41番札所龍光寺〜JR宇和島駅(輪行)
  〜JR松山駅(輪行)〜久万高原〜第44番札所大宝寺〜第45番札所岩屋寺〜古岩屋温泉(泊)


気温も穏やかで気持ち良く、4時30分「ひぃーさん」のモーニングコールで起床する。
本日は、朝一番に「歯長峠」超えと久万高原までの移動がが待っているため早起きをして行動することに
する。5時テント撤収して出発する。

涼しさを感じながら、早朝の肱川源流沿いの渓谷を順調に走り、九十九折れの坂(標高394m)を変速ギ
ヤーを最低速にしながら上る。峠を上り切ると後は下り、上りの苦しさが夢のように過ぎ去り、6時20分に

第42番札所仏木寺
に到着する。

早朝で人もまばらな線香の匂いが漂う静かな境内を本堂・お大師堂にお参りを済ませ7時の納経受付を
待つ。

道祖神  茅葺の鐘楼 龍光寺入り口「名物長命水うどん」
第41番札所龍光寺までは緩やかな下り坂を3.5km走り、お寺と神社が同居する龍光寺入り口の鳥居
に到着する。噂ではお坊さんは八十八ヶ所ではかなり有名な頑固な人らしいが、にこやかに親切に対応
していただいた。私達の
自転車遍路を「信仰」「観光」「健康」の旅と話すと、大いに受けていた。
龍光寺入り口の
「長命水うどん」(北宇和郡三間町戸雁 (0895)58-1125)で朝食を済ます。
「走れ!快速へんろ」さんの地図に店が載っている事を話し地元特産のトマトを接待していただいた。 

無人の務田駅からひたすら下り6kmを9時57分発
「L特急宇和海8号」に乗車すべくJR宇和島駅に向か
う。宇和島駅に8時45分に着き、素早く輪行遍路に変身し宇和海8号に乗車する。
L特急宇和海8号  ゆったりとした宇和海8号の車内 JR宇和島駅「駅員さんが可愛い女性」
第42番札所 一果山   昆盧舎那院  仏木寺 (いっかざん びるしゃないん ぶつもくじ)

田園の間を抜け、のどかな道をしばらく行くと仏木寺がある。境内に入ってまず気がつくのがわらぶきの
鐘つき堂。そして寺の境内には、牛や馬の守り仏として厚く信仰されている家畜慰霊碑がある。
第41番札所 稲荷山   護国院  龍光寺 (いなりざん ごこくいん りゅうこうじ)

参道に、神社のシンボルである鳥居が建っている。この鳥居をくぐって進むと高い石段があり、正面にこ
の地方の氏神、稲荷神社が鎮座している。
初めての特急列車輪行宇和海8号は普通列車のような土地の老人や学生さんの話声は聞こえないが、
滑るように走り11時18分松山駅に到着した。やはり快適なのは特急列車であるが、土地の匂いを感じ
る事は出来ない。
松山駅から
JR高速バス高知行き「南国号」で久万高原まで輪行である。
駅前の広場で自転車を分解してバックに入れバス停前のカレ屋さんでお昼ご飯にする。
カレーを食べて元気を取り戻す  遍路姿も様になっている 少々お疲れモードのお遍路さん
高速バス〔南国号」は焼き物の町砥部町を抜け、標高700mの三坂峠を超え久万高原を目指し曲がりく
ねった急勾配の坂道をドンドン登って行く。とても自転車で登れる坂ではないように思うが、学生風の数
人が必死にトライしていた。標高500mの久万高原は下界とは違って爽やかな風が吹いている。バス停
で自転車を組み立て、
第44番札所大宝寺にお参りした後、峠御堂トンネルを越え第45番札所岩屋寺に
向かう。かなりの上り坂が続き峠御堂トンネルを通過した頃から空模様が変わり始め、ふるさと旅行村付
近で雨が降り始めた。涼しさを感じながら軽快に走っていると、嵯峨山温泉入り口で土砂降りになりバス停
の中に退避して30分間の休憩となった。
第44番札所 大宝寺 岩屋寺参道 岩屋寺でトコロテンを接待していただく
第44番札所 菅生山   大覚院  大宝寺 (すごうざん だいかくいん たいほうじ)

昼間でも薄暗い、杉木立ちが茂る参道に入り、山門を抜け、石段をのぼると、大師堂、護摩堂などがずら
りと並んで建っている。
第45番札所 海岸山        岩屋寺 (かいがんざん         いわやじ)

後に迫る巨岩、奇峰の中に境内がある。山門を抜けると見上げる左手の岩山が胎蔵界峰、右手が金剛
界峰。本堂はそそり立つ断崖絶壁の根っこにある。左手に大師堂がある。
岩屋寺の駐車場に自転車を止め、800mの林の中の細い道を上る。上りきった所で良く冷えお出汁の効
いたトコロテンを接待して頂く。息を弾ませ坂道を登った後の体に染み渡る美味しさであった。 有難う!
有難う!南無大師遍照金剛
岩屋寺の参拝を済ませ、再び下って来た道を2.5km上り今夜の宿「古岩屋温泉」へ向かう。16時30分
国民宿舎「古岩屋温泉」に到着し、早速温泉に入り(300円)汗と雨と埃で汚れた体を洗い流す。夕食の
準備をお願いしたが17時からと言うことで冷房の効いたロビーでビールを飲みながら本日の反省をする。
夕食を戴き20時までロビーでくつろぎ体をやすめ、地元のお酒を1本買い込み隣の古岩屋休憩所にテン
トを張る。標高500mの高原の夜は少し寒く夜中に寝袋を取り出して潜り込み寒さをしのぐ。
第45番札所 岩屋寺 国民宿舎「古岩屋荘」 古岩屋荘前休憩所
7月 30日 (月) 

  古岩屋温泉〜久万町〜三坂峠〜第46番札所浄瑠璃寺〜第47番札所八坂寺〜第48番札所
  西林寺
〜第49番札所浄土寺〜第50番札所繁多寺〜第51番札所石手寺〜
第53番札所円明
  寺
第52番札所太山寺〜JR松山駅(高速バスマドンナエクスプレス)〜有城南〜倉敷到着


5時に起床してテントを撤収し6時に出発、朝もやが立ち爽やかな風が気持ちよいがすぐさま汗が出始める。
峠御堂トンネルを抜け、久万町まで走り朝飯を探すが朝飯にありつけない。仕方なく三坂峠に向け上り坂
7.5kmを走る。
途中の商店でバナナを買い元気を取り戻す。三坂峠頂上の物産店で休憩していると、店のおばさんがヤ
クルトの接待をしてくれる。四国の人は皆お遍路さんにやさしい。感謝!感謝!南無大師遍照金剛 三坂
峠からは、標高差600mの激しい下り坂の連続でブレーキを握る手がしびれブレキパットが焼き付き付い
た。
7時50分
第46番札所浄瑠璃寺に到着する。お寺の門前で散歩中の大北奈菜ちゃん10歳小学校5
年生と仲良し子犬の
クッキーの歓迎を受ける。
三坂峠から松山市街を望む ゆけどもゆけども急な下り坂 浄瑠璃寺前・大北奈菜ちゃんとクッキー
浄瑠璃寺の参拝を済ませ、八坂寺門前の八坂食堂で朝ご飯をいただく、準備中でご飯類が無いのでうど
んの大盛りを注文するが、うどん2玉、食べても食べたもどんぶりの底が見えない、少し苦しい挑戦であった。
第46番札所浄瑠璃寺 御夫妻に錦の納め札をいただく 第47番札所西林寺
第46番札所 医王山   養珠院  浄瑠璃寺 (いおうざん ようじゅいん じょうるりじ)

石段をのぼると境内。正面に本堂、右手に大師堂、鐘楼がある。左手には一願弁天堂。大師堂の前には
河野家の武将で堂寺の再建に尽くした平岡遠江道倚の墓がある。
第47番札所 熊野山   妙見院  八坂寺 (くまのざん みょうけんいん やさかじ)

田園の中の高台に建つ。一本道を進むと石段の向こうにコンクリート造りの本堂、左手に大師堂、右手に
権現堂が一列に並んでいる。
第48番札所 清滝山   安養院  西林寺 (せいりゅうざん あんよういん さいりんじ)

西林寺橋を渡り、石段を下って山門にはいると正面に本堂。その右手には閻魔堂(えんまどう)があり、
かつて伊予の関所寺だったことをうかがわせる。
第50番札所繁多寺 石手寺門前の中華料理「舞蘭琥」 第51番札所石手寺
八坂寺でお参りの準備をしていると、老人御夫妻が錦の納め札を差し出して、良かっ
たら受け取って下さいと言われたので喜んで戴いた。納め札の裏を見ると、南無大師
遍照金剛 四国霊場順拝 第141回 平成13年7月吉日 と書かれていました。順拝
の理由が何で有れ手を合せひたすら仏に祈る姿に感動しました。

第49番札所繁多寺までうだるような暑さの中を自転車を走らせる。少し小高い丘の上
から松山市街地が見渡せた。

お昼も近くなりお食事処を探しながら走り、第51番札所石手寺近くの中華料理「舞蘭
琥」ブランコの駐車場に地元の車が多く止まっているので、ここでお昼ご飯にする。
中華料理「舞蘭琥」松山市石手三丁目 рX77−2280 下の写真は、チャーハンセ
ット750円・2人前は有るボリュームで食べ残した。食事を済ませ、
第51番札所石手
に参拝する。四国の一番の温泉街「道後温泉」に近いためか、観光客の姿が目に付く。
141回順拝の錦の納め札
第49番札所 西林山   三蔵院  浄土寺 (さいりんざん  さんぞういん じょうどじ)

仁王門をくぐり石段を上ると正面に本堂。厨子とともに国の重要文化財に指定されている。本堂の右手が
大師堂、左に阿弥陀堂、観音堂。自刻と伝えられる空也上人像も重要文化財である。
第50番札所 東山   瑠璃光院  繁多寺 (ひがしやま るりこういん はんたじ)

周囲を深い緑におおわれた境内。一帯は景観樹林保護地区である。参道正面が本堂、右が大師堂、左
手前が石の鳥居を構えた歓喜天堂が建つ。
第51番札所 熊野山   虚空蔵院  石手寺 (くまのざん こくぞういん いしてじ)

松に囲まれた回廊を歩むと、正面入口の楼門・二王門(国宝)がある。
第52番札所 太山寺 第53番札所 円明寺 松山駅前キスケの湯
今回の自転車遍路は石手寺で終わる予定であったが、帰りの高速バスマドンナエクスプレスの乗車時
間に余裕が有るため、地図等の情報の準備をしていなかったが、
「走れ!快速へんろさん」から送って
戴いた
「自転車遍路の攻略本」を広げ第52番札所太山寺第53番札所円明寺まで足を延ばし松山の
遍路を終了する事にする。
石手寺から道後温泉を経由し市内を抜け、三津浜港を通過して太山寺一の門右折して2km先の第53番
札所円明寺に参拝する。
来た道を引き返し太山寺一の門から500m登った第52番札所太山寺に参拝する。平地の風の無い道を
走り続けたので喉が渇き自動販売機のお茶を一気に2本飲み干した。

太山寺から10kmを引き返しJR松山駅に16時に到着した。
駅前で自転車を分解して袋に収め、駅前のパチンコホームランの裏手にある、天然温泉・キスケのゆに
行き汗を流し、今回の自転車遍路が無事終わった事を祝って乾杯した。生ビール300円は有り難い!
松山市宮田町4丁目 天然温泉・キスケのゆ 大人550円 пi089)921−0133

松山市駅発のマドンナエクスプレスにJR松山駅で10分遅れて18時16分に乗車する。
帰りのバスも空いていて自分達を含め8名であった。順調に高速道をバスは走り20時30分10分遅れ
で有城南バス停に到着し、正枝ちゃんの出迎えを受け、自家用車で倉敷へ帰りる。

今回の旅も、皆様のお世話になり無事に終る事が出来た事に感謝申し上げます。



                            
  合 掌