2001年 11月 23日 (金) 

  JR西阿知駅発〜JR糸崎駅乗換え〜JR三原駅乗換え〜JR竹原駅下車〜竹原港(四国フェリー)
  〜
波方港(自転車組立)〜第55番札所南光坊〜第54番札所延命寺〜第56番札所泰山寺
  第
57番札所栄福寺〜第58番札所仙遊寺〜第59番札所国分寺友人宅(西山興隆寺・鈍川温
  泉・来島海峡大橋)


山陽本線
岡山始発便に5時41分JR西阿知駅より輪行で乗車、乗客はまばらでゆったりとした中で、朝ご飯の
コンビのおむすびを食べながら流れる車窓の風景を楽しむ。
電車は終着JR
糸崎駅で広島行きに乗換え、三原駅で更に呉線に乗換える。
竹原の近くまで来たころようやく空が白み始め瀬戸内の島影に、真ん丸い朝日が顔を出した。7時29分に予定
通りJR
竹原駅に到着した。
竹原駅から
竹原港までは2km程の距離であるが、8時竹原港発波方港行きのフェリーに乗船するため、駅前か
らタクシーに自転車2台を乗せ港に向かい無事フェリーに乗船することが出来た。

第55番札所 別宮山   金剛院  南光坊 (べっこくさん こんごういん なんこうぼう)

今治市街の真ん中に位置する。鉄筋コンクリート造りの本堂の右手に金刀比羅宮(護摩堂)、向かいには宝形造り
の大師堂がある。金刀比羅宮の裏手には大三島の大山祇神社の分社がある。

第54番札所 近見山   宝鐘院  延命寺 (ちかみざん ほうしょういん えんめいじ)

渦潮で知られる来島海峡を見おろす近見山のふもとに延命寺がある。かつてはお寺の名は53番と同じ円明寺だ
ったが、明治のはじめに変えたという。仁王門をくぐると正面に本堂、その左の石段をのぼると大師堂。

第56番札所 金輪山   勅王院  泰山寺 (きんりんざん ちょくおういん たいざんじ)

今治市の中心部から西へ4キロ。石垣の上に境内があり、横一列にお堂が並ぶ。背後にある山は山号になっ
ている金輪山。寺はもともとこの山頂に建っていた。
波方行きフェリーの客室  瀬戸の島影に航跡が美しい 島影に来島海峡大橋が光る
 
山陽本線始発の電車風景  瀬戸の島影に登る朝日 竹原港から愛媛県波方港行きフェリー
第55番札所 南光坊  第54番札所 延命寺  延命寺の不動明王
第60番札所横峰寺へ自転車を降り2.2kmの山深い遍路道を1時間10分ひたすら登る
波方行きフェリーは車も乗客も少なく、しまなみ海道の影響があるようだ、料金も値上がりしていた。
凪の瀬戸内海を船は滑るように進みデッキで爽やかな風を受けながら瀬戸の多島美を楽しむ。
船は順調に進み9時10分波方港に接岸、港の駐車場で自転車を組立9時40分に、第55番札所南光坊を目指
し4kmの道程を走る。
10時10分に南光坊到着、第6回目の自転車遍路のスタートである。本堂にお参りし続いてお大師堂に参り「般若
心経」をあげ、久しぶりのお参りで少し緊張しながら納経所へ行き掛け軸に納経印を戴き、みかんをお接待される。
南光坊から4km「しまなみ海道」の下をくぐり、
延命寺に到着すると、先ほどとは打って変わって多くのお遍路さん
で賑わっていた。
第57番札所 栄福寺 子持ち地蔵の紅葉が見頃  第58番札所 仙遊寺山門
第54番札所延命寺のお参りを済ませ第56番札所泰山寺に向かう途中「快速へんろさん」お勧めのセルフうどん
「がんば亭」に立ち寄りお昼のご飯にする。昼前の広い店の中は多くのお客さんで賑わっており、美味しいうどんで
あった。
お腹一杯になり自転車を踏む足にお腹が支えそうになりながら、第56番札所
泰山寺へ向かう。
改修工事中の泰山寺も多くのお遍路さんで混み合っていた。
第56番札所泰山寺から第57番栄福寺まで4km田んぼ道を、火事現場を横目に見ながら順調に走る。第57番札
所栄福寺は小高い丘の上に有り子持ち地蔵様の紅葉が綺麗であった。
第58番札所
仙遊寺へは山へ向けての上り道を4km息を弾ませながら山門まで自転車を踏む。
山門から境内に続く石段の道沿いに弘法大師が錫杖で掘り当てたと言われる。
「弘法大師御加持水」で喉を潤し元
気を戴く。
第59番札所
国分寺への道は、仙遊寺から伊予平野を見渡す坂道をいっき下り爽快な気分で有った。
途中農道を走り、何処を走っているか全く分からなくなったが、とにかく国道196号に向かう。国道196号を走って
いると、30年来の今治の旧友から電話が入り、途中のコンビニで待ち合わせることするが、走っても走ってもコンビ
ニが無い。とにかく目印になる場所を探し、国分郵便局で電話連絡をし、国分寺で待ち合わせる事とする。
第59番札所
国分寺は大変な人で境内は満員であった。お参りを済ませ友人と2年ぶりの再会をして、1kmほど離れ
た友人宅へ向かう。
第57番札所 府頭山   無量寿院  栄福寺 (ふとうざん むりょうじゅいん えいふくじ)

小高い八幡山(府頭山)のふもとに建つ。参道の石段を上りつめると石清水八幡神社。境内に入り、正面の一段高
いところに本堂、右手に大師堂、薬師堂が並んでいる。

第58番札所 作礼山   千光院  仙遊寺 (されいざん せんこういん せんゆうじ)

本尊の千手観音は天皇の守護仏でこれを刻んだ竜女が毎夜竜宮より灯明を献上したといわれる竜灯桜が残って
いる。

第59番札所 金光山   最勝院  国分寺 (こんこうざん さいしょういん こくぶんじ)

聖武天皇の勅願によって各地に置かれた国分寺のうちの一つで、天平十三年に行基菩薩が薬師如来を本尊とし
て開いたのが起源。南北朝時代の貴重な文化財や出土品が数多く納められている。
第59番札所 国分寺 別格10番札所 西山興隆寺の紅葉  鈍川温泉せせらぎ館
友人の配慮で、別格10番札所「西山興隆寺」に参拝と紅葉見物に車で行く。駐車場は満車で整理係の人が急がし
そうであり多くの人で賑わい、杉林の中を歩く参道は何とも言えない歴史を感じる事が出来た。
その後、
鈍川温泉に立ち寄り暖かいお風呂で一日の疲れを癒し、来島海峡大橋のたもとの料理屋さん「浜勝」で夕
食を戴く。友人が当初から計画をしていてくれたらしい。

 2001年 11月 24日 (土) 

  
友人宅発東予丹原経由〜60番札所横峰寺
61番札所香園寺62番札所宝寿寺
  
63番札所吉祥寺64番札所前神寺石鎚温泉JR石鎚山駅〜JR岡山駅〜JR西阿知着

来島海峡「磯料理 浜勝」さん 早朝の国道196号  横峰寺に向かう歩き遍路の団体さん
東予丹原の三津屋南の交差点で196号線から県道に入り国道11号大頭交差点目指すが高速今治小松道と松
山道側道で少し道が分からなくなり土地の人に尋ねようやく、歩き遍路道の横峰寺登り口大頭交差点に出た。
ここからは、西条柿の本場らしく収穫の始まった柿色一色の畑を左右に見なが緩やかな上りを快調に進む。
途中歩き遍路の団体に出会う、歩き遍路は普通1人か2人が多いが珍しく団体((4人)で歩いていた。
緩やかな上りも4km程で終わり、変速ギヤーを最低速にしてもまだ足りないような急勾配の上り坂を3km走り、よう
やく第60番札所横峰寺への歩き遍路上り口に到着する。ここから2.2km約1時自転車を降り歩き遍路に変身だ。
まだ余裕の表情 60番札所横峰寺上り  横峰寺お大師堂
せせらぎの聞こえる杉林の中を谷川沿いに上って行く、四国遍路が始まって依頼お遍路さんはこの道をひたすら
標高750mの横峰寺を目指した歴史の後が石仏や石作りの道標に残されていた。
自転車も難行苦行であるが、歩き遍路の上りは更に苦しい、足の筋肉がケイレンしそうになりながら愚痴を言いつ
つ1時間10分でようやく第60番札所
横峰寺の山門をくぐる。
境内は自動車道で上って来た団体遍路さんで混雑している。汗が冷えて寒さを感じ早々に下山する。歩き遍路は
自転車とは違い上り下り共に苦しい。
春は石楠花の花が満開になる 遅い豪華な昼食 近代的な造りの第61番香園寺
2kmの坂道を下り今度は自転車遍路に変身する。苦しみながら上って来た急な谷あいの坂道を一気に下り食堂を
探すが食べ物屋さんが見つからない、国道11号線を東へ走り
回転寿司「大長 寿舟」でお昼ご飯にする。
さすがに瀬戸内の海の幸が美味い、ついつい食べ過ぎる。満腹になったお腹をゆらゆらしながら又自転車を踏む。
東へ1kmほど走ったところへ第61番札所
香園寺がある。近代的な建物の大聖堂には、見上げるような金色の大
日如来があり、もくもくと般若心経を唱える。香園寺の納経所で団体遍路の添乗員と重なり受け付け待ちとなる。
納経を済ませ、急いで次の第62番札所
宝寿寺へ国道11号を東へ1km走り、団体遍路の先回りに成功する。
第60番札所 石鉄山   福智院  横峰寺 (いしづちさん ふくちいん よこみねじ)

八十八霊場のうち第三番目の高さにあり、境内からの展望は絶景。春は参道にはしゃくなげの花が咲き誇る。

第61番札所 栴檀山   教王院  香園寺 (せんだんさん きょうおういん こうおんじ)

寺は国道11号線をわずかに入った小松町のはずれにある。別に奥の院もあり、聖徳太子ゆかりのモダンな寺。

第62番札所 天養山   観音院  宝寿寺 (てんようざん かんのんいん ほうじゅじ)

国道11号線沿いで、交通の便のよい所にある。昔は分かりにくいところにあったらしく、境内は八十八ケ所の中
で最も古いといわれる石の遍路道標がある。
第63番札所 密教山   胎蔵院  吉祥寺 (みっきょうざん たいぞういん きちじょうじ)

境内にある八角堂は恵比寿・大黒・寿老人・布袋・弁天・福禄寿の六福神があり、本堂の本尊毘沙門天と合わせ
て七福神となる仕組みとなっている。

第64番札所 石鉄山   金色院  前神寺 (いしづちさん こんじきいん まえがみじ)

杉木立ちの参道を奥に、大師堂や御本尊の阿弥陀如来を祀った本堂のほか、石鎚山の神様である蔵王権現を祀
ったお堂がある。石鎚山の頂上近くには、別堂の奥前神寺もある。
第62番札所宝寿寺 第63番札所吉祥寺のお地蔵様 落ち着いた雰囲気の第64番札所前神寺
国道11号線沿いの宝寿寺から1.5kmの第63番札所吉祥寺へ急いでお参りし、更に東へ3km今回の自転車遍
路最終目的地の第64番札所
前神寺に到着する。境内は先ほどの団体遍路で賑わうお寺とは雰囲気が違い、杉
木立の中に冷たく静かな時が流れ静寂に霊気感じた。
前神寺のすぐそばのJR
石鎚山駅(無人駅)で自転車を分解して袋に納め、隣の「石鎚温泉」へ行き汗と埃を洗い
流す。自転車遍路成功の達成感に浸りながら、お湯に浸かると疲れた体にお湯が気持ち良く染渡り、湯上りのビー
ルを一段と美味しく感じた。
湯上りにビールで乾杯 JR予讃線石鎚山駅 特急潮風26号の車内
石鎚温泉で時間調整を行い、JR石鎚山駅からJR伊予西条駅まで鈍行で行き伊予西条駅から17時12分発の「特
急しおかぜ」26号
に乗車し1時間45分ゆらゆら揺れて何時の間にか夢の中、外の音の変化で眼を開けると「しおか
ぜ26号」は
瀬戸大橋の上に差し掛かり夕闇の瀬戸内海を航行する船の灯りが転々と光っていた。
岡山駅経由山陽本線西阿知駅に19時29分到着して無事第6回四国八十八ヶ所霊場自転車遍路を完結した。
二日目のスタートは、何時もの野宿とは違い、友人宅で暖かい布団で休ませて戴き体調も万全のスタートだ。
国道196号を第60番札所横峰寺を目指しひたすら走る。道の駅「湯の浦温泉」を通過する頃には体も温まり何時
もの自転車遍路スタイルで軽快に進む。