第3回 自転車遍路 四国八十八ヶ所 |
平成12年10月14日〜10月16日 第36番札所(清滝寺)から第27番札所(神峰寺) |
![]() |
|
竹林寺石畳の遍路みち |
10月14日
倉敷(高速バス龍馬エキスプレス)〜JR高知駅〜JR波川駅〜桂 浜
初めての高速バスに乗る輪行に出発!(龍馬エキスプレス=回数券利用で片道3000円)
岡山駅発、高知駅行き高速バス(龍馬エキスプレス)に、有城バス停で9時6分に乗車すべく、
8時25分に車で友人の奥さん(黒瀬さん)に迎えに来て戴く。有城バス停から高知駅まで、瀬
戸大橋・高知自動車道を経由して、1時間59分の快適なバスの旅を楽しむ。
(ほとんど眠っていて記憶が無い)
高知駅に11時15分に到着し、駅のレストランで早い昼食を戴き、高知駅発窪川行きの土讃
線鈍行に乗り、波川駅まで行き、自転車を組み立て、12時20分少し肌寒い風を感じながら、
初秋の土佐路を軽快に第35番札所清滝寺を目指し南に向かう。
35番札所 医王山 鏡池院 清滝寺 (いおうざん きょうちいん きよたきじ)
標高150mの境内から見下す田園風景は絶景。境内には左から観音堂、大師堂、本堂が並ぶ。
本堂前は巨大な薬師如来像がそびえる。その足元には、八十八段の厄除け戒壇もある。
36番札所 独鈷山 伊舎那院 青龍寺 (とっこうざん いしゃないん しょうりゅうじ)
山門を抜けると横に滝の行場があり、更に急な石段を百段以上登りきった所に堂が並ぶ。正面
に本堂・左に大師堂・右が薬師堂。本堂には漁師が奉納したという絵馬が多くかけられている。
34番札所 本尾山 朱雀院 種間寺 (るりざん しんぷくいん たねまじ)
田園風景の中を境内に入ると、本堂に続く参道の右側には地蔵堂、庫裏、大師堂が並ぶ。本堂
の左手には子安観音堂。また参道沿いにはちいさな地蔵群がずらり並んで参詣者を迎えてくれる。
前回(第2回)神峰寺を打ち高知周辺を第3回の計画としていたが、室戸岬から高知までの道程
が遠く、残して帰ったので、今回は第35番札所清滝寺から第27番札所神峰寺へ逆打ちとなった。
仁淀川の堤防を太平洋を目指して南下し土佐市に入り、工事中の高知自動車道の下を抜けて
35番札所清滝寺に着く。(ひときは大きく、中は真っ暗な厄除け薬師如来の中を一回りする)
土佐市市街を通過して、塚地坂トンネルを越えると太平洋が目に飛び込んでくる。宇佐大橋を渡
り朱色の鮮やかな3重の塔が素晴らしい第36番札所青龍寺に着く。
仁淀川河口大橋(自転車は無料)を渡り、多くのお地蔵様が祭られた第34番種間寺に16時15
分に着く。お参りを済ませた後は国民宿舎「桂浜荘」を目指しひたすら走る。
17時20分桂浜荘に到着し、電話で予約済みのお風呂に入り、高知の郷土料理とビールを戴き、
疲れた体を癒し、「坂本龍馬記念館」の駐車場でキャンプする。(水洗トイレ、水、照明有り)
夜中にお客様(暴走族)が来て、車の音がうるさくしばらくは眠れなかった。
(駐車場ではうるさいのも仕方が無い)
![]() |
![]() |
![]() |
青龍寺の水子地蔵 | 種間寺のちいさなお地蔵様 | ひぃーさん歩き遍路に変身 |
10月15日
(33番札所 雪蹊寺 〜 28番札所 大日寺 〜 琴ヶ浜松原)
朝は6時に起床、空はどんより曇り空、しかし雨の降るような兆しは無い。6時45分高知競馬場
近くの第33番札所雪蹊寺に向けて出発する。
お参りを済ませ境内の休憩所で朝食のお結びを戴いていた所に、沖縄から自転車で大阪まで走
り、9月初旬より大阪から四国歩き遍路中の東京都新宿区の磯崎さんにみかんの接待をして戴く。
33番札所 高福山 雪蹊寺
(こうふくざん せっけいじ)
境内にはいると正面に本堂。左側には通夜堂があり、お遍路が利用できる。寺の右手には長
曽我部元親を祀る秦神社がある。宝物館には重文指定の仏像が保存されている。
32番札所 八葉山 求聞持院 禅師峰寺(はちようざん ぐもんじいん ぜんじぶじ)
小高い山の上にあり、参道は険しい道が続く。山門から大きな奇岩の立ち並ぶ中を行くと子安
地蔵堂、さらに行くと本堂、大師堂がある。境内からの太平洋の眺めは雄大。
31番札所 五台山 金色院 竹林寺 (ごだいさん こんじきいん ちくりんじ)
五台山の頂上にある。二層の仁王門に続いて桜並木。石段を上った右手が重要文化財の文
殊堂(本堂)、左手が大師堂である。境内からは高知の市街、桂浜などが一望のもと。
30番札所 百々山 東明院 善楽寺
(どどざん とうみょういん ぜんらくじ)
市街地に位置している。二層三重屋根の鐘楼門をくぐるとすぐ境内である。正面に本堂、大師
堂があり、さらに姿の美しい多宝塔が建っている。
29番札所 摩尼山 宝蔵院 国分寺
(まにざん ほうぞういん こくぶんじ)
仁王門の上層部につるされている梵鐘、ならびに境内正面の金堂(本堂)はともに重要文化財。
優雅な姿の金堂は長曽我部元親が建立したものと伝えられている。その横手に大師堂がある。
38番札所 法界山 高照院 大日寺
(ほうかいざん こうしょういん だいにちじ)
三宝山西麓の丘の上にある真言宗の寺、大日寺。石段を登って山門をくぐると築山があり、手
入れの行き届いた前庭が美しく広がる。その先の奥の院に、伝空海作の”爪彫り薬師”が祀ら
れている。
第33番札所雪蹊寺を打ち、浦戸湾を無料の渡船(フェリー)で渡り、第32番札所禅師峰寺を打
ち、海抜144m五台山の頂きに有る第31番札所竹林寺へ、自転車を五台小学校に置き、石畳
の昔歩き遍路道を登りお参りする。(自動車道は登り口青柳橋からの一方通行となっている)
県立美術館前を通過して、高知市内を縦断し土賛線の高架橋を渡り、県道384を東に走り第3
0番札所善楽寺に着く。
お参りをしていると、和歌山から歩き遍路で来た83歳のお爺ちゃんが、3番札所で転んで足を痛
め、医者に帰るように薦められたが、自転車を購入して周っていると話してくれた。なんと言う精神
力なのだ、只、驚きである。 (****は、はなたれ小僧)
国分寺を打ち大日寺に向かう途中、自転車を止めて地図を確認していると、車で通り掛かりの
婦人が寺まで2kmを車で先導して戴いた。(四国の人はみんな親切である)
![]() |
![]() |
![]() |
歩き遍路の磯崎さん | 琴が浜松原 | 遍路の多い雪蹊寺 |
大日寺から国道55号へ出て、土佐湾沿いを走り手結海水浴場へ到着する。今日のキャンプ地
の下見のつもりであったが、2年後の国体ヨット会場の整備でキャンプの出来る状況では無かっ
た。港に多くの人が釣り竿を出しているので見に行くとキスとうるめいわしを狙ってっていた。
食事と風呂を電話予約した「国民宿舎海風荘」に向け急な上り坂を登る。宿泊客は月曜日でもあ
り少なく、一番風呂を戴き土佐の郷土料理(鰹のたたき)にビールで乾杯して、しばらく休憩する。
日の暮れた国道55号をキャンプ地を探しながら東に走る。初めての夜間走行であり昼間とは違
い照明が利かず走り難い。途中の酒屋さんでキャンプの出来る場所を尋ねてみたら、琴ヶ浜松原
を教えてくれた。太平洋の傍の自転車道沿いで水洗トイレと照明が完備している。キャンプの条件
は成立、直ちにテントを広げ酒を飲みながら本日の反省をして床に就く。
(暗闇にカップルの乗る車が多い所だ、何をしているのやら気に掛かる)
10月16日
( 37番札所 神峰寺折り返し 〜 JR高知駅 〜 倉敷 龍馬エキスプレス )
5時50分起床してみると、トイレ掃除の人や昨夜車の止まっていた辺りをお年寄りが掃除をさ
れていた。気持ちよくキャンプが出来るのもこの人たちのお陰だ。 感謝 感謝
6時45分一路安田町の神峰寺を目指し出発する。旧安芸駅横の食堂で朝ご飯を食べ、男は
つらいよ「寅次朗花へんろ」の舞台となる予定だった・・記念碑の「寅さん地蔵」にお参りして記
帳する。
8時30分国道を離れ心臓破りの坂を登っていると、初老の歩き遍路さんが降りてきて、「歩きも
辛いが自転車も大変ですね」と声を掛けてくれる。この先の道を尋ねると急な登りばかりとの事
なので、自転車を置き歩きに切替えるが、お寺参りではなくほとんど登山状態であった。二人と
も日頃山には慣れているがそれでも息が弾み苦しい。遍路ころがし「真っ縦」を征服して9時50
分ようやく神峰寺に登る。土佐の名水で手を清め良く手入れの行き届いている庭を通ってお参
りをする。
27番札所 竹林山 地蔵院 神峰寺(ちくりんじざん じぞういん こうのみねじ)
土佐第一の難所といわれる神峰寺。奥深い山の霊気がただよう境内には、鐘楼と庫裡があり、
長い石段を登ると本堂と大師堂がある。
![]() |
![]() |
![]() |
風天の「寅さん地蔵」 | お遍路を参道で見守っている | 神峰寺から室戸岬を望む |
神峰寺から観る景色は、室戸岬から高知市街方向まで一望出来、太平洋の蒼さが目に染みる。
下りは実に楽である、転がるように降りて行く。途中の青空市場で3個100円のトマトを買い、立
ち食いをする。ジューシーで甘く、乾いた喉を潤してくれた。
11時に安田町からJR高知駅に向け、先ほど走った国道55号を60kmひたすら帰る。季節も
10月半ばで、自転車で走るには程よい汗が出て走り易い。途中「いもケンピ」の喫茶店で糖分
補給をして、16時10分高知駅に着き、高速バスの案内所のお姉さんにお風呂屋さんを尋ね、
1.5km程走り「桜の湯」と言うお風呂屋さんで、汗とほこりで汚れた体を洗い疲れた体を癒す。
高知駅に戻り自転車を分解し輪行バックに入れ、駅のレストランで夕食を食べ、旅のお土産を買い
18時50分「龍馬エキスプレス」に乗るとすぐに夢の中に吸い込まれ、目が醒めてみると瀬戸大橋
の上をバスは走っていた。バスは予定より10分早く20時39分有城バス停に着いた。
バス停まで「正枝さんの手芸屋さん」に迎に来ていただき無事我が家に帰る。
今回の遍路も前回同様「はしれ!快速へんろ」さんの遍路地図をフル活用させて戴き、予定通りに
走る事が出来た事を感謝申し上げます。
合 掌