からさわ  ・  きたほだかだけ
2011年10月06日
    〜10月10日
涸沢・北穂高岳 3106m
(長野県:松本市安曇)




「涸沢に向けて登る」

ルート
〔1日目〕 (小梨平テント泊)

  倉敷〜総社IC〜山陽道〜中国道〜名神道〜東海・北陸道〜高山(あかんだな駐車場)〜平湯(バス)〜
  上高地(徒歩)〜小梨平キャンプ場
   
〔2日目〕 (涸沢テント泊)

  小梨平キャンプ場〜明神〜徳沢〜横尾〜本谷橋(昼食)〜涸沢キャンプ場

〔3日目] (涸沢テント泊)

  涸沢キャンプ場(北穂アタック)〜北穂高岳〜涸沢キャンプ場

〔4日目] (小梨平テント泊)

  涸沢キャンプ場〜本谷橋〜横尾(昼食)〜徳沢〜明神〜小梨平キャンプ場(入浴)

〔5日目] 帰路

  小梨平キャンプ場〜上高地(バス)〜平湯(あかんだな駐車場)〜飛騨高山(祭り見物)〜北陸自動車道〜
  敦賀IC〜小浜〜舞鶴道〜中国道〜山陽道〜岡山IC〜総社〜倉敷


8月の山行で、「剱岳登山」に同行した仲間が、雑誌などで「涸沢」の写真を観て「日本一の紅葉」を10月現地に行きたいと言う話がまとまり、4人でテント3張を背負い「日本一の紅葉」を観に、兼ねてから組んでいた工程をマイカーを使って実行に移した。

東海・北陸自動車道 ひるがのSA 「平湯」から「上高地」へ無公害バスで 土砂で狭くなった「大正池」
倉敷から高速道を走り、岐阜県平湯の「あかんだな駐車場」(1日500円)に到着し、登山装備を整え駐車場から「涸沢の紅葉」を思い浮かべ弾む気持ちでバスに乗り「上高地」を目指す。(往復料金=2000円)バスは平日の午後で有り空席が多かった。
「上高地」に到着 出発準備 「河童橋」から「岳沢」を望む 「小梨平キャンプ場」で野宿
「上高地バスターミナル」で明日の朝食と昼食を買い、「河童橋」から「岳沢」の向こうに連なる穂高の山並みを見上げ、「小梨平キャンプ場」に向かう。
受付(1泊一人500円)を済ませテントを張り、夕食(小梨平食堂)まですこし時間が有るので、「ビジターセンター」に行き、穂高の大自然の展示物を見学する。
「小梨平食堂」で夕ご飯 翌朝 テントをたたみ「涸沢」に向け出発 井上 靖 の小説 「氷壁」舞台
夕食は16時からオープンの「小梨平食堂」で簡単に済ませ、テントに戻り早々に寝袋に潜りこむ。
一夜明け、テントを撤収し「涸沢」に向けて歩き始める。「明神」までは観光客も賑わいを見せていたが「明神」を過ぎると大きなリュックを担いだ登山者が列を成して歩く、「徳沢」でお湯を沸かし、休憩の「コーヒータイム」を暫く楽しむ。
「徳沢」から「横尾」に向けて歩く 突然 手の平に蝶が止まる 「横尾」多くの登山者が休憩
「徳沢」から「梓川」沿いの山肌に色付き始めた木々がちらほら見え始め、1時間歩き「横尾山荘」の近くまで歩いた時、突然「蝶」が手に止まり、しばらく離れないのでカメラを取り出し写真に収める。
横尾山荘前の広場まで歩くと、座る所が無いほどの登山者が休憩を取って居る。(当然、トイレは長蛇の列)
少しの時間腰を下ろし休憩を取った後、少しずつ色の変わり始めた山肌を眺めながら登る。
登り・下り 所々渋滞が発生 「本谷橋」で休憩の多くの登山者 昼食をとり「涸沢」を目指す
登山道は次第に狭く成り、所々ですれ違い渋滞が発生する。約1時間で「本谷橋」まで登り、川原で多くの登山者と一緒に、上高地で購入した昼食をお湯を沸かしインスタントのスープで食べ休憩を取る。涸沢登山は「本谷橋」から本格的な登りが始まり足元も悪く成りリュックのベルトが肩にくい込む。
「涸沢」から表銀座(常念岳)方向 「ナナカマド」とアルプスの山並み 紅・緑・白の三段紅葉
登山道の頭越しの木々の向こうに「涸沢ヒュッテ」の茶色の屋根が見え始め、テント場のテントも見え、もう直ぐ「涸沢」に到着する事(リュックの荷物を降ろす楽さ)を喜ぶ。テントを張る場所の選択を「涸沢ヒュッテ」側からの道より、「涸沢小屋」からの登山者が少ないと予測し「ナナカマド」の壁に囲まれた、テントを3張り張れるやや狭いが空きスペースを探し早速テントを設営し設営許可(1泊一人500円)の受付を済ます。(気温は4℃で非常に寒い)
例年の紅葉は一段と赤く山が染まるそうだが、北アルプスの山並みを背景にナナカマドを中心にした紅葉が素晴らしく綺麗だった。
「パノラマ」コース分岐 岩壁が薄っすらと雪化粧 紅葉と涸沢岳・涸沢槍
「涸沢ヒュッテ」のテラスで名物の「おでんと熱燗」を戴くが、たちまち「おでん」は冷たく成り、「熱燗はぬる燗」となってしまった。テントに戻り、バーナーで思い思いの夕食を作り、ホットウイスキーを飲みながら温まろうとするが、次第に気温が下がり、テントの外には居られなくテント・前室でバーナーを焚き冷えた体を温め完全装備(三段構え)のシュラフに潜り込み、睡眠剤を飲み耳栓を付け眠りに付く。(夜中のテント内の気温−2℃)
「涸沢」に夕暮れが迫る (気温4℃) 一夜明け モルゲンロートに染まる 「北穂高岳」へ向け登山開始
一夜明け、山並みは差し込む朝日を浴び、「モルゲンロート」に赤く染まり行く景色を眺めながら、簡単な朝食を戴き、「北穂高岳」へのアタック装備を整え、涸沢小屋の横から山頂に向けて登山を開始する。
「白出のコル」 「ザイテングラード」 テント内 -2℃ 沢水が凍る 今日も穂高は快晴
雄大な「涸沢カール」を見上げると、鞍部の「白出のコル」に登る「ザイテングラード」が緑の背筋の様に連なり、足元の沢水は「ツララ」と成り凍り付き、昨夜の冷え込みが半端でなかった事を物語っている。
眺める先の空は雲一つ無く、アルプスの山肌が、ブルーのバックスクリーンに浮かび上がる。
ハシゴを登り岩を越え 「涸沢」のテントが豆粒に見える 「雷鳥」が草むらから現れる
枯れ場の沢を渡り、垂直のハシゴを登り、急な斜面を休憩を交えながら一歩いっぽ足元を確かめながら登る。振り返り、テント場を見下ろすと、平地一面(キャパ300張り)にテントの花が咲いている。雪の残る草むらの、日陰に突然「雷鳥」が2羽餌を探しながら目の前を歩き近寄って歓迎してくれる。
涸沢岳」へ縦走コースの「キレット」 「南稜」「北穂高岳」への分岐 日本の名峰「槍ヶ岳」が目前に
「南稜」への分岐まで登り、「涸沢岳」への縦走コースを横目にみて南稜の頂でお湯を沸かしお菓子を戴きながら休憩を取る。分岐に戻り、いよいよ北穂高の山頂を目指し枯れ場を登り、正面に望む「槍ヶ岳」は日本の名峰に相応しく勇壮な姿を見せてくれた。
「北穂高岳:3106m」を征服 宿泊人員80人「北穂高小屋」 北穂高岳から涸沢を眺める
頂きで記念写真に納まり、北穂高小屋まで下がり、記念にピンバッチを購入し下山を始める。下山中に一面のテントの群れの中から、自分達のテントの場所をようやく探し出す。
元気に涸沢へ無事下山 紅葉のナナカマドの垣根に囲まれる カールに無数のテントの花が咲く
枯れ場の多い、時折落石がある登山道を慎重に我が家(テント)まで下山し、寒さで身が凍りつく中を暖かい夕食とお酒を戴き、「涸沢小屋」のテラスに登り、カール一面に広がる色鮮やかな、テントの紅葉(約500張り)を眺めながら、同じテント泊登山者と山談義をしながらしばらく楽しむ。
日暮れと供に「涸沢ホタル」が燈る 一夜明け(−2℃)テントは霜で凍りつく ナナカマドの向こうに「北穂高岳
カールは次第に暮れてゆき、先程まで鮮やかに咲いていたテントが少しずつ・・・少しずつ「涸沢ホタル」に変貌して行く。
寒さの中、テント前室でバーナーを焚き体を温めシュラフに潜り込み眠りに入る。

一夜明けてみると、テントは霜で凍りつき、歩道の石畳の表面は氷が張り滑り易く危険な状態と成っていた。
テントを撤収し下山を開始 本谷橋で休憩を取る登山者 「横尾」のテント場も超満員
当初、予定していた下山コースを変更(昨日3名が凍結で滑落)し、登って来た道を下る事にした。3連休の日曜日であり、登りの登山者は次々と列の切れ間の無い位に登って来る。「本谷橋」まで下山し暫く休憩を取り又歩き始める。

横尾山荘まで下山しキャンプ場横の丸太の椅子をテーブルにして昼食を焚きお昼ご飯を食べる。(山荘にビール350ml500円を買いに行く)
足取りも軽やかに 疲れを見せず 穂高奥宮を奉る「明神」まで下山 「キャンプファイヤー」を囲む
横尾から徳沢まで1時間歩き徳沢の冷水で冷やした「信州りんご」お戴き喉を潤し、元気を取り戻し「明神」「小梨平キャンプ場」まで下る。上高地から平湯行きの最終バスの時間も迫り、当初予定していた平湯キャンプ場でのキャンプを変更し「小梨平」で1泊する事にした。(後で聞くとバス待ちの列が河童橋辺りまで続いて居た様だ)

小梨平で4日振りのお風呂に思う存分浸かり、サッパリとした体でキャンプに戻り、薪を焚き暖かい飲み物を戴きながら今回の山行を振り返り「キャンプファイヤー」を楽しむ。

標高差800mの気温の違いを体全体で感じゆっくり休む事が出来た。
翌朝 「河童橋」の向こうに「焼岳」 「平湯」「あかんだな駐車場」帰る リュックを車に納め帰りの準備
テントを撤収し、朝焼けに煙る「焼岳」「かっぱ橋」の向こうに眺め「上高地食堂」で朝御飯を戴き、バスで平湯「あかんだな駐車場」に戻り、帰り支度を整え、飛騨高山の知人を尋ね(高山は秋祭りの真っ最中)午後2時過ぎに高山を離れ、連休の高速道路の渋滞を避け、北陸自動車道・舞鶴自動車道を経由して岐路に着く。