通算39日目

平成17年3月30日 (水) 晴れ

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ビジネス旅館小松〜60番横峰寺〜61番香園寺〜62番宝寿寺〜ビジネス旅館小松


 今日は横峰寺(標高745m)往復でほぼ一日かかる、したがって今晩も小松旅館に泊まる事とし最小限必要なものだけを持って7:10出発。

横峰寺は昨年の豪雨で最近まで通行不能になっていたが高鴨神社コースは2〜300mの危険箇所を承知の上で行くなら上れるとの事。
なるほどすごい、尖った石だらけ、杉が倒れ道とも川ともつかない所を数百米上って行った。
急傾斜地にある細い道は至る所で崩落していたがなんとか通れた。
上ってゆくうち犬塚(83歳の爺ちゃん)さんがリュックを背負って休んでいた。
どうして荷物を旅館に置いて来なかったの?と聞けば「そうだったなあ!」
「じゃあ今晩の予約は?」
半分残った

道か谷か 倒木を越えて



(してない、まあなんとかなるじゃろ、空いてなくても昨日の手で行く)
犬塚さんのへんろは今年で三年目。
一昨年が1〜32番、二年目が33〜53番 
徳島、高知、松山・・・飛行機で往復するのでこうなったそうだ。
今回は最後の88番迄行って徳島港からフェリーで和歌山へそれから南海電鉄で高野山へ行って帰るのだと言う、すごいあやかりたいものだ。
彼は
  目的を持つこと
  行動すること
わしは散歩(朝から昼まで)、野菜作り、陶芸、燃料は松を切って割って焼いている暇などない忙しすぎる位だと言った。

犬塚さん83歳。アメリカ人37歳 余裕


でも一人だけで歩き遍路に行くと云うと家族の反対は?
「な〜に 家にいても粗大ゴミよ せいせいしてらあ・・・まあ携帯に毎晩電話だけはしてきとるがなあ」
この人耳が遠い以外どこも悪いところはないらしい背筋もぴんとして姿勢がいい。

外人遍路が下りて来たストックを二本持って大股で・・・犬塚さんは一昨日仙遊寺宿坊の風呂で一緒だったアメリカ人だと云って話しかけたがどうも通じない。
「せんゆうじ ふろ」・・・外人頭を傾げてる また同じことを言う ??!?
「石津」さんが横から センユウジ テンプル バス と云って二人を交互に指差せば・・・バスじゃない風呂だ 風呂で一緒だったんだ!

83歳我々より早い 女へんろに話しかける83歳


耳が遠いから大きな声でわめき散らすように云った。
やっと分かりあえて若い人のエネルギーを貰おう!握手して下さいと云って手を差し出した。
彼は37歳、殆んど日本語が話せないのに宿の予約をし地図を見て一人で歩くとは・・・
一人で歩きたいのになんとなく不安で「石津」さんに連れられて歩く自分が恥ずかしい。

我々が肥満体をもてあましながら上るうち犬塚さんは先に行ってしまった。
60番 横峰寺参拝後境内のベンチで寒さに震えながら弁当を食べた。
下りの山中で犬塚さんが足を投げ出し前かがみになっている、ばてたか!?
近づいてみるとなんとスケッチブックに鉛筆を走らせていたすごい。
我々が最後のようです下りましょう、山中の夕暮れは早いからと云えば・・・「そうしよう」。
犬塚・石津

彼が一番前を歩いた道標ごとに大きな声で読み上げ大きく指差し確認して進んだ、たいしたものだ。
山麓の61番香園寺参拝

62番 宝寿寺へ5時前着、納経していると長野の転勤遍路が来た。
彼は明日横峰寺へ上ると言う、「石津」さんが道を教えていた。

夕食のとき犬塚さんがブレザーを着て正座しているのを見て
「良かったですね」と言えば
「なんで わしだけが 毎晩こういうことになるんじゃ!浴衣を着て皆と一緒に食べたいよ〜!」とわめく様に云った

すると女将さんは 朝一言云ってくれたら一番いい部屋を取ったのに・・・何も云わずにリュックを持って行くから・・・もう・・・でも断れないから私の家に泊まってもらうことに・・・
旅館と肉屋を経営しているのだ、そう云えば昨日も今日も肉鍋、量も多いし実に美味しかった。

足の長いお姐さん遍路も来ていた、我々は二度もJRに乗ったのに実に早い、彼女は学生時代山岳部員で20kgのザックを背負って山登りしていたとか・・・看護士さんだそうである。

      歩行距離 22.3km  歩数 41658歩

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納経料 900
お賽銭 220
洗濯 200
小松旅館 5,720
本日計 7,040
累 計 390,853