野生の蚕 シンジュサンの観察記 No1
2003年7月
ビックリ!
ごみ出しのある日、勝手口からの裏通路で地面に黒い粒がいっぱいあるのを見つけた。
なにげなく木を見上げて「ウヒョウ〜〜!…びっくりしたなーもう〜!」
真っ白な体に黒い点々模様、そして体全体に突起物、丸々太った芋虫状のものがハグハグと
葉を食べている。体長は55mmもあり、それが17匹もいた。
黒い大きな糞
ぽろぽろしていて
箒で掃くと軽く
転がる。
大きな芋虫が
ハグハグと
ひたすら
葉を食べているなんなの〜これは…? 気持ち悪〜い、見たこともない怪しい生きものだ〜?
などと騒いでいると娘が冷めた声でぽつりと一言…「ネットで質問してみれば…」そっか!その手があったのね。
この木は塀ぎわに自生したもので名前は知らないが、葉は椿に似ていつのまにか2mくらいに育った。
家のすぐ側が山なので種が風か鳥に運ばれてきたらしい。
ネットで質問早速丁寧に答えてくれました。
「これはシンジュサンというヤママユガ科の大型の野蚕(野生のカイコ)の幼虫と思います。
キハダ、ゴンズイ、シンジュ等の葉を食べて5cm位に育ち、やがて繭を作るはずです。
私はまだ成虫にも幼虫にも会ったことがありませんが、憧れの蛾です。最近激減しているそうです。
天然記念物にもなっている日本最大の蛾のヨナクニサンは、このシンジュサンの近種です。
アジアの国々では繭から糸をとっています。」そうなんだ〜!野生の蚕〜!正体が分かってちょっと安心!
それにしても本当に親切…ネットっていいもんだね、今更ながらに感心!ほんと今更なのよね。答えてくれたのは「一寸野虫」さんで、昆虫のことなら何でも知っている虫博士。
昆虫の名前などは沢山の収集画像を参考にしたり質問したり…度々お世話になっています。
「一寸野虫」さんのHPです。→繭になった
画像を送りまた教えを請う。
繭は葉の上に作ら
れており、枯れても
風雨さらされても
落ちないように
枝と葉はしっかりと
糸で繋がれている羽化間近の
8/11の繭
片方の葉を
食べ尽くし
たので
寄り集まって
作られている「羽化のタイミングははっきりとは判りませんが 2期目の成虫時期が8〜9月とされていますので
8月には羽化するのでは?成虫画像楽しみにお待ちしております。」という返事を頂いたので、8月に入ってからは羽化を心待ちに様子を見る毎日…
そして12日外出先から夕方帰宅し、何気なく見に行くとなんだか黒いものがぶら下がっている。一瞬パニック…!でも「ヤッター!羽化したんだ〜」と早速夫に知らせ、私はデジカメを取りに
家に駆け込んだ。すでに成虫になり、羽を広げたりすぼめたりして飛び立つ予行練習をしているようだ。
羽を広げたら12cmもある…それにインパクトのある模様…60余年を生きてきて初めて見て…「感動したっ!」
でも繭から出る瞬間から撮りたいものだと、翌日からは何度も何度も見に行き
家事はすっかりおろそかに…(^^ゞ そして夫も巻き込んで観察に大童…
シンジュサンは話題も会話も感動も乏しくなりがちな私たちに新鮮な活気を与えてくれました。そして3日目の夕食前のこと…(ちなみに、わが家の夕食は100年1日の如くきっちり6時開始!)
結婚以来やむをえないとき意外はほぼ守られて、子供の友達には不思議がられたことも度々…
「オーイ 早く早く〜!」と呼ばれたので大慌てでデジカメ片手にバタバタと飛び出す騒ぎ…
近所の人は一体なにごとが起きたのだ〜? と不審に思ったかもしれない…?