三協
◆だんじりの姿

 屋根から車台の梁まで全体に黒漆を塗り上げる。屋根は唐破風の造りとなっている。破風の上の鬼板は、瑞雲の模様の中に宝珠を浮き彫りにする(前後とも)。その上には鳥衾が長く突き出ている。前後の破風下には、瑞雲の文様の中に12弁の菊花紋のはいった懸魚(げぎょ)を吊るしている。軒下に疎垂木(まばらたるき)囃子座に擬宝珠高欄、台座の四隅に金色に輝く錺金具を張り付けていて印象的。幕板・車台に彫刻はみられない。軒下には、天幕の赤い布を張りめぐらして巡行する。黒い車体に赤い天幕、粋でしゃれただんじりである。
 舵棒の長さは6m、引き綱は約100m。引き綱の鐶が、車台の前に一対。車輪は鉄製で4輪(内輪)。車台の中に入っているため、前の車輪と後ろの車輪の車軸間が短めである。

だんじりの歴史
 町内の老人によばれ、このだんじりは明治時代に製作されたものといい、あるいは琴浦のだんじりの中では、最も古いものとも伝える。なお、他集落の古老の話によると、傘鉾・三協・内田・岡熊のだんじりは江戸後期すでに存在していたと聞いているともいう。
 だんじりは、戦前は屋根が布張り。何回も修理を重ねたが、昭和27年(1952)ごろ現在のような木造の屋根となった。また、車輪は昭和60年ごろに木製のものから鉄製のものに取り替えた。

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