◆だんじりの姿
唐破風は流れるような曲線をもち、その両端から少しはね上がる。上に載る鬼の顔は厚い板の材を用いて、彫りが深く、巻き毛が目を惹く。鳥衾が鬼の頭上にあり、その先に左三つ巴文がみられる。吊られた懸魚は、前部後部とも鷹と老松である。そして同じ鷹ではあるが、目と口の部分に差があり、右下隅の松の部分に広狭、左の羽の線の流れにも違いが認められる。軒の下に19本の疎垂木、頭貫の木鼻に瑞雲の文様が彫り込まれている。赤い天幕を吊って巡行する。
囃子座は錺(かざり)金具のついた擬宝珠高欄をつける。台座の4面、各々の端と中間に金具を張っている。なお、中間の金具には左三つ巴とボタンの花の文様が刻まれている。◆だんじりの歴史
製作は、昭和24年。作者は東明石の松成棟梁、彫刻は下の町高橋、使われた錺金具は京都の仏具屋から取り寄せたという。
平成4年に車輪軸受けの梁が折れたので補強のうえしばらく使用していたが、平成8年に車台を解体し梁2本を取り替えた。天幕は平成9年に新調した。