烏ヶ山


標高 1448m    難易度 ☆☆☆    登り90分 下り60分  鳥取県
倉敷からの距離   129Km        登頂日 ’96/07/27   ガイドブック 

 駐車場9:21−10:02尾根−10:50山頂11:145−12:13駐車場

登山
 烏ヶ山(からすがせん)標高1448mは鳥取県では大山に次ぐ高峰である。大山山系の南東の端にそびえる岩峰。大山循環道から見ると頂上付近がそそりだっており相当手強そうに見える。名前も烏天狗が出るような深山の様相を呈する。ある本によれば、頂上付近は切れ落ちた絶壁で遭難の多い山。と三ツ星。他の本によると 尾根筋のクライミングが楽しいショートコースと記載し一つ星。登頂を狙っていた山である。

 蒜山の気温29℃ 鏡ヶ成26℃と心持ち涼しい 鏡ヶ成は標高900mある為、累積標高差は550mと登る高さは大した事は無い。遭難が多いとか、岩峰とか厳しい表現が出ているので 天気も安定し、登山者も比較的いると思われる時期を選択した。支度を整え9:21駐車場を出発 県道を関金方面に行くと10分程度で新小屋峠に着く。左手に烏ヶ山登山口とありそこに入る。ブナ林の中で歩きやすい。小鳥の声も涼しげに聞こえる。大きな木々に囲まれた木陰のゆるやかな登り道をゆく。少し登りがきつくなった所で尾根筋に着く10:02であり新小屋峠から丁度30分である。烏ヶ山の山頂を臨む事が出来る。

 ここから尾根筋をたどってゆく 道はしっかりした道が出来ており ルート選択の心配は全くない。勾配は急になり、岩石の露出した所もあるが ロープが設置されている このあたりはまだロープに頼らずとも登ってゆく事が出来る。中高年の登山学で歩き方を紹介していた。かかとを付け、足全体をしっかりホールドする 歩幅は狭く、疲れが出ないスピードで登るとの事。意識してかかとをホールドするようにして登る。山頂の険しさが予想されるのでゆっくりしたスピードで登ってゆく。それでも汗はタラタラとしたたり落ちる。

 高度を上げてくると、岩石の露出した部分が多くなり ロープを頼りにしながら登る。 白い標柱が岩の上に立っており、見晴らしも良い。 そこを越えると岩場があり ロープを頼りに登る ここはロープが無いと登れない。登り切った所が山頂である。大きな岩がゴロゴロしており 尖った山頂で あまり空間はないが、それでも 数十人はゆったりとくつろげる。山頂到着10:50 所要 90分。

 山頂にはすでに2パーテイ7名が到着し、皆上着を脱いで裸になり 山頂の涼風を満喫していた。私もグッショリ汗まみれの上着を脱ぎ、心地よい風にさらし涼風の心地良さを味わった。知る人ぞ知る山の醍醐味である。

 眺望は何も遮るものが無い 大山がすぐそこに俯瞰出来る 蒜山三座も重なるようにして眼下に広がる 高い視点から見ると大分見えるものが異なる。

 花はヤマアジサイが登山口から山頂まで、あちらこちらで出会う事が出来た。山頂にゆくほどブルーが濃くなる気がした。ヤマジノホトトギスにも出会う事が出来た、特徴のある花弁である 植生があるのか あまり見たことの無い蝶類と思われるものが花弁に群がっていた。山頂ではシモツケと言うのか 淡紅色の小さな花が咲いており 厳しい山頂にも明るい花が咲いており 心なぐさめられる。岩場を登りきった所にも出迎えるようにして咲いている姿も心を打つ。

 一休みし昼食や山頂の涼を楽しみ下山11:15。岩場の下りはなかなか難しい。どのようにして降りるのが良いかわからないが、登りと同じ姿勢で、足場を確保しながら下る。岩を背にするとリュックが当たり、背中を押すような形になりあぶない。身体が揺れるような変動を与えるとロープの揺れが生じ、身体をホールドするのが難しくなる、一歩の幅を出来るだけ少なくし変動を来さないようにして下る。ほんの数メートルではあったが、かなりヒヤヒヤしながら降りた。登頂する時はロープも用意されているし 足場もしっかりしているから三ツ星の山と言えるかと思ったが 今日は天気も良く 良い条件下であったからであり 環境次第ではそれなりの難しさを持つ山だと 再認識した。特に下山時に注意が必要だ。子供連れは足場の確保が難しく登頂困難である。

 難しい部分は山頂付近の急勾配をロープを利用しながら降りる部分でありそこを過ぎると、ブナ林の中を小鳥の声を聞きながら下る 下りは白い標柱の所を登ってきた方向とは別のルートにとり 鏡ヶ成国民休暇村に直行する道を進んだ。

 国民休暇村の芝生でネジバナを見つけた。ネジバナにはチョットした話がある。今月の始めに法事で東京に出掛けた。義理の父母の法事であるが、お墓にネジバナが咲いておりうれしかったとの義理の姉に教えてもらい ネジバナなるものを知った。万葉の時からと歴史のある花のようであるが 可愛らしい。そうして見ると、なんと水島のコンビナートの芝生にも生えているのを見つけた フリーテニスのコートの近くにも咲いていた。淡紅色の小さな花がネジレタようにして咲いている 東京でもそうだったが 二本の花が一対となって咲いている姿に良く出会う 先週訪れた健康の森でも一対のネジバナを見つけたし、今日の花も一対をなしている。可憐な花の一つと言えよう。

 駐車場には12:13着 約60分の下りであった。


アプローチ
 国道429号から県道30号経由で落合に出、313号に入る。313号を湯原までゆき米子道に。湯原〜蒜山の高速道路600円を支払い、蒜山から鏡ヶ成国民休暇村へ。そこが登山口にあたる。