後山 女人禁制の奥の院


標高 1345m    難易度 ☆☆     登り60分 下り45分 さまよい100分   岡山県
倉敷からの距離   129Km        登頂日 ’97/03/23   ガイドブック  F

駐車場9:45−滝−さまよい−駐車場11:25−12:25後山奥の院12:40−12:55沢13:05−駐車場13:35

登山
 花の本によると後山は3月にレンギョウと記載してある 雪が心配であったが以前95/10に訪れた事があったので行ける所まで行くつもりで出掛けた 結果的には後山の山頂に行けず後山奥の院を尋ねた

 すでに車が2台駐車していた 続いて走ってきた車の人からここは女人禁制なのか尋ねられた 後山は女人禁制ではない 後で記す後山奥の院はこれより女人禁制との記載があるが後山への登山道はそうした心配は一切無い

 展望台経由で登ってゆく(後で気が付いたのだが前回は駐車場を少し戻った場所に登山道入口とありそこから登った)比較的急な登りであり眼下がどんどん開けてくる 木々の芽生えなのか枝先が薄紅色を呈し山肌をうっすらと染めてくれる 一つ一つの木ではそれほど色鮮やかというものではないが纏まると鮮やかに見える 常緑樹の緑とのコントラストも良い

 こんな道だったかといぶかりながら進むと滝に出た そこが行き止まりのようだ 記憶が交錯し後から考えると後山でなく滝山での記憶であったが 感じが良く似ている 滝山では滝に行く手前に登山道の案内と滝への案内があったのでどこかで見落としたのではないかと戻って探す 案内の表示は無いがルートがついているので登って行くとだんだんと険しくなる 以前の道と違うと思い(だが登り口が違っている事と滝山の状況と混同している事がまだわかっていない)戻り更に探す 途中に分岐がありルートが続いているのでそこに入る

 ルートには残雪がありだんだんと雪の量も多くなる 雪はやらかく時々ズブーとはまる ルートが次第に怪しくなるが火気注意の立て札がありそうおかしな所を歩いているのではないと一安心しながら更に進む 傾斜が急になり雪も少し堅くなってきた事から軽アイゼンを付ける 軽アイゼンを付けるのは始めてである 那岐山や御岳山で氷結した状態は滑りやすく危険なので購入しておいた 雪道なのでルートの確認が怪しい そうしている内に沢に出る ガイドブックを見直し読むが状況が異なる 沢でのルートも読みにくい これ以上進むとルートを見失う危険があるので断念し戻る

 結局,後山に登るのは断念し奥の院に行く事とした なんと奮闘する事2時間近く 順調に行ければ充分山頂に着いている時間だ

 展望台入口に登山ルートを示す絵が記載してある 滝の下を行く絵が記載してある 滝の所をそのまま進めば良かったのだろうか 滝の下を行くルートがあったのだろうか 不明である 滝山の時の記憶が錯綜したのが間違いの根本で 滝から戻って上に登るルートしか探さなかった


 後山奥の院
 展望台登山口に行者山登山道の案内があり そちらに向かう 良い道がついている 滝が現れ小さな庫裏がある そこを過ぎて少し下ると分岐があり行者山の案内に従って左折する そこからは渓流沿いの道である 道路脇に32丁と記載した立て杭がある 一丁毎に記載があり奥の院が初丁となっているので目印になる 渓流は雪解けの水であろうドウドウと流れている 勾配が急であちこちに滝があり楽しませてくれる

 23丁の所に滝に打たれて修行出来る水垢離場があり,これより先女人禁制の門構えがある 誰かがいてチェックしているのではないが本に記載してあるのによると女人禁制のルールはまだ生かされているようだ

 そこを過ぎると更に道が厳しくなる ルートを見失って沢に入ってしまった沢沿いに登って行くのは大変で奥の院まで行けるのか心配しながら進む 水量が多く容易では無い ステイック(これも今回初めて利用)を持って来ていたのでステイックで支持点を確保し進むが それ以上進むのが困難になってきたまた,ルートの目印になる22丁が見つからない ルートミスをした可能性があるので戻って周辺を良く見ると 沢に行かずにそのまま登って行けば22丁があるのがわかりほっとする

 同じようなミスをした人が沢山いたのだろう 往復する事でルートが固められかえって正常のルートよりくっきりとルートが見える おかしいと思ったら元の地点まで戻る事が基本 また,ヤブなどでは戻れるように目印を付けて進む事もポイント

 22丁へのルート以外は特に問題ない 沢を渡る所では木橋がかかっておりロープまで渡してある 一丁づつ目印がはっきりしているので安心である 3丁あたりになると雪道である 雪質は柔らかく滑る心配は無いので軽アイゼンは付けずに進む

 奥の院は素晴らしい 数十メートルはあろう断崖を背に本堂がある 本堂を建てる場所を確保する為か,これもかなりの高さの石垣を積んでいる 前面は開け後山の山並みを前面に見渡す事が出来る 黄色の花があちこち咲き,うっすらと山肌に彩りを与えてくれる これがレンギョウなのであろうか? 残雪も見える 天気は良く太陽の日差しが暖かく感じられ,実に気分が爽快であるとはいえ奥の院の水飲み場では薄氷が張っているのを見ると気温は低いのだろう

 後山にそのまま登っていたらこちらまで足を伸ばせたかわからない どこで良い事があるかわからない ちなみに標高は1000m程度と地図から読める 着替えをし爽快さを充分堪能してから下山 途中の沢で一休み 先ほど使った軽アイゼンが泥にまみれているのでこれを洗い流す のどかなひとときである 一休み後駐車場に

 駐車場から車を出してすぐに後山登山道の案内があった ここから登れば良かったと反省 家に戻ってどこの滝と記憶が錯綜しているのかを調べ 滝山である事がわかった


アプローチ
 大原への道は久々である 吉井川沿いの方が景色も良く走りやすいので県道96号から和気に抜け国道374号を走る 佐伯天神山や妙見山など見覚えのある場所を過ぎる 吉井川のゆったりとした流れが目を楽しませてくれる 所々ガスがかかり幻想的な叙情を醸し出す 美作から179号に入り県道5号で大原に向かう県道5号沿いは吉野川が楽しませてくれる 川幅は吉井川に比べものにならず狭いが情緒のある護岸を見る事が出来る 大原ではマラソン大会が開催されるようで大勢の人が校庭に集合していた