中蒜山から上蒜山縦走


上蒜山 標高 1200m 中蒜山 標高 1123m
難易度 ☆☆     登り70分 縦走45分 下り60分 自動車道70分  岡山県
倉敷からの距離   120Km        登頂日 ’97/06/21   ガイドブック  F

塩釜10:02−一合目10:10−二合目10:18−三合目10:25−四合目10:31−五合目10:36−六合目10:43−七合目10:50−八合目11:00−尾根分岐11:05−11:12中蒜山山頂11:23−上蒜山分岐12:03−12:08上蒜山12:18−12:37八合目12:52−五合目13:10−上蒜山登山口13:30−塩釜14:40

登山
 台風7号の影響で半ば断念していたが、天気予報によると雨の心配は無さそうなので蒜山の花に期待し尋ねる 塩釜から中蒜山1123mに登り上蒜山1200mに下りる 上蒜山は3度目になる

 蒜山は3度目になるが塩釜からの登山は初めて 前回蒜山三座の縦走を行った時高校生が団体で塩釜から登っていた 尾根道から見た塩釜方面の下りはかなり急勾配でありどのような道か尋ねてみたいと思っていた 駐車場から少し戻った売店の左手に登山道入口がある 登山道入口のすぐ脇に日本百名水で有名な塩釜の冷泉が出ている 冷水を水筒に入れてゆくと良い 登山道分岐には道標がありまた,一合目から一合毎に標識が立っている

 登山道入口からカッコーの鳴き声が聞こえる それもかなり近くで この所山に登る都度連続してカッコーの鳴き声を聞いている それまで鳴き声を聞いた記憶が無く本当に鳴いていなかったのか鳴いていても私には聞こえていなかったのかと不思議な感じがする 山に登ってゆくに従い声が遠くなり 時には聞こえなくなったりする 遠くからの鳴き声は聞き分ける耳を持たないと判別しにくいようにも思われる 自分の耳の感度があがって聞き分ける事が出来てきたのかも知れない

 中蒜山の登山道は粘土質であり昨夜来の雨で滑りやすい 下りは要注意である 登山道入口にヤマアジサイが可憐な花を咲かせていた 幸先良いと期待を持ったがそれからは余り見るものが無い 登山道の両側は笹で占拠されており花に出会える期待が少ない ササユリが一輪花を咲かせていた可憐な中にもしたたかな力強さを感じる比較的急な登りが続く 5合目で傾斜が少しゆるやかとなり一息入れる事が出来る それも少しの間でまた登りに入る 7合目から更に傾斜がきつくなりロープが準備されている しかしロープを使わなくても登る事が出来る程度であるのでさほど心配はいらない(ロープは計3箇所あったが最初のロープは傾斜も急でなく何の為にあるのかわからなかった程度) 8合目を過ぎると視界が開け見通しがきくようになるが生憎の天候でガスが出てきた ちらっと見えた裾野の景色もガスに遮られてしまった もう一息頑張ると尾根の分岐に出る 中蒜山と下蒜山への分岐である ここを中蒜山方向に進む 尾根道の傾斜は緩やかになり歩きやすい ヤマツツツジが迎えてくれた

 山頂ではガスの為何の眺望も得られず 汗でぐっしょりになった下着を着替え麦茶を飲む 裸になり山頂の涼しい風に当たりながら冷えた麦茶を飲む こたえられないひとときである

 尾根道を上蒜山に向かう ヤマツツジがあちこちで花を見せ,サワフタギが白い花を咲かせている ヤマボウシに出会った花の本を調べると4枚の大きな花弁に見えるのは総包で花は中央の球形の部分と記載してあるその花弁のように見える総包が目立つ 白の縁にピンクがかったものもあり微妙な色合いが素敵だ

 上蒜山山頂に行っても視界がきかない事は知っていたが、ここまで来たので尾根の分岐を山頂に向かって進む 一昨年訪れた時(この山登り記事の最初の山)は分岐から山頂に向かう道は笹が相当生い茂りかき分けて進まざるを得なかった 露の為に身体がびっしょり濡れてしまった事を思い出したが今回は笹を切り開いてありかき分ける必要はない 山頂も山頂らしく周辺を切り開き誰が見ても山頂とわかる 一昨年では笹の葉の中に埋もれるようにして上蒜山山頂と記載した立て札があり本当に山頂か危ぶんだものだった この1,2年で一段と整備が進んだようだ

 上蒜山山頂から上蒜山登山口方面に下山する 途中の尾根道には100年を越すブナの純林があり鬱蒼としている そこで見たのはツルアジサイである 巨木にまつわるようにした一つの大きなかたまりが鬱蒼とした中でぼーと白く見える あれは何かと驚きの目で見た よく見ると白いアジサイの花 花の本によるとツルアジサイらしい 高い木や岩をはいのぼって伸び、白い花を咲かせるころよく目立つと記載がある山陽新聞社から「蒜山 花とくらし」と題した写真入りの本が出ているがその本にはこのツルアジサイの写真が無い これほどの写真を載せないのは腑に落ちない 

 下りの8合目の場所は槍ヶ峰と呼ばれで眺望が良い ガスが晴れてきて見晴らしがきくようになってきた 前面に南に伸びている尾根筋があるがその尾根一面にヤマツツジが咲いており大変美しい この景色も素晴らしい 一昨年6月始めにはタニウツギが山の側面をピンク色に染めるほど咲いていた記憶がある 今日はヤマツツジがそれに替わって美しい群落を見せてくれる 目を左に移すと蒜山の山裾が広がる 新緑の緑が一段と濃くなってきている その中に幾つかの真っ白な花の集団を見つける事が出来る 遠望であり花を確認する訳にはゆかないが 木の大きさからみてヤマボウシであろうと予測される

 上蒜山の登山道は花が豊富だ 中蒜山の登山道が笹道で木陰であるのに対しここは太陽を遮るものが無く太陽のエネルギーで充満している 今の時期は花の種類が少ないようだがそれでも黄色や紫の花があちこちに咲いている 紫の花はウツボグサと呼ぶのであろうか先日訪れた外国山でも目にした花であるが、蒜山で見るとまた格別の感じがする

 上蒜山登山口から塩釜まで約6Km程度あろうか 歩いて車の所に 途中道の駅蒜山高原(4/23オープンの由)のそばにニシキウツギが花を咲かせていたピンクと白との花が混じり合って咲き美しい 歩いているとこうした思いがけない花などに出会えるのも楽しみである

 帰路 湯原の温泉に寄り一浴び、140円の町営浴場に入る 湯原の駐車場は土曜というのに空いている 岡山自動車道が出来て逆に少なくなった感じがしないでもない 温泉の湯の中で出会った方は児島から来られ,月に一度は尋ねているとの事 山登りも良いですよと話たら 今度は登ってみようかと話しておられた

 
アプローチ
 国道429ならびに313で落合−勝山−湯原を経由し中蒜山登山道入口の塩釜に 塩釜では道なりに一番奥までゆくとレストラン兼売店がありその前に空地があり駐車出来る