倉敷からの距離 108Km
登頂日 ’97/01/05 ガイドブック A
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10:00神社−10:45乢−11:35井水山11:45−12:351198mピーク−13:30山頂13:45−14:101198mピーク−14:35井水山−15:11乢−15:46神社
本格的?な雪山は初めて 泉山(いずみがせん1209m)に挑戦する雪山登山の経験は殆ど無いに等しいので 泉山の登山コースもAコースを選択した神社を過ぎた地点に数台駐車出来るスペースがあり そこにすでに神戸ナンバーの車が駐車しており 先に登っている人がいる(大きな安心材料)
泉山登山口入口 Aコース山頂まで4.5Km(一般コース)の標識に従い山道に入る 登山道にはまだ雪は無い 桧の樹林の急傾斜である 桧か杉か? 日本の樹木と言う本を購入し、違いを調べた 葉の形から何とか区別がつくようになった 先日TVで幸田露伴、幸田文の話があり 父(露伴)は杉と桧の区別がつかない奴は物の本質を見る眼が無い という話を聞いたことがある 分類でもスギ科とヒノキ科とに別れている事も知った それにしても区別がしにくい
25分程登ると道路脇に雪が見えて来る 早めに軽アイゼンを着装する 渓谷沿いの道を一曲がりするとそこは雪だった 木々は白く雪化粧し、そこに木漏れ日が射し美しい まるで別世界に飛び込んだ様だ
桧と杉そしてブナやコナラ等の落葉樹の道を過ぎ、乢に出る 雪景色が前面に広がり 近くの山も顔を出す 西の方角には比較的高い山が多いのか雪に覆われた白く薄化粧をした山が顔を見せる 南の方角は雲海で そこから一部山が頭を出している 雲海に浮かぶ山々のコントラストが素晴らしい 冬の景色はこんなに美しいのかと見とれる
雪面を歩くとズブーと沈む 30cm程度の積雪がある 先に登った人の足跡がありそれを忠実に従いながら登ってゆく 木々の小枝には氷と雪が付着している 重みでたれ 道に覆い被さるようにしている そこを潜ると付着した雪が落ちてきて首筋やリュックにかかる それを何度も払い落としながら登ってゆく 知っている登山道とは言え 足跡が付いているので心強い 雪は次第に深くなる ラッセルしながら先に登った人はさぞ大変だろう だけど新雪をラッセルして進むのも気持ちが良いだろうなどと気楽な考え方をしながら登ってゆく
高度があがるにつれ視界が広がり 雲海の広がりや冠雪した山々が更に広い範囲で見えるようになる 太陽の日射しが雪景色の美しさを強調してくれる 木々には氷とその上に雪が積もり、氷の部分が輝いてみえる 氷や雪がさぞかし重い事だろう 大きなカーブを描き必死に耐えている ストックでたたくとそれらがパラパラと落ちスクッと伸び伸びした姿に戻る こちらもその下を歩く時雪をかぶらないで助かる 雪が深くなるにつれ足跡があるとは言え一歩一歩が大変になる 時々ズボーと足が埋まる 前に登った人の跡でも埋まったりする 最初に登った人の困難さが思いはかられる
そうこうしている内にやっと井水山山頂に 山頂の眺望は素晴らしい 真っ白に冠雪した大山が遠望出来る 那岐山も冠雪している この一週間で大分積雪した様子だ
山頂では先に登られたご夫妻が休憩されていた ラッセルして貰った事を感謝するご主人の話では最後には足があがらなくなったとの事 後から登ってきても乢から50分要している 7月にこのコースを登った時点の所要時間を調べると35分弱で登っているので随分と所要時間が異なる それだけハードと言えよう
ご夫妻から話を聞く 雪山登山は大分経験しており 雪の大山にも登った事がある由 大山の夏山登山道は雪に埋もれてしまい そこは急勾配の斜面があるのみ そこを登ってゆく 相当ハードだ 軽アイゼンでは無理で最低6本爪位は必要だ 山頂の山小屋には2階の窓から入ってゆくとの事 冬の大山は格が違うようだ
話していると山頂の気温は1℃だとの事 温度計も持ってきている様子 後で知ったが カンジキを持っており また 簡易スノーボードと言うのかプラスチックのボードを持っており緩斜面の下りはそれに乗って滑って降りていた また,折り畳みのフォームシートを持っており,それを広げて座り休憩していた 私はそうしたものを持っていないので座る所も無く立ったまま汗で濡れた上着を着替えた
ご夫妻が休まれているので それでは今度は私がとばかり 泉山山頂を目指して尾根道を進む なんと 一歩進むとズボーと膝の近くまで埋もってしまう 力の加減なのか 雪質の相違か分からないが埋もれない所もある 下り坂で調子良く歩が進んでいる時に突然埋もれると大変である 足が抜けなく 埋もれた足に加重がかかる 慎重に歩を進めないといけない ズボズボ埋まる所は更に大変である 悪戦苦闘しながらなんとか1198mピークに着く 井水山から50分要した ちなみに7月は20分弱である
1198mピークでは大神宮原から登ってきた女性の方と出会った 雪景色が素晴らしいと大喜び 一緒に登って来た人がいるので迎えにゆくと言って戻って言った そのルートから登ってくると 1198mピークで突然視界が開けるのでさぞかし感興した事だろう
泉山山頂までもう一息である 夏山なら10分少々で行けるのであるが もう一息が大変 登りになると前進するのにものすごいエネルギーがいる 膝頭程度まで埋もれている 一歩踏みだし 階段で2段位の高さまで足を上げ体重をかけるとズズズと埋もれほんの数センチしか進まない 登りと言ってもそれほどの急斜面ではないが思うように足が進まない 井水山からラッセルを初めて1時間半を過ぎ疲労も溜まって来たのか 足があがらない あと数十メートルと言うのにどうしようかと思っているところに先に登っておられたご夫妻がカンジキでスイスイとやってきた 大変でしょうなと言いながら先に行く 先に進んでもらってカンジキで踏み固められた事が大いに幸いして その跡を登るとズボーと埋もれる頻度が著しく減少し なんとか山頂までたどりついた 夏山10分の工程に50分も要した ご夫妻が来られなかったら、もっと時間がかかっていただろう
山頂に立ったは良いが天候が曇って来て 風も冷たい 汗をかいた下着を着替え早々に下山 ご夫妻は今度はプラスチックのボードをお尻に敷いてサーと下ってゆく さすが雪に慣れている様子 登って来たルートとは言え ズボズボと4〜50cmの穴にひとつひとつ足を入れ進んでゆくのは容易では無い でも一度付けたルートなので安心感がある 天気が急に悪くなり ガスが深くなってきた どうなるかと心配したが それもほんのひとときでガスは消えたので一安心 登りと違い曇り空 天気が晴れやかな時の雪景色は明るく輝き実に美しいが 曇って薄暗くなると 恐ろしさを感じさせられる 戻りのルートもはっきりしておりルートの心配は無いのだが 雪の世界のなせる影響か 気が引き締められる
雪の無い所まで降り 一安心 神社まで山頂から2時間 出発してから5時間半を越え 相当ハードな登山であった リュックの重みが肩にずっしりかかり 車に下ろした時はほっとした
自宅に戻り 風呂に入って足を見ると 膝下に打ち身のようなあざが両足に幾つもついている ズボーと埋もれた加重を受け止めてくれた事に感謝する
429経由は道路凍結の心配があるので安全を見て53号経由とする 津山から179に乗る 今朝は久々の好天で期待が高まる、福渡りの辺りからガスが出て来た 院庄を過ぎてもガスが晴れない 苫田ダム予定地に近づく辺りでガスが晴れ周辺の山々が顔を出す それらには雪が見えない 先日来雨が降ったがこの地域も雨だったのか それならもう少し北の山を考えれば良かったかと思っている矢先に真っ白に雪化粧をした泉山が顔を出す 期待通りであり緊張感と共に胸がはずむ 奥津中学前を右折し泉いわ神社のところに駐車