駐車位置10:56−11:25三合目−11:40五合目11:47−12:37八合目−12:47登頂断念−12:52八合目13:12−13:32五合目−13:39三合目−13:59駐車位置
上蒜山1200mをこの時期に尋ねるのは初めてだ 湯原までと考え出掛けたが道路状況が良く、足を伸ばした 雪の状況は全く違う雪に覆われた牧場は様相を一変する 目前に聳える山と広大な裾野と 何と素晴らしい景色だろう 雪の面はあるがままの姿で,そこには自然が彩なすフォルムが形成されている スキーをしに雪山を尋ねた事はあったが,これほどの感動は無かった感じがする ただ一人で真っ白な雪の中に立っている事 周辺に足跡などの人工のものが少ない事などが こうした感興を呼び起こすのだろうか
少し進むと登山道沿いに沢山の足跡がある 上蒜山スキー場からの登山道であるこの分では安心して登れる 足跡があるとはいえ時々足が埋もれる 積雪は50cm程度はあろうか 足が埋もれるとペースが取りにくい カンジキの跡が残っているこのような雪面の歩行には有力だ
登山口から登りに入る 杉木立の急坂である 木漏れ日が射し込み 太陽の暖かさと 雪の白さと 堂々と聳える木立と 何故か荘厳な気持ちにさせられる 杉木立を過ぎると二合目 雪原が広がり五合目のピークが目前にせまる 左手に目をやると上蒜山スキー場がのぞめる スキー場の騒音が聞こえてきて荘厳ないい気持ちになっていたのが 人間の世界に引き戻される しかしその雑念よりも目前に広がる景観の美しさに心を奪われる
高度をかせいでくると皆が山の後ろに烏ヶ山や大山が顔を出す 烏ヶ山や大山は白一色である 五合目の少し上のピークに着く 足跡はここまで ここからスキー場に降りてゆくルートがあり スキーをかついでここまで登ってきているようだ 上蒜山に登るのが目的ではないようだ さてどうするか 山頂は見えている ルートは明確体力がどうか? そこで二つのルールを決める 13時までに行ける所までとする膝以上に埋まらない範囲とする まだまだ雪山は初心者であり 何に留意したら良いかノウハウが無い 装備も不十分であり慎重に事を運ぶ必要がある
尾根道の雪は南の面に雪がせり出しており あごに乗ると雪と共に落下するのではないかと思われ 尾根ぎわのルートを避け ブッシュが生えている側を選び登ってゆく 雪は適当に締まっており膝の半分が埋まる程度 ストックをさすと全部埋まってしまうので積雪は1mを越えているようだが新雪でない為か深く埋まる事が無くすすむ事が出来る この程度で進めると随分楽だが・・・
傾斜が少しあると登るのが大変になる 足をけ飛ばすようにして雪面に固定し滑らないようにする 力をかけるとズズズと足元が下がる それをくり返しながら登ってゆくので雪がない時の何倍もの時間がかかる 蒜山は五合目までの登りは結構急だが尾根沿いのルートは勾配が急であったという記憶がない しかし雪の場合 ほんの少しの距離でも勾配が急だと そこをクリアーするのに随分と時間がかかる
場所によって雪面が氷結している アイゼンの爪が地面を捉えてくれると安定するが軽アイゼンでは足元がこころもとない 一歩一歩着実に歩みを進める そこは幸い傾斜が緩やかであったし,氷結範囲が狭かったので滑っても大した事は無いと思われ気持ちに余裕があったが 足元をしっかり固める事は何事に於いても重要な事と実感する その為に必要の施策はきちんと行う事が肝要 ここではアイゼンの必要性を理解する事が出来た
五合目から八合目までになんと約1時間も要した ピークは目前でありもう少し進む事とした 10分程進むと雪は更に深くなり膝まで埋もれるようになってきた タイムリミットも間もないので そこで前進する事を断念し八合目に戻る
八合目は一つのピークになっており360度の景観が楽しめる 高度を稼いだ分だけ皆ガ山など手前の山が低くなり 後方の烏ヶ山や大山の眺望が得られるようになる矢筈ヶ山や甲ヶ山そして船上山が良く見える 小矢筈まで見える これらの山々は鳥取県の山で白さが違う
眼を反転させると 裾野に広がるなだらかな斜面 そして中国山脈の山々を望める これらの山は似たような形で区別をつけ難い 中には白さが際だっている山がある 山頂付近に木々が少ないのだろうか 大山の正面に位置する三平山が特に目立つ 目を足元に戻し,登ってきた足跡を見る 尾根筋沿いに足跡が続いている 自分の足跡である 汗と共に一歩一歩の重みを感じる事が出来る
汗をかいた下着を着替え 暖かいお茶を口にすると暖かみが口の中を充満する 口を暖めておかないと口が思うように動かず食べるのに苦労する事もわかってきた 暖が何よりである 暖かいお茶を飲みながら 雪山に立ち景色に同化する 大きな自然の恵みに感謝の気持ちを込めて
下りは随分と楽だ 気温が少し下がってきた為か五合目の急斜面の雪が固くなってきている 気温の変化も頭に入れておかないと 往きはよいよい帰りは・・・となる固くなってきているとは言え適度な固さでむしろ埋もれる回数が減り順調にくだる2時間程かかった登り道であるがくだりは50分程度 3時間の雪山遊びであった
追記:登頂後蒜山高原に立ち寄った 国民宿舎前のなだらかな牧草は格好の子供達の遊び場 プラスチックのボードで滑って遊んでいた スキーをしている人も無く なだらかなのでスピードも出ない 白い空間の中で安心して遊べる
国民宿舎横の食堂の先に白樺林がある 駐車場は除雪されていたが 白樺林は雪の中 生憎登山靴を履き替えていたので中に入らなかったが 白樺と雪景色は画になる大山蒜山循環道は大雪全面通行止の表示が出ていた
当初の計画は櫃ヶ山、国道429ならびに313で落合−勝山を経由して進む雪景色に全く出合わない この時期の429を走るのは久々である 落合の気温が−2℃と相当冷え込んではいるが道路が凍結したり、残雪など見られない 櫃ヶ山の登山口に着いた1000m程度の標高があり山頂付近は白く雪化粧をしているが 周辺には雪が見られない この分では湯原の先に行けそうだ チェーン無しで行ける所まで走ってみようと蒜山を目指す湯原に近づくと雨乞山が白く雪化粧をしており 登山口にも雪が積もっている 畑にも白く雪が積もっており わずか進むだけで状況が変わってくる 313の湯原のトンネルを抜け中和村に出ると 真っ白に雪に覆われた山が眼に飛び込んで来る それだけでも来た甲斐がある 道路は除雪されており、道路脇に残雪が寄せられている路面は通常と全く変わらない 道路脇の畑は真っ白に雪に覆われており実に美しい 蒜山三座が見えてきた 白く覆われ神々しい感じがする
どの山に登ろうか 人が登っている山の方が安心なので 中蒜山を選ぼう 登山口まで近づけなければ313沿いの犬挟峠から登れる下蒜山にしようかと思いながら進む塩釜方面に登る道路も除雪され中蒜山登山口まで問題無く車で行けた 塩釜の冷泉付近ですでに30cm余りの積雪 キャンプ場も雪で覆われ白一色で美しい 登山口には人が登った形跡が見られない 登り始めたが当初から靴が雪に埋もれるようではこの先の困難さが予想される 中蒜山登山道は尾根まで登らないと眺望がきかない このまま進んで良い景色を見ないまま戻るのは残念だし 頑張って無理をしてもいけないと考え 急遽上蒜山から登る事に変更 上蒜山であれば眺望が良く 適当な所で戻っても良いから気楽に登れる
そこから上蒜山登山口を目指す 登山口に向かう牧場への道路も除雪してあり牧場のわずか手前まで進む事が出来 そこに駐車