駐車位置10:38−10:51登山口−11:20ゴロ谷川との分かれ−11:28安蔵峠−11:35鉄塔−11:46712mピーク−12:23山頂12:39−13:121Km点−13:37野営場−13:53鷲峰の県道−14:34駐車位置
鷲峰山(じゅぼうやま920m) 登山GuideBook 中四国・兵庫の山百選に記載の鳥取の山 ブナ林が美しい独立峰と紹介されている 二ツ星の山集落の人に登山口を聞きルートを確認する ガイドブックにはじゅぼうやまとルビをふったものとじゅぼうさんと両方あった その方はじゅぼうやまと呼んでいたのでその名前を用いる
今日の天候は曇り 走っている途中ラジオで米子道は雨で路面が濡れ滑りやすいので注意との放送,奥津付近では霧雨がぱらついたりして心配な天気 山はガスがかかり山頂を見る事は出来ない 降られるのを覚悟で出掛ける
駐車した位置から5分程川沿いに登ってゆくと「鷲峰山登山道4.3Km」の標識があり 標識の近くに駐車出来る そこから舗装道路を標識に従い登る 8分で登山口に そこから登山道に入る ノアザミ ヤマツツジ ヤマアジサイが咲き楽しませてくれる 谷川の瀬音と小鳥の声を楽しみながら登ってゆく 登山道の脇にサンコウチョウの紹介がある この地域の鳥のようだ 尾が長くツキホシホイホイと鳴くとそうだ 色々な小鳥の鳴き声がするがそれらしい声は聞こえてこない
いつの間にか谷川と離れ 高圧線が見えてくると安蔵峠は近い 峠を標識に従い左に曲がる ヤマボウシが花を咲かせ出迎えてくれる トランプのダイヤの形をした白い大きな4枚の花弁が挨拶してくれる 良く見るとあちこちで咲いている 霧が立ちこめており白い花がぼやーと霞んで見える
安蔵峠を曲がり鉄塔を過ぎると傾斜がきつくなる 丸太の階段を一歩一歩登ってゆく ササユリとアマドコロが花を咲かせ ねぎらってくれる ササユリが咲いているのを見るのは久しぶりだ 咲き始めは薄いピンク色をし、次第に色が白くなってくる 小さな花しか見られない中でササユリの花は目立つ ヤマツツジも咲いている 那岐山や蒜山で見たヤマツツジ(尾根に広い範囲で咲いている)の印象があり これはと思う花に出会えなかったが 橙色の花は色調を与えポイントを稼いでいる
急な登りを越えると712mのピークに出る そこで3名のパーテイーと出会う 中高年男性のパーテイで鳥取の山のガイドブックを持っておられた サンコウチョウの鳴き声について質問したら 今は時期では無いのではとの回答であった 休まずお先に失礼する
そこからは登り降りはあるものの長い登りは無く尾根歩きを楽しむ ブナやコナラの落葉樹林である 相変わらず小鳥の声が聞こえる トッキョキョカキョクと聞こえる鳴き声(松浦さんのエッセーにホトトギスと紹介されていた)や木をこすり合うようなギイギイギと言う鳴き声 鶯もすぐ近くで美声をひびかせる ほっーほっー(これもMさんのエッセーにアオバヅクと紹介されているが夜に鳴くそうなので違うか?)と低い声で鳴いているのも聞こえてくる
ブナの原生林に入ると山頂は近い ブナは純林で無く他の木々が混じっているので少し迫力に欠けるが大きく育ったブナの姿は美しい 毛無山や大山のブナ林と感じが似ている 900mそこそこの標高でこれだけのブナが生育しているのは珍しいのではなかろうか 5月の連休の頃には下草にイワカガミやドウダンツツジが花を咲かすとの事 オオカメノキも花を咲かすようだ 今の時期はどの花もお目にかかれない 霧に霞むブナ林の写真は好きな写真の一つとなった
山頂には展望台があるが生憎の霧で展望はきかない 尚、三角点は山頂の手前にある
登りは何ら問題なかったが さてくだりにかかろう ガイドブックには幾つかのコースが紹介されており どのコースを降りても良いと記載があり 同じコースを降りるよりはと鷲峰キャンプ場コースを降りる事とした 登ってきた道と同程度整備されているものと読んでルートにとりかかった
三角点の方向に戻り少し行くと標識がある だがそちらに行く道には白い細紐が渡してある 何を意味するのか? 山頂に行くのに間違えないようにという意味か この先歩行困難通行止めの意味か? 山頂に行くルートと比べ道幅が狭くなっているものの明確についており 前者の意味と受け取り 行ける所まで降りてみようと紐を跨いで先に進む
道は次第に荒れ ルートに草が覆ってくるようになる 丸太の階段がありルートはしっかりしている このような状態ではこの先が心配なので引き返そうかと一度は戻りかけたが 登山道の整備は登山口からであり山頂はどちらかと言うと最後に整備されるはずである 山頂からのルートがそこそこ整備されているので荒れているのはほんの一部でこれを過ぎれば大丈夫だろうと考え,降りてゆく事とした
されどさにあらず 草は更に繁り 足元が見えなくなる 丸太の階段を足元が見えない中くだるのは大変である ストックを持ってきていればストックで確認して降りる事が出来るが ガイドブックから見てストックは必要無さそうだと判断し車に置いてきてしまった 足元を確認しながらこわごわと体重移動しながら降りてゆく
そのうち丸太の階段も無くなり ルートが草に覆われてしまう 全面草である,植生が異なるなどかすかなシグナルを頼りに足元を留意しながら見えないルートを降りてゆく 傾斜が急で足を滑らし尻餅をついた事も何度か ジグザグに降りてゆく所では道を踏み外し谷の方に滑り草木につかまり這い上がったりしながら降りてゆく ここまで来るともう戻る気は無い 進むも戻るも同じだろうなんとか降りて達成感を味わいたいと言う気持ちになる 登りであると山頂というご褒美があるがくだりでは?
足元が見えないのは実に大変である ちょっとした岩や木にもバランスを崩す 斜面は滑り易くおまけに笹のように身体を支えてくれるしっかりした草木が無い 尻餅をつきながら滑って降りる そのような事を繰り返しながら なんとかルートを失わず降りてゆくと 突然鉄の手すりが現れ,それに続き手すり付きの階段に導かれる 階段を降りるとそこは山頂から1Km地点であった まさに悪戦苦闘した下山であった ズボンは露や尻餅をついた為グショグショ靴も同様グチャグチャ靴下までグチャグチャになっている 今から考えれば軽アイゼンを履けば随分と助かったのにと思うが全く思い付かなかった
ここまでくれば後は大丈夫だろうと気持ちを楽にして進む だが、渓流を渡る所でルートを失う ルートがわからないので渓流沿いに下って行くが 降りられない場所があり渓流沿いを降りるのでは無さそうなので 元に戻り再度ルートを探す 植生が異なる事に目を付けて進むとルートにぶつかり事無きを得た どこでルートを失ったか不明だが一筋縄では行かない この登山道は難度が高い事を覚悟してかかる必要がある
鷲峰神社横を抜け県道21に出る 道路脇の石垣にユキノシタがハの字の白い花を一面に咲かせていた これほど咲いているのを見るのは始めてだ そこからは河内川の流れを楽しみながら県道を約4Km歩き車の所に ここまで幸い雨に降られる事は無くその点は助かった
帰路53号で黒尾トンネルを通り岡山県側に顔を出すと薄日が射しており 一山越えることにより随分と天候が異なる
先日若杉山に行く際 人形峠が走りやすかったので179で人形峠を越え 三朝温泉の標識に従い県道21に入ってゆく 三朝温泉の街並みを抜け、三徳山投入寺を過ぎ、峠を越え、河内川の橋を渡る そこが河内の集落で橋を渡り右折すると登り口に着く登り口まで行かずに、川沿いの空地に駐車 156Km帰路は鳥取に出、53号経由のルートを選んだ 176Km と20Km距離が長かった県道21ならびに53は走り易い道 しかし、交通量が多く3時間30分を要した