姫逃池駐車場7:00−7:15休憩所−7:38標高900m−8:00山頂−山頂展望台8:10−8:19尾根下り口−8:38コル−8:54子三瓶山頂8:59−9:12風越−9:22孫三瓶山頂9:25−9:35風越−9:46鳥地獄−9:57奥の湯峠−10:12大平山山頂10:22−10:35女三瓶山頂10:42−10:53兜山−11:03ユートピア−11:21男三瓶山頂11:29−12:07駐車場
三瓶山(さんべさん1126m)は島根県の代表的な山 男性的な大山に対し優美な山容から女性的な山と称されている 全山縦走を目指す 登山GuideBook 中四国・兵庫の山百選に記載の三つ星の山朝食を6時にお願いしたら、そんなに早くは出来ないと言われ おにぎりでもつくって冷蔵庫でも入れておいて貰えないか依頼したところ 快く対応して貰えた 5ヶもおにぎりを作ってくれたので残すのは悪いと思いかなり無理をしてお腹に詰め込んだ こんなに一度にご飯を食べたのは学生時代の合宿以来の事だ お腹も驚いた事だろう 宿泊した湯抱温泉は柿本人麻呂の終焉の地だそうだ
湯抱温泉から三瓶山までは21Kmあった 早朝の山道を走る 三瓶山東の原はスキー場になっており 草原にはすでに人が出ていた 更に,青年の家の方向に走り 青年の家手前の駐車場に駐車 そこは三瓶自然館の裏手にあたり 登山口の正面に位置する 支度をしていると車が入って来た 登山者のようだ 登山口を尋ねたがその方も初めてのようで一緒に廻りを見回すとすぐ標識が見つかった
登山口を入るとまもなく標高600mと記載した小さな標柱がある 標注は標高差50m毎にある 山頂は1126mであるので標高差は500mそこそこである ルートは良く整備されており分岐点には標識があり分かり易い 今日はガイドブックに従い三瓶山縦走を目指す ガイドブックに記載のコースタイムを集計すると5時間25分となる かなりの長丁場であるし、昨日から連続である事からペース配分に配慮しながら登る
朝7時からの登山は初めての経験 実に爽快である 空気もおいしいし何と言っても朝の柔らかな太陽の日射しは実に素晴らしい 小鳥も楽しげな歌声をあげている サンコウチョウ キビタキ クロツグミ オオルリを紹介した標識がたっていた どの鳥がどのような鳴き声をするのかわからないが たしかサンコウチョウはツキホシホイホイと鳴くと説明があった事を思い出した だが,これだけ入り乱れて鳴いていると区別がつかない
柔らかい朝日に浴びた木々の姿は実に美しい 光と影が写真の基本だと聞いた覚えがある 真上からの太陽光線と違って横から光線があたっているので影の出来方も趣が異なる 大山などで朝早くから登山をしている人に出会うが納得がゆく
登山道にはツルアジサイ ヤマジノホトトギス アキチョウジ オオカニコウモリ ツルニンジン サラシナショウマ ホソバノヤマハハコなどの花を見つけた 朝の日射しに映える木々や小鳥の声を楽しみながら登ると1時間程で山頂に 山頂ではかなり風が吹いている 汗をかいた身体には心地が良い 登り道は勾配のきつい連続した登りは無く 少し登ると勾配の緩やかなルートとなり一息入れる事が出来るので随分と楽なコースだ
山頂はススキの原 ススキの穂が出だした所 風に大きく揺れている ススキの間からコオニユリが橙色の花を咲かせている ナデシコ フウロソウ ツリガネニンジン キンミズヒキと色鮮やかな花が顔を見せる
男三瓶の山頂は懐かしい場所である 確か94年の企画室の旅行で三瓶山に登った 私は現在のような登山経験は無く人に付いていっただけであったが 小雨の中を西の原のススキの原から男三瓶に登った ガスがかかっており標識だけが山頂を示してくれていた そして避難小屋に入り込んだ覚えがある ガスで一部分しか見えなかった 山頂は全体が見えなかっただけにすごい所に登ってきたという感じがした
その時と比べると今日は遥かに眺望がきき 山頂周辺のススキの原を一望出来る 山頂のススキの原は気持ちが良い 男性的な大山と女性的な三瓶山と対比されているが 山の形そのものにもあるが大山北壁のガレ場と三瓶山頂のススキの原と正に好対照と言えよう
山頂からの遠望は生憎きかない 昨日登った琴引山や大万木山が望めるはずであるが少し距離があると見通せない 大山も見えるらしいが全くわからない 子三瓶に向かう方向に展望台がある こちら側からガレ場を覗く事が出来るが規模は小さい また高山植物を保護している地域もある ダイセンクワガタ ダイセンオトギリソウ ホソバノヤマハハコを紹介していた 花はホソバノヤマハハコだけであった
山頂から山頂周辺の散策は実に快適 ルンルン気分である 花もあちこちで見つける事が出来る オミナエシ ヤマジノホトトギス ツリガネニンジン フウロソウ ホソバノヤマハハコ ホタルブクロ シシウドなど そうこうする内に尾根の下り口に着く 正面にこれから尋ねる子三瓶のピークが見える 立っている所が標高1100mでここから850mまでくだり子三瓶(961m)まで登ることになる 子三瓶の曲線が美しい
こからの下りは結構ハード 標高差250mであるが傾斜がきつい ルートは直線的に出来ておりこのルートを逆に登ってくるのは大変だと思う 急な下りを降りると『落石注意立ち止まらずに通り抜けるように』と注意した標識がある 通り過ぎてから振り返って見ると男三瓶の崩壊部分の下を丁度トラバースするルートとなっている 足元には落石があるような兆候は見られないので滅多に落石は無いのだろう この急な下りは岩が多く花はあまり見られない
コルから子三瓶に登る尾根は一変してなだらかな草原 マツムシソウが新たに顔を出す 後ろの男三瓶の姿を振り返り振り返りしながら山頂へ 山頂からは男三瓶とそこから女三瓶につながる外輪山ならびに孫三瓶を望む事が出来る
子三瓶から孫三瓶(907m)は尾根沿いで眺望もきき気持ちの良いルート 高原ハイキング気分で歩ける 風越は子三瓶と孫三瓶のコルの位置にある ガイドブックのルート図では孫三瓶には風越から登って風越に戻ってくるように読めたので往復したが良く見ると,風越に戻らずに孫三瓶から尾根伝いに次の目的地である大平山に登るのであった 1/25,000の地図を注意して見ればわかったのだが少し遠回りしてしまった
風越から室内池方面に降ってゆくと鳥地獄という場所に出た 少量の二酸化炭素などの噴気があり岩石の変成風化 昆虫や小鳥の死骸が見られ火口活動の名残を示すと説明があった 異変が見える訳ではないが気持ちが悪いのでそこそこにその場を過ぎる そこから大平山へのルートに入る 鳥地獄から奥の湯峠への登りは緩やかな登り湿気が多く ミズヒキやハナタデが咲いている フシグロセンノウがかなり沢山の花を咲かせていた この花も湿気の多い所を好むのだろうか
奥の湯峠で孫三瓶からの下りのルートと合流する 風越〜奥の湯峠の約20分が遠回りした計算になる 奥の湯峠から大平山の尾根道もこれまた穏やかな道 道の右手の有刺鉄線のフェンスがあるのが不自然だが結構花も多く 歩くのは楽でルンルン気分も良い所で足を伸ばし気持ちよく歩く アキチョウジ オミナエシ マツムシソウ フウロソウ ツリガネニンジン ツルニンジン ホタルブクロなどが随所に花を咲かせていた
大平山は東の原からのリフトで登るとすぐである 子供連れなどドライブのついでに登ってきた人がかなりいる リュックを背負い登山靴を履いていると違和感がある 子供達が不思議そうな顔をして見ている 汗でぐっしょりしているので そちらの方が不思議だったのかも知れない 大平山は標高854mである 男三瓶と子三瓶のコルの高さに相当する 女三瓶は目前に見えるが男三瓶〜子三瓶〜孫三瓶とぐるりと取り囲んでいる様子を俯瞰出来る 登ってきた山々が俯瞰出来るのはうれしい
大平山から女三瓶(957m)のルートは道も広く整備され難しい所は無い 多くの人が登っている 山頂にはテレビ中継塔などが立っている
ガイドブックでは女三瓶から北の原に下山するルートとなっているが このルートは前回下ったルートであるし 北の原から駐車場まで歩くよりは男三瓶まで行く方が良さそう また外輪山を完全に一周するのも気持ちが良い
女三瓶からは50mほどくだり それから登りとなる 兜山とかユートピアとか標識がある 兜山と言えど山頂らしくない 兜のように見えるからなのだろうか? ユートピアは大山三鈷峰のユートピアとは規模が違う どのような理由でこの名前をつけたのだろうか 先入観があるので名前負けしている 少しはアゴを出すかと思っていたがアゴを出す前に男三瓶の山頂に再度立つ 一周した事により余計達成感を味わう事が出来る
下山はあっと言う間である
三瓶山に行くには地図を見ると三次から54号に入り、琴引山より手前の三日市を過ぎてから国道184に入ると良さそうだ しかし、走っている途中三瓶山方面を示す標識に気が付かなかった 頓原で大万木山へ右折する際 反対側にかんぽの宿三瓶への案内があった ここから入ろうかと思ったが地方道であり国道の方が走り易いだろうと判断し わざわざ引き返して184に入ったが 国道とは言え道幅が狭くカーブが多く走りにくい なんとか狭い道を抜けて合流した広い道は頓原からの道であった(帰路その道が頓原に行く道である事を確認した) 三瓶山に行くには頓原まで54号で行きそこからかんぽの宿三瓶の案内に従って左折する事が好ましい アプローチの距離と時間は昨日の頓原の結果にに三瓶山駐車場から頓原までのものを加算している三瓶自然館の奥に位置する駐車場に駐車する
三瓶自然館に立ち寄り 西の原経由で帰る 西の原ではクロスカントリーの競技が行われていた三瓶のわさび漬けを購入する わさび漬けは前回尋ねた時に教えて貰ったもの わさびの茎などを原料にして漬けたもの 購入後もずっと探し続けていたが見つける事が出来なかった 久々に懐かしい味を味わう