下蒜山〜中蒜山〜下蒜山



中蒜山 標高 1123m 下蒜山 1105m
難易度 ☆☆     登り80分 縦走往復140分 下り47分  岡山県
倉敷からの距離   117Km        登頂日 ’98/09/23   ガイドブック  F

犬挟峠9:49−10:10三合目−10:23五合目−10:35雲居平−10:42七合目−10:50八合目−11:00九合目−11:10下蒜山山頂11:20−11:50フングリ乢−12:03小鳥の声−12:35分岐12:40中蒜山山頂13:00−13:04分岐−13:17フングリ乢−13:35トリカブト−13:58下蒜山山頂−14:05九合目−14:12八合目−14:15七合目−14:20雲居平−14:25五合目−14:33三合目−14:40尾根分岐−14:45犬挟峠

登山
 2週間前に上蒜山から中蒜山を尋ね 多くの花と出会った 今日は下蒜山(1105m)から中蒜山(1123m)を尋ねてみたい

 登山口に案内板がある 現在位置犬挟峠514m〜雲居峠854m〜下蒜山1105m〜フングリ乢800m〜中蒜山1123m(数字は標高) 犬挟峠〜下蒜山2.4Km 下〜中蒜山3Km 往復約10Kmである

 登山口は草がもうもうと生えているがめぼしい花は見る事が出来ない サワヒヨドリが控え目に出迎えてくれた 登山口から尾根まではクヌギやコナラなどの自然林の中を行く つい最近まで雨が降っていたのだろう 木の葉は濡れ 登山道には水が出ている 小鳥の声も無く 淋しい登山 薄暗い状況も余計寂しさが増す

 すぐに尾根に出る モリアザミ ツリフネソウ ヤマハッカ キンミズヒキなどの花が早速お目見え 環境が変わるとその環境に適合した花々が顔を出す ヤマハッカはシソ科であり湿気の多い所を好むようだ ツリフネソウも川沿いなどに良く見る事が出来る ツリフネソウの花の形は良いのだが その形がすぐにくずれてしまい なかなか写真に撮れるような美しい形の花に出会わない

 三合目から五合目にかけて鎖が設置されている 鎖が無くても大丈夫なルートではある 黄色のミヤマアキノキリンソウや白色のシロヨメナが所々に顔を出す シロヨメナの名前は自信が無い シロツメグサ ゴマナとどう区別を付けてよいのかまだわからない あちこちで出会う花なのでそろそろ区別が付けられないといけないのだが

 五合目から雲居平の周辺は実に素晴らしい マツムシソウがあちこちで顔を出す リンドウも負けじと顔を出す 天気が悪いので花が開いていないのが残念ではある ウメバチソウの群落もある まだつぼみの状態もあり花開く前のういういさをたたえている オケラも見つけた ツリガネニンジンもまだ花を残している ホクチアザミという花のようだが対で花を咲かせている タムラソウも咲いている ヒメノダケと言うらしいセリ科の花も咲いている幾何学的模様が美しい 兎に角素晴らしい、この辺りの景色はまだまぶたに残っている

 良い所ばかりでは無い 笹の葉が茂ってルートを覆っている所が何カ所もある 足元が見えず ぬかるんでいる所もあるが それ以上にまいったのが笹の葉の水滴 スパッツをすぐ着ければ良かったが思い付くのが遅く 足元がグショグショになってからでは遅い ゴアテックスの靴なので大丈夫かと思っていたがどこから入り込んだのか最後にはグシュグシュとなってしまった スパッツを着け上からの浸水を防いだ上で靴の浸水の有無を判断しないといけないようだ こうした笹の道は天気の時は何でもないが 雨上がりなどで濡れている時は対応が必要だ

 八合目から九合目にかけてまた鎖がある 前回の場所より傾斜は急になっており足元の悪い場所があるのでそれなりに役に立っているのであろう でも 使用せずに登る

 この辺りに来るとヤマラッキョウやセンブリが顔を出す ヤマラッキョウは特徴のある花なので分かり易い センブリは小さな花なので見落とし易い 傾斜が急な登りではスピードも落ち 目前に花が顔を出すので見つけられるが下りとなるとなかなか見つけられない リンドウは本当に良くあちこちで顔を出す 天気の良い時に尋ねたい

 山頂直前でツユクサの花を見つけた ツユクサは倉敷市内でも咲いている 同じ環境で咲いている花ではあるが,どこでも咲いている花はそれほど興を起こさない やはりここに尋ねることで初めてお目にかかれるからこそ有難味がある 勝手なものだと思うが正直な感想だ 山頂周辺にははミヤマアキノキリンソウ サラシナショウマ リンドウ ツルリンドウなどの花が咲いている 笹の葉を背景に咲いているサラシナショウマの白い花は目立つ

 下蒜山山頂で一本入れて(一休みする意味だそうだ)中蒜山に向かう 笹の葉が繁った尾根があったり 花の道と変化に富んでいる ワレモコウやシモツケソウも顔を出す うれしい事にタンナトリカブトが美しい紫の花を咲かせているのを見つけた 蕾も沢山付けている これほど見事なトリカブトに出会ったのは初めてだ キバナアキギリも群落を作って咲いている このような花が次々と現れ実に素晴らしい尾根道である さほど急な勾配のルートも無く自然に接する事が出来る

 フングリ乢を過ぎて10分程度進んだブナ林の所だと思う 実に美しい小鳥の鳴き声が突然聞こえてきた また小鳥があちこちで飛び交っていた あれ! こんな世界もあるのか! と 夢の中でさまよっている錯覚 ブナ林は所々にあり 笹原と違ったアクセントがあり ブナ林独特の美しさを楽しませてくれるが この小鳥の声には全く驚かされた チチチ・・・と澄んだ声は別世界を彷彿させる 帰路も楽しみにしていたが小鳥達は他に飛んでいってしまったのか 一声も鳴き声を聞く事が出来なかった それだけに不思議な思いがする

 今度はキジが2羽 尾根道を歩いている キジには突然バタバタバタと大きな音を立て飛んでゆきその音に驚かされるが 尾根を歩いている 大分近づいてからこちらに気が付いたのか,大きな音を立て飛んでいった

 小雨が降り出した 傘をさす程では無い ガスの密度が高くなりしっとりとした雰囲気 カメラも手拭いでカバーする程度の手当で中蒜山に向かう 経過時間を見るとフングリ乢から中蒜山山頂まで50分程かかっている 花の写真を撮ったり小鳥の声に大分酔っていたのかも知れない

 中蒜山山頂は小雨の密度が更に高くなる 山頂での記念写真はカメラが防水で無いのであきらめる 前回尋ねた時に咲いていたマルバタケブキは葉だけが残っていた 茎から無くなっており心ない人のしわざで無い事を願う

 中蒜山山頂には避難小屋がある 誰もいないと思って入ったら 夫婦連れで登って来られた方が休んでいた 中蒜山からの登りとの事 山頂はどこかと聞かれたので今回が初めてのようだ

 帰路は中蒜山に降りようと思ったが 中蒜山〜下蒜山の尾根道はそうきついコースでは無いし 下山してから車の所までは確実に1時間は歩かないといけない 小雨の中を一般道を歩くよりは山の中の方がましだ 小鳥の声をもう一度聞きたい などと考え 来たルートを戻る事とした

 小雨は降っているとは言え レインコートや傘をさす程でもないので カメラをリュックにしまい リュックに防水カバーをして降りる もう戻るだけである 下りとは言え160分要したコースを100分少々でカバーする トリカブトを見つけたポイントの時間を参考までに下記に記載しておく

 蒜山の秋の花を尋ねるのであれば下蒜山を登りフングリ乢まで尋ねるのが良さそうだ タニウツギやツツジは上蒜山が良い



アプローチ
  429経由旭町〜県道30落合〜313に乗る 今日は曇り空 鳥取県は降水確率30〜40% 午後には雨に降られるかも知れない 道の駅加茂川付近で雨がパラパラ降ってきた今日は降られる覚悟で出ているのでここで引き返す気にはならない そのまま走っていると幸い雨は止んだ 湯原のトンネルを越える地点が心配であったが まだ雨は落ちてきていない 前回同様、山で食べるトマト(4ヶ100円)を購入する

 登山口は旧313の犬挟峠 新道が出来交通量が激減した 駐車場には誰もいない