毛無山 白馬山コース 銀世界の尾根



標高 1218m    難易度 ☆☆     登り150分(白馬山コース) 下り45分   岡山県
倉敷からの距離   113Km        登頂日 2000/03/20   ガイドブック  F

駐車場10:20−10:25白馬分岐10:31−11:23視界開ける−11:57白馬山頂12:08−12:50俣野ルート分岐−12:58九合目−13:05山頂13:15−13:36六合目−13:47三合目−14:00駐車場

登山
 雪を求めて毛無山(けなしがせん1218m)を尋ねる

 駐車場には1台の車 ご夫婦で登られる様子 すでに仕度を整えており、お先にと私に声をかけて先に出られる 風が強く結構冷たい この分では山頂で相当吹かれそうだ

 山の家の少し先まで除雪されている 白馬山への分岐から雪が積もっている 雪質が柔らかくズボーと膝まで埋まってしまう 早速輪カンジキを履き登る事に ルートを見ると薄っすらと足跡が見える これを追ってゆけば良さそうだ

 輪カンジキを履いても時々膝まで埋もれる 雪解けが進んでおり落とし穴のようなものがあちこちにある ここで、肝心なルートを見失い10分程ウロウロ なんとか尾根筋の取り付き口を見つける 足跡がついており間違い無さそうだ 尾根を目指して取り付く

 登りに入るとすぐに汗が出てくる 山影に入っている為か風は無く 太陽の日差しが暖かく感じる 上着を脱ぎリュックにくくりつける 雪解け水で渓流の水量が増し水音がいつもより高い 小鳥の声も聞こえてくる 木々を覆う雪は無い、食べられる木の芽でもあるのだろうか

 ズボー! 倒木を避けて回り込んだらズボーと左足の太腿まで埋まってしまった カンジキを履いており足が抜けない スキーであればひっくり返り板を空に向ければ何とかなるが 足を抜く事が出来ない 周りの雪を手で除き 埋まっている廻りを広げやっとの思いで抜け出す

 木の根の周辺はこうした危険が潜んでいるので 避けながら登ってゆく 雪質は次第に硬くなり歩きやすくなる 雪景色も一段と美しくなる 降り積もった雪の上に薄っすらと粉雪が積もっている この雪は昨夜でも降ったのだろう かすかに見えていた足跡は見えなくなる ルートは尾根筋が明確でありここまでくればルートを迷う事は無い 新雪の上を新しい足跡を残しながら登ってゆく

 1時間程登ると視界が開けてくる 周辺の山々や雪に覆われた新庄のまちなみを俯瞰出来る 視界が開けるこの瞬間はなんともいえない爽快感を味わえる 毛無山の山頂も木々の合間から見える

 高度を稼いでくると金谷山に繋がる尾根が見えてくる 左手には真っ白に雪に覆われた毛無山が見え、そこから尾根筋が延び金谷山 さらに朝鍋鷲ヶ山と続く 雪に覆われた尾根は美しい

 土用ダムが見えてくると白馬山山頂は近い 尾根の景観を楽しみながら白馬山山頂へ

 山頂に出ると 景観が一変する 毛無山に繋がる尾根は樹氷で覆われている ブナ林の枝という枝に氷が着き それが太陽光線にあたり輝いている なんと美しい景色だろう また、大山や大山に繋がる一連の山々が真っ白に雪化粧して前面に現れる 蒜山三座も雪に覆われている 近くに樹氷 遠くは雪化粧した山々と素晴らしい景観だ

 ここで昼食休憩をとり 汗で濡れた下着を着替える 太陽の日差しはあるものの結構冷たい 汗をかいた手袋をはめると冷たくてたまらない すぐに別の手袋を出しはめなおす こんなに冷えているとは思わなかった

 尾根を毛無山に向かう 尾根には鳥取側から吹いてくる雪が積もり 岡山県側は雪庇のようになっている 一部痩せ尾根のようになったところがある 雪が吹き寄せられ 隘路に降り積もっているのだろう 夏山ではこのような痩せ尾根のような場所は記憶に無い こわごわと越えてゆく 雪質は適当に硬く カンジキの歯が食い込み足元はなんとか確保出来た アイスバンのようになっていたらアイゼンに履き替えないといけない

 進むに従い 樹氷の景観が更に厳しくなる 氷の着き方が違っているのだろう 美しさが更に増す このような素晴らしい景色を一人占めして良いのだろうか つい何枚も写真を撮ってしまう

 俣野への分岐に出る この辺りの景観もまた素晴らしい この尾根筋は大山〜烏ヶ山に一番近い 太陽の日差しが翳ってくると 何故か恐ろしさを感じ 太陽が出てくると 美しさに幻惑される 不思議な世界だ

 こんな素晴らしい尾根を歩いた事は無い 夏山で40分の工程を約60分と1.5倍の時間を要している ルートの困難さより写真を撮ったり景観を楽しむ為にあちこちで立ち止まり時間を要したもののようだ

 山頂手前で山頂からこちらに向かう二人連れのパーテイーと出会う 白馬経由で登ってきたのかと尋ねられ そうだと答えて別れた

 山頂に出る ここからは360度の展望が開ける 登ってきた尾根筋が一望出来 あのルートを登ってきたのかと感慨を新たにする 心配していた風は無く 穏やかな日和 ここで駐車場で別れた二人連れと出会う 私がなかなか登ってこないのでどうしたかと心配していた由 こんな素晴らしい景色を5人だけでは勿体ないですねと素晴らしい景色を誉めたたえる 孫に見せたいので雪だるまを作ったとの事 雪だるまと一緒に写真を撮ってもらう

 少し話しをして下山 下山にかかって雪質の違いにびっくりした 下山ルートの南面はべとべと 登ってきた尾根と全く違う 下山しながらルートを見るとあちこち足跡が深く埋もれている 今日出会った4名の方はアイゼンで登ってきていた この雪質では埋もれてしまい さぞかし難渋した事かと思う その点、輪カンジキは随分と違う

 快調に下山する 雪質が柔らかいと雪の表面の景観が違う 引き締まった感じに欠ける 尾根筋の景観を見た為か 左程興を覚えず下山

 駐車場で帰り支度をしていたら 車で来た人に毛無山には良く登られるか尋ねられた 話をしていると山と渓谷社で中国百名山を出版する資料収集に来ているとの事 毛無山以外に幾つも話が出 40分程あれこれと質問に答えた 最後にこのホームページを紹介しておいた 少しでも役にたてば幸いである

 帰路 男滝 女滝に寄る 雪解け水で水量が豊富 渓流には雪も残っていた



アプローチ
 太陽の光をあび心地よい 429経由で旭町〜落合〜勝山〜新庄といつもの道を行く 旭川の豊かな流れはいつ尋ねても心地よい 落合から望む遠くの山に白いものが見える 大空山だろうか 雲はあるものの遠望がきく

 勝山の旭川川岸には黄色の彩りがちらほらと見える 菜の花が咲き出した 春は近い

 新庄村に入ると雪が山影に見えるようになってくる 気温は5℃と車の外はまだ冷めたい 国道を毛無山の案内に沿って右折し登山口に向かうと、登山道沿いの雪が増えてくる 少し山奥に入るだけで随分と雪の状況は違う

 毛無山の山頂が顔を出す 真っ白に覆われた山頂 まだまだ雪が残っている 山の家の駐車場に駐車 駐車場はまだ半分雪に覆われている